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話題の「コンプガチャ」についていまさら聞けない人のためのやさしい解説

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『東京証券取引所』で行われたDeNA決算発表記者会見と投資家さん証券会社さん向けの決算会見、この2つの取材に同行した私、新人記者山田が、いろいろと調べたり周りに話をききながら関連する用語についてまとめてみたぞ。

結局今回、何が起きて騒いでるの? 

今回の騒動はネットに接続したケータイやスマートフォン用に開発された「ソーシャルゲーム」に関するもの。で、一部の有料ゲームのルールに、現実世界の商品であれば違法とされているものが含まれているため消費者庁が規制をおこなうのではないかと見られているんだ。それに呼応して運営側が自粛をはじめているってわけ。

ソーシャルゲーム

「ソーシャルゲーム」はもともと、知人どうしでリンクしあう会員制ウェブサイト「ソーシャルネットワークサイト」上でプレイできるゲームのことをさしていて、ゲーム内から知人を誘う仕組みがあるから爆発的に人が集まる場合がある。これらのゲームは、ゲームの入り口では無料でプレイできるけど、ゲームを有利に進めるためにはお金が必要となる。

ガチャ=有料くじによって優越感を購入する仕組み

騒動の焦点はソーシャルゲームのなかでも特に射幸心をあおるとされる『コンプガチャ』。コンプガチャとは、コンプリートガチャの略で、元々は「ガチャ」と呼ばれる有料くじびきゲームがはじまり(無料ガチャも存在する)。

これはいわゆる駄菓子屋やショピングセンターのゲームコーナー等においてある、カプセル入りのオマケが当たる「ガチャガチャ」のように、運にまかせてカードを引く仕組みが盛り込まれていることから「ガチャ」と呼ばれているんだ。

これら「ガチャ」に相当するソーシャルゲームはくじを引く際にお金が必要となる。もともと携帯ゲームにはゲームを有利にするためのアイテムなどをお金を使って購入するというものがあったんだけど、それが発展して、くじを引く権利を購入する形になり、射幸心をあおる仕組みがどんどん盛り込まれていたところだった。

射幸心(しゃこうしん)とは、この場合、ギャンプル性とほぼ同じ意味。賭博では「一時の娯楽に供する物」を超える金銭などの見返りが期待されるけど、ガチャの場合はデジタルデータとしてのアイテムを所持しているというフラグがデータベースに立つだけで、そこに金銭的な見返りはない。金銭的な見返りを求めずに、データベースのフラグを立てるためにお金をつぎ込むのがガチャの実態だ。

利用者は有料くじの結果得られた「レアアイテム」を使ってゲーム内の「戦い」を有利に進められるようになっており、そこで「優越感」も得ることができるんだ。

抽選テーブルやそれぞれのカードの抽選確率は公表されていないけれども、無料での抽選の場合と有料の抽選の場合では確率が変わり、手に入れることができるアイテムも変化するとされているんだ。どんな確率でアイテムをもらえるのかわからないけどお金を使い続ける。まさに金がものをいう世界。

11連ガチャ=より短い時間で高額課金をおこなう仕組み

利用者としては、早く珍しいカードを手に入れたいというのが本音。早く結果を知りたいし、何回もガチャをやるのはめんどくさい。そういう利用者の欲望にこたえるべく開発されたのが「11連ガチャ」だ。

例えば1回300円の「ガチャ」を3000円で11回抽選できる形にしたものなどがあるぞ。利用者にとっては1回分ちょっと得した気分となるけど、抽選確率が通常と変化しているかどうかは非公開なため、本当に得してるかどうかはよくわからない。

そしてその11回分の抽選は瞬時におこなわれ、1回ずつガチャの抽選をおこなうよりも早く結果を知ることができる、とされているんだ。運営者側からすればより短時間で多くのお金をつぎこませるための仕組みということになるね。

上記のように纏(まと)めてガチャをすることを連ガチャというのだが、中には同じ連ガチャでも値段分しか引くことできないコンテンツも存在する。

コンプガチャ(コンプリートガチャ)=より当たりにくくすることにより高額課金をおこなう仕組み

今、たいへん話題になっているコンプリートガチャ、略してコンプガチャは、一見簡単に揃いそうで実は揃わないという「カード合わせ」のルールを採用したガチャ。

例えば有料くじで得られるカードを5種類揃えなければならない、というようなルールにのっとって、「カード合わせ」を電子的におこなうんだ。それらが総て揃えば希少なカードが手に入るというルールにしておき、何回も有料くじを引かせる。スタート当初はカードも揃いやすいんだけど、引くカードの重複などもあるから、だんだん当たりにくく(揃いにくく)なってしまう。

