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Facebook市長「Tカード図書館構想」を懸念するネットの声に反論――「構想そのものの動機が善だし炎上とか全然気にならない」「Twitterは2ちゃんねる化してる」

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新図書館構想

先日お伝えしたFacebook市長こと佐賀県武雄市長の新図書館構想に関して新たに市長自らブログでの説明がおこなわれました。この新図書館の話、試みとしてはもちろん新しいですし、前例のないことも多く含んでいます。それだけにこの構想にまつわる懸念などの指摘も多くネットでおこなわれているようです。

参考:先日の記事
「図書館で本を借りたらTポイント」TSUTAYAが公立図書館運営へ

今回の市長のブログの内容を簡潔に言えば「ネットでの批判に対する牽制」と「図書貸出履歴情報は個人情報ではないという市長の持論の披露」の2点です。市長ブログより一部引用します。

市長ブログより一部引用:
「武雄市立図書館○蔦屋書店」の新図書館構想なんですが、多くの市内外の皆さん、プレスは好意的の一方で、ネットで一部火がついたように批判。批判はいいんだけど、荒唐無稽というか、直接情報であるユーストなんか見ていないかのような的外れな批判や、都合の良いフレーズを抜き出しただけの指摘はいつものこと。

(中略)
それにしてもね、つぶそう、つぶそうという意見が波動のように来ています。現に僕のTwitterはいつものように炎上。もうTwitterは議論する場じゃ無いよね。2ちゃんねる化してる。その点Facebookはやはりまともでしたね。やっぱり、実名が一番。

でもね、僕はこういった炎上とか全然気にならないんですね。それはなぜか、この新図書館構想そのものの動機が善だし、その上、これは市民価値の向上につながるものと確信しているから。

(中略)
本当の意味で、この新図書館構想を通じて最高の公共施設を作り上げたいと思っていますし、これが市民価値の向上、市民福祉の向上につながるものと確信しています。また、この動きが全国に広がることを期待しています。

市長のブログより引用
武雄市長物語 : 図書館貸出情報の扱い、ご安心ください!
http://hiwa1118.exblog.jp/15827483 [リンク]

要約すると「2ちゃんねる化したTwitterから新図書館構想を潰そうという意見が波動のように来ているが、この構想そのものが善であり市民価値の向上につながるものだと確信しているからそういった批判は全然気にならない」とのことです。なかなか面白いアイデアだと思いますので、もっと活発に議論したらよいと思うのですが、市長はTwitterが嫌いになってしまったようです。

市長の「持論」

続いてこのブログでは、「図書貸出履歴情報は個人情報ではないという市長の持論」について触れています。こちらが「本論」であるとのことですが、要するに個人情報の保護に関する法律における個人情報の定義――「個人情報とは特定の個人が識別することができるもの」についての説明です。

しかしネットでこの問題を議論している人達が知りたいのはググれば出てくる個人情報の定義についてではなくて、市長しか答えられない事、図書の貸出情報がCCCに提供されるのか、そうであればそれはポイントカードの情報と紐付いた形なのかそうではないのか、という点なのではないでしょうか。USTREAMで放送された会見ではその点について明確に回答がなされていませんでした。

また「CCCはPマーク取得企業だから安心安全」ともブログに書き添えてあります。ただ、Pマーク認定されていたらすなわち安全というわけではありません。Pマーク取得企業の個人情報取り扱いに関する事故件数は平成20年度1062件、21年度1269件、22年1590件と年々増加してきています。また「情報漏洩事故を起こした企業でもPマーク認定取り消しが直ちにおこなわれるわけではない」という事情もあります。

図書館とTSUTAYAの違いは何か

CCCの創業理念はカルチュア・コンビニエンス・クラブという社名があらわす通り「本や映画や音楽」を手軽に楽しめるようにする会員制の組織・インフラをつくること。これを地域でやっていきたい。
(会見に同席したCCC増田社長の言葉より)

TSUTAYA創業者である増田社長は会見でこのような理念を語っておられました。ただ「本や映画や音楽を手軽に楽しめるようにする」というTSUTAYAの考え方と、公立市民図書館の理念が一体化してしまってよいのか、という点については議論が必要ではないでしょうか。市民図書館では当たり前のように無料で本を借りることができるようになっていますが、そもそもそれができるのは何故なのか。それは「本や映画や音楽を手軽に楽しめるようにする」ためなのか。何らかの線引きが必要ではないのか。あらかじめ考える必要があると思います。それができないのであれば、何も図書館という形態にこだわる必要はないのでは。

また、この新図書館構想は、中高年がターゲットであり、同じく団塊世代を狙った「代官山蔦屋書店」をモデルにしている、中高年による中高年のためのプロジェクトとなっているとのことですが、もっと若い世代、若いベンチャー等にも企画の部分でチャンスを提供してもよかったのではないかと思います。

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深水英一郎(ふかみん)

記者:

見たいものを見に行こう――で有名な、やわらかニュースサイト『ガジェット通信』発行人。トンチの効いた新製品が大好き。ITベンチャー「デジタルデザイン」創業参画後、メールマガジン発行システム「まぐまぐ」を個人で開発。利用者と共につくるネットメディアとかわいいキャラに興味がある。

ウェブサイト: http://getnews.jp/

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