定食屋のスタートアップ「未来食堂」が、飲食業界の定説を覆す!?

未来食堂の創業者である小林せかいは東工大数学科卒。かつては日本IBM、クックパッドのエンジニアでした。そんな彼女がお店に込めた想いと、飲食業界の定説を覆す、逆転の発想の数々をご覧ください。

※本記事は、PR Tableより転載・改編したものです。

飲食業界への疑問から生まれた未来食堂

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東京・神保町にひっそりとオープンした一軒の定食屋さん。ここのコンセプトは「あなたの“ふつう”をあつらえます」というもの。2015年9月に開業したのですが、創業者の小林せかいが「お店をやるんだ」と決めたのは15歳の時。なんと16年も前から、未来食堂の開店準備ははじまっていました。

小林は1984年生まれ。東工大理学部数学科卒業後は日本IBMにエンジニアとして入社した後、クックパッドへエンジニアとして転職。計6年間エンジニアとしてのキャリアを積み重ねました。退職後にチェーン飲食店や老舗仕出屋などで修行を積み、「未来食堂」を創業。というのも、小林には飲食業界で挑戦したいことあったのです。

小林 「飲食業界では同じものをいつでも提供できることが一般的なモデル。でも同じものじゃなくても、要はおいしいものが出せればいいと思うんです。たとえば、『クックパッドのユーザー投稿レシピの1位を看板メニューにするお店』とか『店舗メニューのレシピを配ってお客さんが真似し放題のお店』なんて面白い。一旦常識の枠を超えると、どんどん新しいカタチが見えてきました」

未来食堂のオープン前から小林は、「なぜレシピを隠すのか」「なぜ毎回同じものを提供すべきなのか」「そもそも、なんでメニューってあるんだろう?」という独特な視点から、いまの飲食業界に疑問を持っていました。そして2015年9月、未来食堂が誕生。お察しの通り、このお店には従来の飲食店とはちょっと違う特徴があるのです。

特別感と効率性を両立する「あつらえ」

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まずは未来食堂のコアメッセージである「あなたの“ふつう”をあつらえる」ということについて。「あつらえ」とは、注文して作ってもらう、いわばオーダーメイドのこと。未来食堂には「おすすめ」がありません。

お店が提案する”美味しさ”ではなく、お客さんが食べたい・おいしいと思うものを一緒に作るのがここのシステム。壁紙に記載している食材からお客さんが選び、気分や体調に合わせたリクエストができます。

小林 「『あつらえ』 は 『おまかせ』よりもユーザー目線に立った在り方です。従来の飲食店では常連にならないと叶わなかったオーダーメイドを、わかりやすい価格(+400円)で誰でも頼むことができます」

「個人の要望に応えて作るなんて非効率だ」と思うかもしれませんが、実際は非常にロスの少ない、飲食業界の定説を覆す、画期的なビジネスモデルになっています。

小林 「固定されたメニューにすると、1個食材が足りないだけで買い出しに行く必要があったり、どこかで必ず破棄が出ます。でも『あつらえ』は、今日の冷蔵庫の中身を紙に書けばメニュー完成です。あるもので作るので売り切れのメニューもなく、在庫もゼロ。残った食材は次の日のおかずにも使えます」

つまり、その日のお店の冷蔵庫に入っているものから食材を選んでもらい、それを使って調理するだけ。未来食堂のロス率はほぼゼロです。

また、ロス率を下げ効率を上げる発想は他にも見ることができます。たとえばランチのメインおかずは一種類だけ。

小林 「メニューを一種類に絞ることでオーダーを聞く手間もなく、食器や調理器具もそのメニューを回すためだけに徹底的に効率よく配置できます。仕込みも楽になり、ロスもなくなる。未来食堂のランチは現在ニ回転はしますが、これをひとりで回しています。既存の飲食店ではありえない数字です。

ランチは肉と魚の交互の日替わりにしています。夜はその日のランチと、次の日のランチの二択ができる。そうすると夜は肉or魚のチョイスとなるわけです。この辺りの発想は『さすが理系』とお客様によく笑っていただけますね」

