商売人達の戦いの場 バイヤー集うギフトショー2012へ行って来た!
9月6日 筆者は東京ビックサイトで行われた『東京ギフトショー2012』へ行ってきた。ギフトショーなので、「今年はこの贈物がアツイ!」「○○ハムの新商品発表!」みたいな感じのを勝手に想像していたのだが、実態は日本中のバイヤーが集結し、片手に計算機を持ち、「もっと安くならないのか?」「こういう商品はないのか?」と、商人魂あふれる会場だった。筆者も関西出身で商売人の息子、血がうずくのかこういう会場に来るだけでワクワクしてくる。
会場をグルリと見渡してみるとキャラクター商品やオリジナルグッズ等、色々あるがブースごとに変わるのが商品より人である。やる気マンマンで「商品を売るぞー!」と意気込んで手当たり次第に声をかけるひと、実演する人。座って携帯電話を触っている人。プレゼンが上手な人、下手な人様々だ。その中でも筆者が好きなのは泥臭い人だ。粘りづよく、なんとか仕事を取ろうとしている姿には尊敬の念を覚える。今回はそういう人たちにフォーカスを当てて、東京ギフトショー2012を紹介したい。
まず最初は駄菓子屋さん。昔は小学校付近に多数あったが、今はもう閉まっている店も多い。そんな中見かけるのがスーパーやデパート、ショッピングモールになぜかある駄菓子屋だ。「なんでここにあるんだ?」と疑問に思った人も少なくはないと思う。仕掛け人はワイズ・カンパニー。什器や駄菓子を無料で全国各地まで持って行き、場所さえ確保してもらえればどこでも置いてくれるようだ。
駄菓子自体の純利益は少なく、大きな什器に入ってる駄菓子を全て売っても売り上げは2、3万程度。これだけでは利益にならないと思うが、客引きになればと、熱心に説明していただいた。什器の種類も相談に応じてくれるそうだ。
やはり0円から始められる商売は強いのか、0円投資コーナーは人気を呼んでいる。注目度が高いだけあって、売り手側もやる気マンマンだ。ゲーム機を0円で貸してくれるアイウィルという会社もあった。こちらではゲームセンターや旅館によくあるパチンコ台やクレーンゲーム等があり、景品代もすべて0円。かかるのは電気代だけ。置くだけだが利益率も悪くなく、売り上げから25%は報酬としてもらえるのだ。ただ、自分が土地や場所を持っていない場合もある。そういう場合は紹介することにより売り上げから5%程をもらえる。
ちなみに景品の種類も豊富で、自分のお店にマッチするものにしたいと要望を出すことも可能。設定も調整可能でお店のイベント時などは、景品を取りやすくするといったことも可能。特に今は銭湯や文具店の入り口スペース等でウチも置きたいとよくお声がかかるらしい。よく見かけるなーと思ったらこういうワケだったのね。
0円ではないが、むむむっと目に止まる商品が。ああ、流行のブルーライトカットメガネか。筆者もかけているし、むしろどこでもやってるでしょ。と、思いきやこれは現代のニーズに合わせたブルーライトカットの老眼鏡だ。おじいちゃん向けではなく、初老の方向け。いざ老眼鏡を使うときに、「それ老眼鏡なの?」と人に言われたくないと思ったことはないだろうか。老眼鏡は一般的に流通してる商品でオシャレなのは少なく、おっさん臭いのが多い。作る側としても、老眼鏡に見えない、誰から見てもオシャレなデザインで作ってみてはどうだろうかと製作したのが『ブルーリー』だ。結構人気商品で、バイヤーさんによく使われる度数が買われてしまい、店頭にほとんど残っていなかった。
実際かけていただいたのだが、格好いい。編集部には3人ほど40代頃の方がいるが老眼鏡はしていない。そもそも老眼鏡をつけようという選択肢がない。お店の人が言うにはダサくて選択肢にもはいらないのだという。
特に女性であったら尚の事毛嫌いする人も多いだろう。そういった配慮もしてあり、女性用の可愛らしいのまで取りそろえてある。値段も手ごろで2000円程。最近目がボヤける、霞むという方は必要かどうか確認し、ダサイという概念を吹き飛ばしてくれる老眼鏡を手にしてみては如何だろうか。
ふらふらと歩いていると、不思議な雰囲気のお兄さんがいて、箱と子供服を売っている『ドロップキック』というブランド名の店があった。なんだろうこれ。とながめていると、「適当に作った適当に」と、お兄さんが話しかけてきた。適当っていうか、この箱なんだ。シリアルの箱とかあるではないか。「箱の柄も全部デタラメ。なんでもいいんだよ」。思わず笑ってしまった。
ポップなブランドだなーっと思い、コンセプトを聞いてみると、実は明るいブランドではなく、3.11の震災で生まれたブランドだった。
お兄さんの周りには子供を亡くした人が多く、地震の日の朝、子供に怒ってしまいそのまま送り出し、後悔の念で未だに立ち直れない人が多いという。なんでもない日が特別だということを改めて認識して欲しいという、意味をこめてこのブランドを設立したそうだ。親からして子供と向き合い遊べるのは5歳~15歳程度、その時にたくさん愛情を注ぐことで、家庭内反発や、家族崩壊等も少なくなるだろうし、もし、離ればなれになってしまってもその絆は壊れることはない。お兄さん改め、平了(たいらりょう)さんはそう語る。
「誕生日やクリスマスだけでなく、本当に気分がいい日、なんでもない日に、この箱に子供服を入れてプレゼントしてみてください。子供は箱に入った服なんて珍しがるし、ビリビリ破るのも楽しいですよね。箱もデザインも含めて思い出に残るのを作りました。身近な物をキャラにしています。子供もなんのキャラクターかわかりやすいですからね」。
皆さんは“スコップ団”をご存知だろうか。3.11、震災が起きた時にスコップとトラックで被災地を飛び回り、困り果てている人たちを救った人たちの事を。彼らも被災者だが、その行動力は凄まじく、ボランティアという概念を越え、各メディアに取り上げられていた。平さんは、そのスコップ団の団長なのだ。被災者を助けただけでは留まらず、震災孤児に売り上げを一部寄付するブランドを立ち上げたそうだ。行動力のある男の人はすげえカッコイイ。
値段も3000円でさわり心地も良く、頭が大きい子供が脱ぐときに苦しくならないような配慮もしてある。売り上げの全部とは言わないが、できる限り震災孤児を応援したいと語る。口調は穏やかだったが目はギラギラと、俺がやってやるという感じが伝わってきた。
ギフトショーで展示された商品は10月~2月あたりに世に出回ることが多いそうだ。今回新商品として数多く展示されたが、人気が出るのはごく一部。今回紹介した、熱い男達の商品が是非人気になることを祈る。
滋賀県出身流れ者すこやか山田参上! 色んなメディアや政治、省庁関係、あなたの気になることにブッコんで行くんで夜路死苦!! コテコテの関西人です。元アウトローです。昔はママチャリで東京に行く等無茶な事をしていました。http://gundori.tabigeinin.com/ 重度の2ちゃんねらーです。格闘技と女性が大好きです。
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