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おいしいだけじゃなかった! 色にカタチに名前にときめく和菓子の世界。

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「ヤッホー!ヤーマンです。
祝日「山の日」を勝手に応援している山と鳥のハーフのヤーマンです。
山と溪谷社の営業部員のヤーマンです。」

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ヤッホー!
ヤーマン、はじめまして。
京都に暮らす、ライターの高橋マキです。

いきなりだけど、ヤーマン、和菓子はお好き?

僕は“みたらしだんご”が好きだよ!

左上から時計回りに、みたらしだんご、薯蕷まんじゅう、麩焼きせんべい、最中
※写真は『ときめく和菓子図鑑』より引用

ひとことで「和菓子」と言っても、それぞれに思い浮かべるものは違いますよね。

おまんじゅうもようかんも、おせんべいも飴も「日本のお菓子」だから、和菓子を生まれて一度も食べたことがない、という方はいないと思うのですが、だからと言って、じゃあ、例えば外国の方に「和菓子って何?」と聞かれた時にしっかりと堂々と、答えることができる人って意外と少ないと思うんですよ。

素材は何でできてるの?
どうしてこういう形なの?
この名前はどういう意味なの?

ってね。ヤーマンは、どうかしら?

‥‥うん、たしかに自信ないかも。

わたしたち日本人にとって「身近だから知ってるようで、実はよく知らないもの」、そのひとつが和菓子じゃないかと思うんです。
それで、『ときめく和菓子図鑑』という、誰にでもわかりやすく和菓子を解説した本をつくりました。
写真もたっぷりで、パラパラと眺めるだけでも癒しになる一冊なんですが、眺めて味わった後は、じっくり読んで、2度美味しい。そんな本になったので、今日はちょっと紹介させてください。

例えば、歴史的なこと。

▲清浄歓喜団

和菓子の始まりは、栗や柿、みかんなどの果実だったと言われています。その後、和菓子が今のカタチに至るまでの歴史的ターミングポイントは3つ。

(1)遣唐使や高僧により、大陸文化最先端の「唐菓子」が日本にもたらされたこと。
(2)安土桃山時代に宣教師らによって南蛮菓子と砂糖が輸入されたこと。
(3)平安後期~、茶の湯の洗練された美意識が、菓子に大きな影響を及ぼしたこと。

ちなみに、上の写真のフシギなカタチのお菓子は、略して「お団」と呼ばれるもの。
(1)に該当する遠く奈良時代、遣唐使により伝えられた唐菓子(からくだもの)の一種で、千年の歴史を昔の姿そのまま、京都の「亀屋清永」に今も伝わるお菓子なんですよ。

1300年もの時を超えて今も食べられるなんて、ロマンがあるね。

お供え菓子「神饌(しんせん)」として現代に残っているんだけど、京都のお店に行ったら、ヤーマンも買えるよ。こしあんと7種類のお香が入っているの。
戦国時代、京都で織田信長に謁見(えっけん)したキリスト教の宣教師が、フラスコ入りの金平糖を献上したという記録も残っているそう。南蛮趣味で知られた天下人の信長にとって、最高の贈り物だったでしょうね。
金平糖って駄菓子でもあり、とっておきでもあるんです。京都には、今でもとっておきの金平糖を2週間以上もかけて昔ながらに手作りするお店も残っているんですよ。

▲フラスコ入りの金平糖

砂糖の甘いお菓子は貴重で、当時の流行最先端だったんだね。

そうなんです。江戸時代に文化と交通の発達によりお砂糖が流通して、ようやく、よりたくさんの人たちに愛されるようになるのよね。
こういった歴史の話だけでなく、12か月よりももっと細やかに日本の四季を現す「二十四節気七十二候」と和菓子の名前の関係や、全国のとってもかわいい、祝い菓子や縁起菓子のこと、それから、とても興味深い東西の和菓子の違いなどを、短い文章でわかりやすく書きました。

あ、東京と関西で、桜餅のカタチが違うのは聞いたことがあるよ。

あら、ヤーマン、よくご存知で!