「あつらえ」を軸とした新たなビジネスモデルの創造へ

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一般的な飲食店の成功例としては、多店舗展開、フランチャイズ化といったものが挙げられます。でも未来食堂にとって、これは“本筋”ではありません。なぜなら未来食堂は「あつらえ(おかずのオーダーメイド)」をコンセプトとする、非常に属人性の高いお店だからです。

ここで作る「あつらえ」と、たとえば2号店目が作る「あつらえ」は全く別のものとなるわけです。なので飲食店経営にこだわらず、「あつらえ」を軸とした展開を小林は思い浮かべています。たとえば「あつらえのある宿泊施設」「あつらえのあるアパレルショップ」など、業界にこだわりはありません。

小林 「自分の頭では未来食堂のように小さな飲食店が限界。でも、未来食堂に共感してくれる私よりも優れた人間が、未来食堂を別の概念に転化してくれるはず。私はその人にバトンを渡すいちプレーヤーに過ぎません」

『誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所』を実現するシステム

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もうひとつ。未来食堂の人気システムに「まかない」というものがあります。これは50分のお手伝いで1食無料になるシステム。基本は小林がひとりでお店を回していますが、ピーク時や閉店作業をお手伝いいただいた方には、「まかない」を提供しています。未来食堂では初回の会計時に割引券を配っており、それを持っている人という条件はありますが、基本的にどなたでも利用可能です。

小林 「未来食堂は『誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所』でありたいと思っています。そのとき、『お金がない人にはどうするのか?』という疑問が生まれました。

ビジネスを考える上でそんなセグメントを考える意味はないと揶揄されましたが、未来食堂ではとことん考える必要があった。『誰もを受け入れる』について向き合う必要があった。そこで生まれたのが、まかないシステムです。

少なくとも一度は来てくれた人との縁は切りたくない。たとえもし、その人が一文無しになったとしても、どうにか繋がる方法を残しておきたかった。未来食堂は、誰かのセーフティーネットでありたいんです」

そして実は、ここにもビジネスモデルのポイントが。「まかない」は50分働くことで、900円の定食が食べられる。つまり、その人は900円の価値を手に入れていると考えます。

しかし実際は、未来食堂は人件費として900円を払っているわけではなく、そこにかかっているコストは食材の原価のみ。さらに、まかないを体験した人は、お店のファンになってくれるという仕組みになっているのです。

小林 「飲食店をやりたい人や、新たなビジネスを考える人など、いろんな人が「まかない」を利用してくれています。多くの人が加わることによって『もっとこうした方がいい』という意見も聞けることで、すごいスピードでより良い店になっています。

初回はお金を払う必要がありますが、まかないをすることによって2回目以降まったくお金を払わない関わり方も可能です。『お金を払う人、貰う人』という飲食店の従来の概念を超えた新しい在り方を、今後も探し続けます」

まかないシステムを行うことは、いわばお客様に店の裏側まで見せるということ。この徹底的な透明性は、なんと事業計画書の全文公開にまで及んでいます。

小林 「IT業界ではオープンソース(OSS)という概念があり、この概念こそがIT業界を迅速により良く発展させた根幹だと私は考えています。飲食業界に足を踏み入れたとき、一番何とかしないといけないと思ったのは、この不透明でクローズドな飲食業という業態でした。『自分の知識を隠しておくことで勝者となる』のではなく知識のシェアによって業界を変えていきたいと思ったんです」

事業計画書を見せるというのは、いわば手の内を全部明かすということ。なぜそんな“ハンデ”になってしまうことをするのでしょうか……。

小林 「どんなに情報を公開しても、未来食堂の真似をすることは不可能だからです。常に考え続けることによって、新しいもの、未来食堂らしいものを生み出すことは可能なはず。そしてそれこそが価値であり、コピーできるものは表層に過ぎません」

小林は、不透明で閉鎖的な飲食業界を、エンジニアとして培った発想力で変えていけると信じています。小林と未来食堂が切り拓く未来に興味がある方は、一度お店に遊びに来てみてください。

▼未来食堂

http://miraishokudo.com/

千代田区一ツ橋2-6-2 日本教育会館B1(神保町駅徒歩3分)

月火 11〜15時位

水〜土 11〜22時

▼未来食堂事業計画書

http://miraishokudo.hatenablog.com/entry/plan

会社説明会では語られない“ストーリー“が集まる場所「PR Table」

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