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働かなくてもいい社会

働かなくてもいい社会

今回は舞田敏彦さんのブログ『データえっせい』からご寄稿いただきました。
※すべての画像が表示されない場合は、http://getnews.jp/archives/293387をごらんください。

働かなくてもいい社会

phaさんの『ニートの歩き方』技術評論社(2012年)が話題になっていますが、読まれたという方も多いと思います。著者は1978年生まれということですから、私とほぼ同世代ということになります。

「ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法」 『技術評論社』
http://gihyo.jp/book/2012/978-4-7741-5224-0

この人は、「働かないで暮していきたい」という意向を持っておられるようですが、私も然り。とはいえ、30代半ばの働き盛りの男がこのようなことを口にしようものなら、「何たることか!」と大きな非難を被ることでしょう。私とて、親兄弟や親戚の前で、こうした腹の底の思いを打ち明ける度胸はありません。

「働かざる者食うべからず」。よく知られた言葉ですが、これがどれほど普遍的なものと受け取られているかは、社会によって異なるものと思います。phaさんや私のような30代半ばの男であっても、働かないでブラブラしている人間が結構いる社会が存在するかもしれません。

私は、こういう関心をもって、30~40代男性の非労働力人口率の国際比較を行うこととしました。人口は労働力人口と非労働力人口に大別されますが、後者は、働く意欲がない人間のことです。主な成分は、学生や専業主婦(夫)ですが、上の年齢層の男性にあっては、ほとんどがニート(Neet)であると思われます。

就労しておらず、教育も職業訓練も受けておらず、かといってハロワ等に足繁く通って職探しをしているのでもない(している場合は失業者)。働き盛りの男性の中で、こういう輩がどれほどいるか。国ごとに比べてみようと思うのです。

資料は、ILOホームページのLABORSTAです。このデータベースから、世界各国の性別・年齢層別の人口と労働力人口を知ることができます。私は、わが国を含む48か国について、最新の2008年の統計を収集しました。

『ILO LABORSTA Internet』
http://laborsta.ilo.org/

手始めに、主要先進国とお隣の韓国を例にして、30代と40代男性の非労働力人口率を計算してみましょう。分子の非労働力人口は、人口から労働力人口を差し引いて出したことを申し添えます。

働かなくてもいい社会

(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://px1img.getnews.jp/img/archives/2161.jpg

日本の場合、30代は3.4%、40代は3.1%です。働き盛りの男性のうち、ニート状態に近い者の割合はおよそ3%というところです。この値は、他のいずれの国よりも低くなっています。アメリカでは、40代の率が9.3%にもなっています。11人に1人です。

では、比較の対象を世界の48か国に広げてみましょう。横軸に30代、縦軸に40代の非労働力人口率をとった座標上に、それぞれの社会を位置づけてみました。点線は、48か国の平均値を意味します。

働かなくてもいい社会

(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://px1img.getnews.jp/img/archives/3104.jpg

右上にあるボツワナはすさまじいですね。このアフリカ南部の国では、30代男性の非労働力人口率は17.4%、40代男性では18.4%にもなります。働き盛りの男性の、およおそ5人に1人が、就労意欲のない者ということになります。隣接する南アフリカも、似たような社会です。

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