▲東西の和菓子の違い 『ときめく和菓子図鑑』より

私は京都に暮らしているので、秋のお月見だんごのカタチも違うし、どら焼きのことを「三笠」って呼ぶし、「すはま」は知ってたけど、「すあま」は知らなかった。
でも、よく考えれば、今では新幹線でたった2時間半の距離も、当時は江戸から京都まで歩いて片道15日かかったと言われているので、それぞれ別の文化が発達したのは当然のこと。京都では流行の最先端として献上菓子や茶の湯の和菓子が育まれ、江戸ではその「噂の菓子」をより多くの人たちが口にできるように、量産のための工夫が凝らされたのではないかと思います。
たとえば一見同じように見える上生菓子も、京都では「こなし」、東京を始めとする他の地方では「ねりきり」といって、実は違う素材、違う手法で作られています。これは、一般的にはあんまり知られてないことかも。

▲「ねりきり」と「こなし」 『ときめく和菓子図鑑』より

カルチャーの最先端は、京都で生まれていたんだなぁ。

なんといっても、御所に歴代天皇がいらしたんですものね。職人さんが腕を競って「最高級のとっておき」「最先端のとっておき」が生まれたのでしょう。
特に、千利休の時代から、茶の湯の発達とともに育まれた「上生菓子」は、茶道同様、五感で四季の移ろいを楽しむ仕掛けに満ちています。たとえば「きんとん」。「これ全部、同じ味」と聞くと「がっかり~」と思いますか? 実際、どれも同じ、そぼろあんを箸で寄せて丸くしたシンプルな和菓子なのですが、そぼろの色、大きさなどによって表現は無限。淡いピンク色を目で見てこれから咲く桜を思い、「春浅し」という名前(菓銘)を耳で聞いて、春を待ちわびる。小腹を満たす「おやつ」とは一線を画す、和菓子の世界です。面白いと思いませんか。

▲四季折々に変化する和菓子の名前と形。これすべて「きんとん」
『ときめく和菓子図鑑』より

うん、一瞬がっかりしたけど、目や耳でも味わうって感覚、新鮮だなあ。

和菓子屋さんの店頭のラインナップは、季節ごとよりも細かく、だいたい2週間で入れ替わっていくのですが、とある京都の職人さんは「その日の朝、東山の山の端(稜線)を見て、今日つくるお菓子の色を決める」とおっしゃっていました。キュンとしますよね。

うわぁぁ、和菓子と山が関係あったなんて、知らなかった!

▲『ときめく和菓子図鑑』で撮り下ろした「鍵善良房」さんの和菓子。
 400個近い和菓子をご用意いただきました

ほかにも、花や草木など自然の形や色を写すものが多いので、ヤーマンとは相性が良さそうね。「ときめく和菓子図鑑」の中に掲載している12か月の和菓子は、京都・祇園の「鍵善良房」でつくってもらいました。ほら、お花がいっぱい!

▲清明(4月上旬)の頃の和菓子。モチーフは「野の春」「桜」「菜の花」など 
 『ときめく和菓子図鑑』より

▲穀雨(4月下旬)の頃の和菓子。モチーフは「春」「たけのこ」「夜桜」など
 ときめく和菓子図鑑より

きれいだなあ。僕、なんだか和菓子の世界にハマってきたかも。

それはうれしいなあ。手土産やプレゼントのお返しにちょっと贈るのにもふさわしいし、インスタ映えもするから、オススメですよ。「和菓子って、なんかいいよね♡」と思ってもらえると、わたしもこの本をつくった甲斐があります。こんどヤーマンが京都に来るときは、美味しい和菓子屋さんに案内するので、連絡くださいね!!

『ときめく和菓子図鑑』
(山と溪谷社)
著者:高橋マキ(文)、内藤貞保(写真)
定価:(本体1,400円+税)
発売日:2016年12月16日
ISBN:978-4-635-20237-4

―― 見たことのないものを見に行こう 『ガジェット通信』
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