「声」を使った技術はここまで進化した!
先日、iPhone向け秘書機能アプリケーション「Siri」の日本語版がリリースされ、ネット上を中心に大きな話題を呼びました。また、DoCoMoからリリースされているAndroid対応アプリ「しゃべってコンシェル」も高い評価を得ています。
この2つに共通する機能は「音声認識エンジン」。IT革命の中で出遅れた感の否めなかった音声認識の技術は、今、大きく発展しており、その認識精度もかなり上がってきているといいます。
では、実際にどのように活用されているのでしょうか。
ここでは、『スマホは「声」で動かせ!』(鈴木清幸/著、ダイヤモンド社/刊)から、音声認識技術の最先端を紹介していきます。
■残業がなくなった 音声認識で議事録作成
アドバンスド・メディア社が提供する音声認識技術『AmiVoice』は、不特定に誰の声ででも認識することができ、事前学習や声の登録が不要、話者が次々に入れ替わってもアクセントやイントネーション、スピードに対応できる点が特長です。
そのため、何かと手間のかかっていた会議の議事録作成にも大きな役割を果たしています。
特に自治体の議会の議事録作成は、情報公開の正確さと速さ、双方が求められます。だから、これまで職員がICレコーダーを片手に夜遅く、もしくは休日に出勤して作業をしていました。しかし、音声認識技術『AmiVoice』のシステムを使うことにより、音声のテキスト化がリアルタイムで行われ、修正・編集作業を行うだけで議事録が完成するようになり、残業や休日出勤をしなくてもよくなったという声があがっているといいます。
最初に導入したのは静岡県沼津市議会で、2012年1月現在、全国42自治体で『AmiVoice』が活躍しています。
■音声でメール入力、端末のロックも
スマートフォンに変えてから、メール入力に時間がかかるようになったと感じている人も多いかも知れません。
今すぐ社内メーリングリストで報告しなければいけないのにメールが打てない……。そんなときにも音声認識機能が役立ちます。『AmiVoice』のシステムはモバイルでも応用されており、音声を認識してメール文章を打ち込むことができたり、スマートフォンのロックを声で行うこともできるようになっています。また、営業の日報、登録もモバイルから「声」を使って行うことができます。その際、「声紋認証」機能により「声」で個人を特定できるため、コンプライアンスの観点でも優れています。
本書ではこのほかに、医療現場やコールセンターでの業務の現場などで使われている実例が紹介されています。
著者の鈴木さんは「面白い(Joy)」と感じてもらい「役立つ(Useful)」もの、「なくてはならない(Indispensable)」ものとして認知してもらえる、その頭文字を取った“JUI(ジュイ)”が重要だとつづります。
本書から、音声認識システムを通して創られる新たなコミュニケーションの形が見えてくることでしょう。
(新刊JP編集部)
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