『カーズ/クロスロード』にて何故“マックィーン”が古く“ジャクソン・ストーム”が新しく見えるのか

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現在発売中のMovieNEX『カーズ/クロスロード』。主人公マックィーンのカッコ良さや仲間達はもちろん、本作から登場する魅力的なキャラクターも盛りだくさん。大人も楽しめるアメリカの大自然や大興奮のレースシーンも満載です。

主人公マックィーンと、おなじみのキャラクター達の活躍はもちろん、本作で注目なのが「クルーズ・ラミレス」と「ジャクソン・ストーム」という次世代レーシングカーの存在。ピクサー・アニメーション・スタジオを訪問し、制作スタッフによる“THE NEXT GENERATION”プレゼンテーションに参加したので、作品作りの秘訣をご紹介します。

以下、全てピクサー・アニメーション・スタジオクリエイターのマイケルさんの説明です。

マックィーン最大のライバル「ジャクソン・ストーム」の誕生

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スケッチをして、模型となる彫刻を作り、ペイントして、アニメーションにして、というのはピクサーの通常のプロセスです。これは昔の作品なのですが、これがカーズのキャラクターのもとになっています。ジョン・ラセターが1作目を作りましたが、素材を忠実に描くというのがピクサーで大事なことです。車なので、メタルの質感を大事にしないといけません。

マックィーンのピストンカップの全盛期である、シリーズ1では当時のマックィーンのデザイン・スタイルを見ると、その前の世代の車が古く見えるんです。当時はマックィーンが最先端だったんです。『カーズ/クロスロード』ではマックィーンよりもさらに新しい車をデザインしないといけませんでした。ジャクソン・ストームはもちろん次世代の車です。紙に描いたものからデザインしていくのですが、すべてがマックィーンと反対、対極のものになっています。

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これらは初期のストームのスケッチです。マックィーンは割と丸みを帯びているのに比べると、かなりハードエッジな形が協調されています。比べてみてもわかる通り、ストームの車高はマックィーンよりかなり低いです。

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すべて要素がキャラクターのデザインに繋がっていますが、タイヤが彼の武器です。それを強調しています。粘土の彫刻のあとにコンピューターに移行していくのですが、常にマックィーンと比較しながら作業を進めていきました。

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これは本当のNASCARの車です。宣伝のグラフィックがたくさん入っているので、ストームはちょっと違うものにしたいと思っていました。ストームの場合は、宣伝のグラフィックもエレガントな形で入っています。

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これが最終版です。マックィーンに比べて、ストームが次の世代の車に見えてきます。

クルーズ・ラミレス

もう一つの新しいキャラクター、クルーズ・ラミレスについて話します。彼女は新しいキャラクターでハイテクのトレーナーということで、多くのチャレンジがありました。ストーリーボードからキャラクターを作っていくのですが、これが初期のイメージです。まったく何もないところから、キャラクターを1からデザインしていきました。できるだけ多くのデザインを壁に並べて、見ていきました。

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クルーズは、アメリカのマッスルカーのイメージと、ヨーロッパのレーシングカーが合わさった形を意識しました。

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彼女はレーサーではないのですが、強い女性のキャラクターっていうことと、次の世代の車っていうことを表現できるように意識しました。とてもユニークなチャレンジでした。

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そしてまた、スケッチから粘土に移行します。ちゃんと顔になっているか、目と口の関係がうまくいっているかをチェックします。粘土の上に重ねながら、微調整を加えていきます。デザインを最終にして、コンピューターに移行していきます。コンピューターでも、アートと比べながらデザインをよくしていきます。クルーズはハードエッジなストームと、丸みを帯びたマックィーンの中間ぐらいのポジションです。

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『カーズ/クロスロード』デジタル配信中&MovieNEX発売中!
http://www.disney.co.jp/movie/cars-crossroad.html [リンク]

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

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