性別や年代によって楽しみ方が変わる映画『妻ふり』 榮倉奈々&安田顕インタビュー

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「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。どういうことなのでしょうか?」。2010年、『Yahoo!知恵袋』に投稿された伝説の質問をコミカルに実写化した映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』(6月8日公開)。

W主演を務めるのは、ある時はワニに喰われ、ある時は銃に撃たれ、劇中で15パターンもの死んだふりを見せる妻ちえ役を演じた榮倉奈々さん、死んだふりをする妻に困惑する夫じゅん役を演じた安田顕さん。4月中旬、『島ぜんぶでおーきな祭 第10回沖縄国際映画祭』の舞台挨拶に登壇した二人にインタビューを行った。

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――お二人にとって夫婦役としては初共演となった今作ですが、これまでと比べて近しい関係の役柄を演じてみていかがでしたか?

安田顕さん(以下、安田):10年前、榮倉さんが朝ドラのヒロインを演じた時に、僕は近所のお兄ちゃんみたいな役をやらせてもらって、それから多くの経験を経た彼女の相手役として自分がまた演じられるのが凄く嬉しかったです。

榮倉奈々さん(以下、榮倉):そんなこと仰って頂けて、こちらこそ嬉しいです。でも(夫婦役は)少し恥ずかしかったですよね。近所のお兄さんから始まったので……。

――原作となっている投稿や、その後のコミックエッセイなどについてはご存知でしたか?

安田:映画の出演が決まるまでは知りませんでした。タイトルを見て「なげぇな」と思いました(笑)。

榮倉:まず、タイトルに衝撃を受けました。『Yahoo!知恵袋』の投稿が映画に、という流れもとても面白いと思いました。台本もとても好きです。

安田:台本はまた別モノでしたね。脚本の坪田文さんと李闘士男監督の世界だと思う。『妻ふり』という題材を使って、お二人の描きたかった夫婦像が詰め込まれています。

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――「なぜ妻は死んだふりをするのか?」というのを観客に考えさせる作りになっていますよね。自分が安田さんの立場だったら……と考えると少し怖さも感じました(笑)。

安田:そうだよねっ! でも、それは完全に男目線だと思う。

榮倉:それは死んだふりに何か大きなメッセージがあるのではないか、という怖さですか?

安田:そうそう、その通り。「何かしちゃったかな、怒ってるのかな」って。後ろめたい気持ちがあったりすると、頭を抱えちゃうんじゃないでしょうか。

榮倉:私はじゅんさんを見て、「そこまで考えてくれるんだ、良い旦那さんだな」と思いました。私だったら、そこまで深く考えずに、「面白いね!」で終わってしまうかもしれません(笑)。

――見る人によって異なる部分かもしれませんね。女性目線でちえの心理は理解できるものですか?

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榮倉:独特の感性をお持ちの方だとは思います。毎日のように顔を合わせていても伝えたいことは日々積もっていくもので、自分が何を伝えたいのかもよく分からなくなっていくものですよね。言葉にできない事もあったり……。それはとても理解できます。

安田:言葉に当てはめられない事がある、と伝えてくれる映画ですよね。それにしても不器用ですよね、ちえは。

――安田さんがじゅんの立場だったら、どうしますか? 勝手な印象だとノリノリで付き合いそうなイメージですが。

安田:無視ですよ、無視。もしくは凄く怒るかもしれませんね。声をかけるとしても、2回か3回目くらいまで。家に帰ると死んだふりしてると思ったら、もう帰りたくなくなりますよね(笑)。

――では、映画を見てヘタに真似すると、夫婦仲が悪くなるパターンもあるかもしれませんね。

安田:非常にありますね(笑)。

榮倉:夫婦のあり方は十人十色ですね(笑)。

安田:これまで(インタビュアーは)女性の記者さんが多かったので、男性目線の感想を聞くと面白いですね。女性も男性も楽しめる映画ってことが分かって安心しました。

――独身の状態で見るのか、あるいは新婚やベテラン夫婦なのか、見る時期によっても映画の感じ方が変わるかもしれませんね。

安田:幅広く楽しんでいただけると思います。

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榮倉:私はこの映画の中で、じゅんさんが務める職場のシーンが面白かったです。男性同士の核心を突いているようで突いていない会話が新鮮でした。そういう意味で、いろんな立場の人がいろんな視点で楽しめる映画だと思います。

――お二人は理想の夫婦像などありますか?

安田:『チャーミーグリーン』という洗剤のCMがあったの覚えてますか? 「チャーミーグリーンを使うと手をつなぎたくなる」ってフレーズで、老夫婦が手をつないで歩く姿を見て、そういうのが良いなあってずっと思ってますね。僕の両親は今でも健在なんですけど、親父はせっかちな性格で、横断歩道でも先に歩いて行っちゃうような人だったの。でも、お袋がちょっと体調を崩しちゃって、今はあの親父がお袋と寄り添って歩いてるんだよね。男って気付くの遅いと思うんだけど、物理的に二人三脚する姿を見て、ああいう風になれたらいいなって思いますね。

榮倉:ご両親のお話、とても素敵ですね。手を繋いでいる老夫婦の後ろ姿って微笑ましいですよね。

――貴重なお話をいただきまして、本日はありがとうございました!

映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』公式サイト:
http://tsumafuri.jp/

(C)2018「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」製作委員会

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よしだたつき

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PR会社出身のゆとり第一世代。 目標は「象を一撃で倒す文章の書き方」を習得することです。

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