【interview】仮装通貨がより身近に! ブロックチェーンを活用した友人間の″日常負債″を帳消しにする「Lndr」に注目
そうした日常生活の中で生じる負債を記録し、仮想通貨(暗号通貨)を使って返済するという画期的なアプリ「Lndr」(レンダー)が生まれた。開発したのはBaseLayer株式会社。「暗号通貨を身近に感じ、利便性を体感してもらう第一歩としてLndr開発を志しました」と話すのは同社代表取締役の競 仁志(きそう ひとし)氏だ。
「Lndr」の仕組みをはじめ、開発にあたり苦労したポイント、さらに同社の今後の展望まで、競氏に貴重な話を聞かせてもらった。
″仮想通貨″を日常的に使える画期的なツール
Q1:あらためて「Lndr」の特徴や仕組みを簡単に教えてください。
友人とご飯に行ったり、映画に行ったり、旅行をしたり。様々な場面で「支払い」は発生します。しかし、お店でイーサリアムやビットコインなど、暗号通貨を使える場所は非常に限られています。そこで、お店ではなく、友人間でのお金のやりとりに暗号通貨をとりいれることを目指しました。ゲームに負けたなどの理由で、全員分の支払いをひとりがまかなう、という場面もあるかとおもいますが、大抵は「割り勘」することになります。割り勘した後、誰が・誰に・いくらの借り(負債)があるのか、を忘れてしまうと、人間関係にヒビが入る可能性があります。貸した方は覚えてていてても、借りた方は忘れてしまうことが多々あります。お金のやりとりの管理を忘れないこと、そして、その記録を利用して自動的に負債が帳消しできれば、このような問題が起こることはありません。
Lndrはただ単に「貸し借り」を管理するだけではなく、人間関係をお金で悪化させないためのアプリとしても使えます。
Q2:″負債を仮想通貨で返す″という部分が画期的だと思います。このサービスを開発した背景は何ですか。
暗号通貨(ブロックチェーン技術を基盤とした電子通貨)を日常生活で使うためには、モバイルアプリなど、一般の人が日常的に使えるツールで使えるようにする必要があります。なぜなら、手軽に使えるものでないと人は使わないからです。どれだけクレジット・プロトコル(Blockmasonが開発したプロトコル)が実用的でも、実際に利用される場面がないと、その良さは実感できません。そこで、暗号通貨を身近に感じ、利便性を体感してもらう第一歩としてLndr開発を志ました。
「クレジット・プロトコル」普及への布石
Q3:ブロックチェーンを活用しているとのことですが、開発にあたり最も苦労したのはどんなところでしょうか。
完成が見えないところです。開発が進めば進むほど、実装させたい機能が増えてきます。嬉しい悩みです。今後、Lndrをもっと使いやすいものにするため、イーサリアム以外の暗号通貨(ビットコイン、ライトコインなど)でも負債を帳消しできるように開発を進めています。
また、現在は一対一での貸し借り管理と負債帳消しが可能ですが、グループでの帳消しも可能にしたい、と考えて開発を進めています。
Q4:「Lndr」ならびに御社の今後の展望をお聞かせください。
Lndrは、今後のクレジット・プロトコルが普及していくための布石です。
クレジット・プロトコルは、イーサリアム上で債権・負債管理を初めて可能にした、画期的なプロトコルです。債権債務管理は、あらゆるビジネス・組織の基盤です。誰が・誰に・いくらの負債があるのかを記録し、それにそってビジネスが動くからです。
このプロトコルが普及し、イーサリアムを導入する企業が増えてくれば、Lndrを使う人は増え、暗号通貨を使うことへのハードルがもっと下がると思います。
仮想通貨が、いま以上に日常やビジネスで有効活用されるきっかけになりそうな「Lndr」。仮想通貨と接点を持つ最初のアプローチとしても、大きな魅力を秘めていると言えそうだ。
(取材・文 onokeita)
ウェブサイト: https://techable.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。