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決められたルールの中でしか戦えない日本人

決められたルールの中でしか戦えない日本人

今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

決められたルールの中でしか戦えない日本人

コンプガチャ問題にからみ、どこかのゲームメーカーの開発者の発言が載っていた(匿名だったと思う)。「内心これ(コンプガチャ)はヤバイと思っていたが、流れを止められなかった」「きちんとルールを決めてほしい」と。

これを読んで暗たんとした気持ちになった。誰かにルールを決めてもらわないと安心できないということだ。彼の中では、決められたルールの中でフェアな戦いをするというのが、正しいのだろう。

え?それのなにがいけないんだ?って。これって小学生が先生に喧嘩の裁定を頼むのと同じなんだよね…。一般社会では裁定を行う審判(超越者)はいない。河原でケンカするのと同じで、すべて当事者同士でケリを付けなければならない。自分の行動がルールに縛られない反面、相手も自由に攻撃してくる。

でも世の中というのはそういうものだ。自分が新たなルールを作るぐらいの姿勢でなければ、勝ち残れない。MicrosoftだってGoogleだって訴訟を抱えているよね。自分たちこそが正しい。もしそれが法律違反だというなら、法律の方を変えるべきだ、それぐらいでなければ、新しい時代は切り開けない。

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日本人はなにかと、自分たち日本人は創造性がない、大胆な発想ができないと嘆く。ところが具体的な問題になると一転して、他人に迷惑をかけるな、共通のルールを作ってそれにみんな従おうという。そんな状況で自由で大胆な発想ができるわけないじゃん。

何事にもプラス面とマイナス面がある。他人に迷惑をかけないことを最優先にして人畜無害で生きていくことこそが正しい生き方だと信じるのもいいだろう。しかしそれなら大胆なイノベーションを自分たちに期待してはいけない。

逆に次の時代を切り開くような発想を求めるなら、他人に迷惑をかけないことを最優先にするのは諦めることだ。どんなことであれ大なり小なり既得権者には不利益をもたらすものだ。

電子書籍などがいい例だ。既存の出版社や小売店にまったくなにも不利益をもたらさず、新たなことをはじめることはできないのだ。そして自分たちが迷惑をかけまいと躊躇している間に、結局はよその国がやり、結果は同じ事になる。

避けられない変化なら自分が率先して牽引すべきだろう。それでこそ先行者利益が得られる。それを躊躇すると既得権者の不利益だけ被ることになる。

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こういう考え方ができないから、日本人は世界を変えるような製品を生み出せないのだ。そしてそうしているのは、ほかならぬ日本国民なのだ。物事のマイナス面だけを重視し、それを最小にしようとする。

そうしているうちによその国がどんどん先に進んでしまい、結局回避しようとしたマイナス面は被ることになるし、先行者利益というプラス面は見逃してしまう。避けられないマイナスなら、積極的に変化を推し進めて、むしろプラスを得ることを重視すべきだろう。

とはいえ大半の大衆がそういう考え方をできないのは、どの国も同じだろう。問題はそういう愚かな大衆の世論に企業や国が引きずられてしまうか否かだ。素人である国民感情に右往左往するか否かだ。

そう考えると何事も理屈(訴訟)で決着をつける訴訟社会でないと、イノベーションは生まれないのかな、という気がしてくる。漠然とした感情に流されるなら、何事も無難で保守的な意思決定しかできない。

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むしろ昭和の頃の日本はいまよりそういう面では良かったのかもしれない。国民はいまほど政治や社会問題に目を向けず、良くも悪くも政治は国民不在のまま行われた。大企業の理屈すなわちシビアな損得勘定ができる人間によって意思決定されていたわけだ。

それがネットの普及で国民の影響力がなまじ増した分、そうしたシビアな意思決定ができなくなった。いまの国民はブレーキをかけるだけで、百害あって一利なし。ネットの発達がこんな結果をもたらすとは、俺は夢にも思わなかったね…。ネットワークは人間の活動をさらに活発化させるものだと信じて疑わなかった。

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インターネットをグローバルブレインと言った人がいた。もしそれに例えるなら、現在形成されつつあるグローバルブレインは、まだ幼児なのかもしれない。物事にまだ反射的・感情的に反応しているだけだ。

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