体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

「イケナイからこそ燃える」独身に戻った昔の女に急接近! 打って変わった妻の反応……彼はどこで何を間違えたのか ~ツッコみたくなる源氏物語の残念な男女~

山寺に移るも娘が心配!父の取った意外な行動

最愛の娘・女三の宮の結婚を見届けた朱雀院は、ようやく山寺に移り住みました。しかし、宮の幼稚さに源氏が愛想を尽かさないか心配。どちらにもマメに手紙を出して様子を聞く一方で、特別に紫の上に手紙を出します。

幼い娘が何のわきまえもなくそちらへ参りましたが、悪気もないことと大目に見てお世話下さい。いとこ同士でもありますから、どうかよろしく」。よろしくって言われてもねえ……。

紫の上もこれにはびっくりで、どうお返事して良いやらという感じ。源氏からの「お気の毒な親心だから」という勧めもあり、謹んで真面目に書きました。

朱雀院はその返信を見て「なんと立派な字を書く女性だろう。これでは宮の幼さが一層際立つだけだろうに……」。こんな調子じゃ、紫の上への愛が深まるばかりではないかと、かえって悩みが深まるばかりでした。

イケナイからこそ燃える……独身に戻った昔の女に急接近

朱雀院が山寺に移ったので、彼の妻たち……女御や更衣もみな離散。あの朧月夜も実家の故・右大臣邸に戻ってきました。近いうちには出家をと考え、少しずつ準備を始めます。

本来ならすぐにでもと思ったのですが、院が「私の後を追うように妻たちが出家するのもどうか」と、待ったをかけたためでした。

源氏は独り身になった朧月夜が気になって、何とかして逢うことばかり考えています。若い日の、スリル満点の恋の思い出。社会的制裁を受け、逢うことも出来なかったあの頃。インパクトの強い、忘れられない昔の女です。

2人は細々と文通だけはしてきましたが、源氏は准太上天皇、かたや彼女は出家した院の正妻格。世間体とか、院がどう思うかなどを思えば自重するのが妥当です。

でも、「イケナイ相手」と知りつつ、その背徳感や罪悪感に燃えた女こそ朧月夜。イケナイと思えば思うほど、気持ちに拍車がかかります。源氏は当時、二人の仲を取り持っていた女房の中納言の君と、彼女の兄の和泉守(いずみのかみ)に、極秘に伝手を求めました。

「ただ物腰におしゃべりをするだけでいいから」と打診を受けた朧月夜は、逢う気はないとハッキリ断ります。

「今更どんなお話をしようと仰るの。あの頃は若すぎて何も分からなかったけど、世間のことも知った今となっては、なんと大変な事をしでかしたのかと思う。誰に知られなくても、自分の心に恥ずかしいこと」。とんでもないわ、というところです。

しかし、突っぱねられても源氏は余裕。「逢うのが困難だった頃でさえ、彼女とは熱く燃えたのだ。出家された兄上には申し訳ない気もするが、かといって彼女との関係は誰もが知っていること。今更なかったことにはならないじゃないか」。

随分ふてぶてしい理論ですが、源氏はこう決め込んで和泉守に案内をさせます。

怪しいとわかっていても……打って変わった妻の反応

さて、久々のお忍び歩きですが、紫の上には「二条東院の末摘花の君が風邪を引かれたそうなので、お見舞いにいきます。昼間だと目立つから、夜の間にこっそりね」と言い訳。

しかし、彼女は源氏が念入りにおめかしをしているのを見逃しませんでした。(変ね。末摘花の君相手なら、あんなにオシャレはしない。もしかしたら、独身に戻った朧月夜の君のところかも……)。でもそこまで見抜いておきながら、今は見て見ぬふりをするだけです。

女三の宮がやってきてから、紫の上は源氏に対して相当な心の距離を置くようになっています。明石や朝顔の時に見せたヤキモチ発言やスネた態度も、源氏への愛情あったればこそ。今は気づいていてもそんな事をするパッションがない。残念ながら、朧月夜を追う源氏はそれどころではありません。

1 2 3次のページ
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

山寺宏一&高木渉で『ポプテピピック』

GetNews girl / GetNews boy