仕事での失敗、年代別の受け止め方

 人生に失敗はつきものです。どんなに能力が高い人でも失敗することはありますし、挫折することもあります。
 問題はその失敗を、自分の糧にできるかどうか。人の成長や進歩はその一点にかかっているといっても過言ではないはずです。
 『失敗バンザイ!やずやの西野さんに学ぶ「逆転成功」 の法則』(橋本陽輔/著、マガジンハウス/ 刊)は「にんにく卵黄」や「香醋」でおなじみの通販大手「やずや」で長きにわたり矢頭宣男社長を支え続け、自らも一億円の借金から人生を挽回した西野博道さんの人生に光を当て、人生において「失敗」とどう向き合えばいいかがつづられています。
 「やずや」に入る前の西野さんの人生は、失敗だらけの借金まみれ。住居も、このあいだまで「やずや」に住み込みだったそうです。
 本書には、失敗ばかりの半生を生きてきた西野さんだからこそ言える、年代別の「失敗の受け止め方」が語られています。

■20代の失敗は「特権」
 しないで済ませられるなら「失敗」などしないに越したことはありません。しかし、若いうちから失敗を過度に恐れるのはもったいないと西野さんはいいます。
 特に20代は、失敗しても「若いんだからしょうがないよ」とまわりから思ってもらえ、大目に見てもらえる、ある意味で特権的な年代です。
 この年代にさまざまなことにチャレンジして、失敗の経験を積むことが、30代以降の成長の糧となるのです。
 20代はテストの連続と心得て、改善を重ねながらどんどん挑戦を重ねましょう。

■30代は原点に戻る
 それなりに経験を積み、やっと自分なりの仕事のやり方が身につくのが30代。仕事の面白さもわかり始め、結果も伴ってくる時期です。その反面、仕事に対して自信がついてくるため、「なぜうまくいったか・なぜうまくいかなかったのか」を検証することを怠り、思わぬ「挫折」をしやすいのもこの年代の特徴です。
 検証を怠ったまま悪い結果が続くと、修正方法がわからなくなり、最終的には「自分がなぜ今の仕事をしているのか」といった、原点まで見失ってしまうことになりかねません。
 そうならないためにも、「自分は今の仕事で何をやりたかったのか」「自分は今の仕事の何を楽しいと思っているのか」といったことを、自分自身と対話することによって見直すことが必要になります。

■守りに入る40代だからこそ「過去の自分と決別する」
 40代は家族を持つ人も多くなり、ともすると「安定志向」「現状維持」の気持ちが強くなる年代です。「今の状態をキープすることが、自分にとっても家族にとっても幸せだ」と、失敗を恐れ、自分から行動を起こさなくなるのです。
 しかし、50代以降の仕事で飛躍を遂げる人というのは、この年代で自分を変革できた人だと西野さんはいいます。
 現状維持は決して悪いことではありませんが、今の環境に満足していないなら、次の進路を決断する最適な時期が40代です。失敗を恐れず、常に新しいことにチャレンジをする気概だけは持っておきたいものですね。

 失敗は成功の原動力。
 そのように肯定的に捉えれば、どんな失敗や挫折も糧にして成長していけるはずです。
 本書には、「失敗から学び、成功への原動力とするために何をするべきか」ということへの西野さんの考えが、経験談を交えて語られています。
 最近仕事で失敗をしてしまった人や、今の仕事をいつまで続けるべきか悩んでいるという人は、本書から得るものがきっとあるはずです。
(新刊JP編集部)



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