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ハローキティが仕事を選ばない理由

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 多くの人が利用している「iPhone」ですが、日本で発売される前、ちょっとしたことが話題になりました。それは、「iPhone」という名前が日本の「インターホン」を作る電気メーカーであるアイホン株式会社と類似しており、商標権を侵害するおそれがあるため、「iPhone」という名前が使えないのではないか、ということです。
 米アップル社とアイホン株式会社は友好的合意を結びますが、「iPhone」という表記の使用許諾が下りたかわりに、カタカナでは「アイホン」という言葉と酷似する「アイフォン」ではなく「アイフォーン」と表記しなければいけなくなるなど、この事件はビジネスにおける「商標権」の重要性を物語っているといえます。

 「商標権」とは知的財産権の一つで、自社の商品やブランド、記号などを他社(者)から保護し独占的に使用するための権利です。商標権をめぐる係争が起こるたびに、私たちの前に姿を表すこの言葉ですが、実はこの商標権を上手く利用してビジネスを展開している企業も多くあります。
 『社長、商標登録はお済みですか?』(平野泰弘/著、ダイヤモンド社/刊)の中から、私たちがよく知っているキャラクターのビジネス展開をご紹介しましょう。

■ハローキティが仕事を選ばない理由とは?
 ネット上では“仕事を選ばない”とまで言われる「ハローキティ」。ご当地キティちゃんはもちろんのこと、「新世紀エヴァンゲリオン」や「ONE PIECE」などのアニメキャラ、X JAPANやKISSといった派手なヴィジュアルが特徴的なロックバンド、さらにはチンアナゴやドクロとのコラボまで、思わず「幅広すぎ!」と言ってしまうくらい、キティちゃんが様々なキャラに扮しています。
 このハローキティの産みの親であるサンリオは従来、サンリオショップなどの直営店のグッズ販売を収益の柱としてきました。しかし、数年前からビジネス構造を転換、ハローキティなどキャラクターの商標ライセンス、つまり使用許諾の契約を海外企業と積極的に結び、「ライセンスフィー=商標権使用料」の収益を伸ばしています。

 こうすることで、サンリオ側は自分たちがグッズの製造コストをかけなくても良いわけですし、人件費を遣う必要もありません。そしてライセンス先の企業が各国でヒット商品を作って売り上げを伸ばすことで、自動的に入ってくるフィーが増えるわけです。
 一方でサンリオ側が譲歩している部分もあります。それが、ある程度自由なデザインを認めているということ。しかし、すでにそれぞれの地域や国で流行しているデザインやキャラクターがあるわけですから、ハローキティがより現地で流行るキャラクターとして人気を高めるための「攻めの発想」とも言えます。
 この自分たちで費用をかけずにライセンス先の企業に活用してもらい、キャラクターを育ててもらうというビジネスモデルが、世界的に厳しい経済環境の中でも堅調であるサンリオの強みを生み出しているといえます。

 最近話題になった商標権の係争といえば、北海道の銘菓「白い恋人」と吉本興業の子会社が企画・販売した「面白い恋人」。そもそも「面白い恋人」のようなジョーク商品は昔からあります。しかし、今回違ったのは、この「面白い恋人」が年間売上6億円のヒット商品になってしまったことでした。

 本書ではこの他にも、アップル社が中国企業に6000万ドルを支払った理由、「なめ猫」成功秘話、ご当地ラーメンの商標をめぐる戦いなどを様々な事例を通して商標とは何かを説明していますが、いずれも身近なものばかりです。
 商標権を上手く使ってビジネスを展開する企業もいれば、思わぬところから足をすくわれてしまう企業もある。つまり、敵にも味方にもなるのです。だからこそ、ビジネスに携わるすべての人が、商標権の仕組みを理解しないといけないのではないでしょうか。
(新刊JP編集部)



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