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吉見義明教授の「質問」と、橋下徹市長の「逃亡」と

吉見義明教授の「質問」と、橋下徹市長の「逃亡」と

今回はhokke-ookamiさんのブログ『法華狼の日記』からご寄稿いただきました。

吉見義明教授の「質問」と、橋下徹市長の「逃亡」と

吉見義明教授の公開質問状が、下記ページでPDFファイルとして一般公開されていた。

「【橋下発言】吉見義明教授が公開質問状」 2013年06月07日 『アジア女性資料センター』
http://ajwrc.org/jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=804

吉見教授は6月4日の記者会見で、橋下氏の「ほかの国も『慰安婦』を利用していた」という発言について、「軍の施設として組織的に慰安所を作った国はほかになく、日本の『慰安婦』制度は特殊だ」と指摘。また、橋下氏が昨年8月の記者会見で「吉見さんも強制連行の事実まではなかったと言っている」と述べたことについて、研究者としての名誉を傷つけるものであると抗議し、「居住の自由、外出の自由、廃業の自由、拒否する自由がなかった日本軍『慰安婦』は、性奴隷制である」と指摘しました。

◆吉見教授の質問状はこちら
「橋下徹市長への公開質問状(PDFデータ)」 2013年06月04日 『中央大学 吉見義明』
http://www.ajwrc.org/doc/yoshimi-situmonjoh.pdf

◆吉見教授の添付資料(慰安所制度の創設・運用に関する資料)はこちら
「別紙1)日本軍・日本政府による軍慰安所制度の創設・運用等に関する資料(PDFデータ)」
http://www.ajwrc.org/doc/yoshimi-shiryo.pdf

ひとつ指摘すると、ここで吉見教授が名誉を傷つけられたとしている要点は、昨年の記者会見における「捏造」(もちろん、桜内議員の発言から皮肉の意図で引いた表現。)だ。吉見教授は、ただ自説が無根拠に否定されたから質問したわけではない。主張していないことを主張したことにされたことと、その根拠を問われて橋下市長が雑誌『WiLL』記事からの伝聞と答えたことに対し、あらためて問いただしているのだ。

実際に質問状を読んでも、まず1頁目で最初に昨年記者会見についての質問があり、さらに6頁目で『WiLL』記事と比較しなおしている。それ以外の質問は、あくまで「関連して重要と考えます」という位置づけだ。さらに先月末に外国特派員向け会見で捏造者あつかいされた件すらも*1、本文最後の7頁目で「これも私の名誉を著しく毀損」と評しつつ、慎重に「制止しませんでしたが、この発言を肯定するのですか」とたずねている。

*1:「橋下徹大阪市長の外国向け記者会見で、「吉見義明」が捏造者あつかいされていた件」 2013年05月28日 『法華狼の日記』
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20130528/1369754918

もちろん、質問状の要点でない部分も意味がないわけではない。慰安所制度の実態や、当時の国内外の法制度、2007年の閣議決定*2、等々について理解を助ける内容となっているので、橋下市長でなくても一読して損はない。

*2:「橋下徹大阪市長はデマを根拠に従軍慰安婦問題へ言及していたことが確定」 2012年08月24日 『法華狼の日記』
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20120824/1345826092

なお、添付資料は各資料から抜粋引用した文書。質問状の各質問を裏づける短い文章が多数ならんでいる。

この質問状に対する橋下市長の反応だが、6月5日のぶらさがり会見で行われていたという。その要約がTogetterにまとめられていた。

「6月5日昼 橋下徹大阪市長のぶら下がり会見」 2013年06月06日 『Togetter』
http://togetter.com/li/514442

橋下市長自身がいっているのとは別の意味で、議論がかみあっていない。吉見教授から重点的に指摘された、歴史事実の争いですらない橋下市長の見解について、まったく回答していないのだ。2007年の閣議決定についても言及がない。この会見だけを見た人は、吉見教授が慰安所制度の事実関係のみ質問したと錯覚するのではないだろうか。

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