外国人には意味がわからない日本人の英語
仕事や海外旅行に限らず、私たち日本人が外国人や英語に触れる機会は増え続け、駅や市街地などでも英語で書かれた看板やポスターを見かけることは珍しくありません。
しかし、30万部を突破したベストセラー『爆笑!英語コミックエッセイ 日本人のちょっとヘンな英語』(アスコム/刊)の著者で、日本で25年以上英語教師を務めてきたデイビッド・セインさんは、日本人が使う英語にはまちがっているものや、ネイティブの人からすると思わず困惑してしまうものも少なくないといいます。
では、私たちが日常的に使ったり、目にしている“おかしな英語”とはどのようなものなのでしょうか。
今回はセインさんをはじめとした日本経験豊富な英語ネイティブの方々6人の座談会にお邪魔してお話を伺ってきました。
■“No dangerous goods”(危険物持ち込み禁止)は意味不明?
映画館など娯楽施設で見かける“No dangerous goods”(危険物持ち込み禁止)の表記。
しかし、英語講師・翻訳者として活躍しているマルコムさんいわく「これは、ちょっと何を言っているのかわからない…」。どうやらこの言葉は、ネイティブの人には通じないようです。
セインさんによると、“goods”という単語はお店などで売っている商品を指す言葉であり、“No dangerous goods”だと、“危険な商品は持ち込み禁止”、つまりどこかで買ってきた商品だけを禁止するニュアンスになってしまうのだとか。
この場合は、多少長くなりますが“Don’t bring dangerous materials.”とするのが正解です。
■“What time is it now?”(今、何時ですか?)
中学校で初めて英語を習う時にまず教わるのが、時間を尋ねるこのフレーズです。
これは意味としてはネイティブにも通じるのですが…。
「“now”がつくと強くて威圧的な気がする」と話すのはハワイ出身で、現在ALT(英語指導助手)として働くジェイミーさん。
「“What time is it now?”って知らない人に聞ける?」というセインさんの問いかけに、マルコムさんは「“Excuse me.Do you have a time?”の方がベターだね」。
「“What time is it now?”だと、警察みたいになっちゃうよね」とセインさんは言います。どうやらこのフレーズは、ネイティブの人には尋問されているように感じられてしまうようです。
ほとんどの日本人が知っていると思われるこのフレーズですが、使う時は注意が必要です。
■“Pet Bottle”(ペットボトル)は“ペットに水をあげるためのボトル”
日本の観光地などでゴミ分別のために“Can”“Pet Bottle”などと投入口に表記されていることがありますが、これも実は“おかしな英語”なのだとか。
「アメリカだとペットボトルは“Plastic Bottle”ですね。“Pet Bottle”だと“ペットに水をやるためのボトル”というニュアンスになってしまいます」(セインさん)
ただし、「イギリスではペットボトルを“PET”と言う」(マルコムさん)そうなので完全にまちがった英語というわけでもないようです。
日常会話でつい使ってしまいそうな単語だけに、相手に誤解されないようにしたいものですね。
この他にも“How are you?”“Don’t mind”といった、私たちが疑うことなく使っている英語が、ネイティブの人には不自然に聞こえてしまったり、きちんと伝わらないなど、セインさん達の会話は、日本人が“今まで習ってきた英語は何だったの?”と衝撃を受けてしまうものばかり。
『爆笑!英語コミックエッセイ 日本人のちょっとヘンな英語』には、そのような“ついまちがって使ってしまう英語”“普通に使っているけど相手に誤解されやすい英語”が数多く紹介されていますので、自身の英語を確認する意味でも一度目を通して見て損はないはずです。
(新刊JP編集部)
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