でも「あとには引けない」という心理(「コンコルド効果」というらしい)も手伝って利用者は何回も抽選をおこなうこととなり、結果高額のお金を支払うことになってしまう。

「入り口は入りやすく、揃いやすいからなんか行けそうだと思って始めちゃう」
「やりだすと引き返しにくくなって『もうちょっとだけ!』と思ってしまう」

利用者の心理をうまく利用した、巧妙なルールだといわれているよ。

大事なところなのでもちょっと具体例を出して説明してみるぞ。

例えば、『ガジェット戦隊記事レンジャー』という携帯カードゲームがあったとしよう。

赤、青、黄、緑、桃レンジャーを全てそろえると、スーパーレアの巨大ロボが手に入るのだ。

このゲームは1回300円と11回3000円の『ガチャ』があり、購入すると電子カードがデータで手に入る。

しかし、出てくるカードは戦闘員や怪人ばかりで中々『記事レンジャー』が出ない。

出ても10枚に1枚くらいだったり(今現在確率等は公表されていない)、折角『記事レンジャー』が出ても既に持っている物である可能性もある。

こうして、赤~桃までそろえる事が難しく、気づけば何万円ものお金を使ってしまい、全部そろえるまで引くに引けない状態になってしまう。

現実世界の商品では、コンプガチャのような「ランダムに出てくる特定のアイテムを組み合わせることで、他の景品を入手できるくじ」のような商品は景表法で禁止されていて、違法なんだ。ただ、5月9日の時点では消費者庁による『コンプガチャ』問題の検討が始まっただけであり、中止要請や措置命令は出されていない。それでも業界各社はそれらの動きを見越して先に自主的に中止するという発表をおこなっているのが今なんだ。

予告演出付きガチャ=内部的に当たっていることを保持した状態でカードの発行を持ち越す

実はガチャの世界はさらに複雑化していて、ふつうのくじではありえないようなものを電子的に実現しているものもある。

ふつうのくじびきで「次は○○が当たる!」というメッセージを引いて、次に本当に当たるという演出は不可能だよね。今やった抽選と次の抽選は別々のものだから。予告を引いたら次の抽選で必ず当たる、なんてことはあり得ない。

でも、コンピュータープログラムでやることなので、ソーシャルゲームだとなんでもアリ。そういう演出もできてきているんだ。

これは『ドラゴンコレクション』というソーシャルゲームで使われている演出で、内部的に当籤してもすぐにカードを発行せずに次回に持ち越しをおこない、演出で「次回珍しいカードが次に手に入る!」と利用者に知らせる、といったもの。

これはいわゆる「リーチアクション」と同じものだね。

ガチャの世界のこれまでのルールだと、当籤すればすぐにカードが手に入っていたんだけど、、
この仕組みでは、次回以降にしかカードが手に入らず、見方を変えれば利用者はもう一回ガチャをおこなう必要があるんだ。予告にみえたそのガチャは予告じゃなくて、単に引き延ばされてるだけなんだよね。

これはルールのちょっとした変化のように思えるかもしれないけど、かなり大きな違いだと思う。これが発展すれば「内部的には当たっているんだけど、実際のカード発行をどんどん後ろに引き延ばす」といったことも可能になるわけだから。

もちろん利用者はその間、ずっとガチャをやり続けなければならないよね。もしそれが課金ガチャであれば、運営側は儲かるけど、利用者側は当たってるのに課金され続けるということになってしまう。

最初は「ガチャガチャ」を模したシンプルな有料くじびきだったものが、今では人間の心理を上手く利用して、ギャンブルへの自制心がない人がやりだしたら止まらないような仕組みを盛り込んだ、ある意味高度な、見方によってはちょっと恐ろしいものになってしまっているということが言えると思う。

未成年への規制

そしてこれらのソーシャルゲームに関して、今注目されているのが未成年への対応なんだ。

明らかにギャンブル性のあるものは現実社会では子供が参加することはできないし、ゲームセンター等にも様々な決まりがあって、遊べる時間が決まっていたりするよね。

ソーシャルゲームの「もう少しで揃いそう」「いまさらやめられない」という人間の心理をついた仕組みにオトナだってハマってしまって結局大枚はたいてしまう。もし現実世界で同じルールのものがあり、300円とか3000円といったお金を払って次々とカードを引いていくゲームを子供たちがやっていたとしたら……そのまま黙って見てていいものなんだろうか。あなたならどうしますか。


※オトナだってドハマリ中である(画像:ソーシャルゲーム「ドリランド」CMより引用)

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※この記事は、ゴールドラッシュの「ダミアン山田」が執筆しました。[リンク]

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