MITが3Dプリンティング技術を活用した自律航行ボートの製造手法を開発
・自律航行型ボートの船体を3Dプリンターで出力
このほど設計された「Roboat」の船体は、長さ4メートル、幅2メートルの長方形。16のパーツに分かれており、市販の3Dプリンターを使って60時間程度で出力できる。
それぞれのパーツを組み合わせて船体を形づくり、さらに繊維ガラスを接着して密封する仕組みだ。
この船体には、電源、WiFiアンテナ、GPS、ミニコンピューター、マイクロコントローラーのほか、精緻な位置測定のため、偏揺角と角速度をモニタリングする慣性計測装置(IMU)や屋内超音波ビーコンシステム、屋外リアルタイムキネマティックGPSを搭載。
また、位置や方位をより速く、正確に追跡できるよう独自に開発された「非線形モデル予測制御(NMPC)」アルゴリズムも組み込まれている。
・位置や方位の追跡精度も改善
MITの研究チームでは、制御アルゴリズムの有効性を検証するべく、スイミングプールと米マサチューセッツ州を流れるチャールズ川で「Roboat」の小型プロトタイプを実証テストを実施。
その結果、位置や方位の追跡エラーは、従来の制御アルゴリズムよりも少なかったという。
今後は、人や物を運ぶ際の「Roboat」の質量と抗力の変化に対応する適応制御装置の開発をすすめるとともに、波動擾乱やより強い潮流に対応する制御装置の改良にも取り組む方針だ。(文 松岡由希子)
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