VRは当たり前 ガンダム化する車たち 『ジュネーブモーターショー2017』取材まとめ
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ジュネーブに行って『第87回ジュネーブモーターショー』取材を敢行。これまでトピック別に紹介してきましたが今回はショー全体を振り返り、関連記事を交えつつ現場の空気をお伝えします。
世界のスーパーカーに酔いしれる祭典
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ジュネーブモーターショーのプレスデーが開催された3月8日朝、筆者はジュネーブ入りした。まだまだ冷たい風が吹く中、レマン湖からスイスの峰々を望む見事なまでの雄大な自然に感動。初っ端からジュネーブのポジティブイメージは最高レベルに達する。
世界5大モーターショーに数えられるジュネーブモーターショー、またの名をサロン・アンテルナショナル・ド・ロト。毎年開催されるこのモーターショーの特徴は何と言っても各国の“スーパーカー”が大挙して押し寄せることだろう。いや、もはや“スーパーカー”では済まされないのかも知れない。フェラーリやランボルギーニといった老舗スーパーカー屋を始め、ケーニグセグといった若いメーカーが“億”越えは当たり前な超々高価格帯のマシンを展示し、その圧倒的性を競い合うのである。
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関連記事:
【動画】もはや神々の集い…… 超高性能マシンが一挙公開【ジュネーブモーターショー2017】
https://getnews.jp/archives/1659170[リンク]
加速するクルマのガンダム化
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近年、対人安全性など観点からクルマがどんどん丸くなっているのはご存知の通りだが、一方どんどん角ばる、いわば“ガンダム化”するクルマ達も多数存在する。勿論、このモーターショーでもそんな攻めの姿勢を見せるマシンが多数存在した。
シンガポールを拠点とするヴァンダ・エレクトロニクス社のEVカー、その名も『デンドロビウム』。某星屑ガンダムからインスパイアされたのかは不明だが、トップスピード320km/hという性能とこの外観からしても十分に「ガンダム」と言うことができる。ツヤツヤした外観も未来的でオシャレ。
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本場日本だって黙ってはいられない。ホンダの目玉シビック・タイプRのリアはまさにガンダムそのもの。タイプRは白! なイメージがあったが、個人的にはこの“赤い彗星”の如き色も好み。
参考記事:
【ジュネーブモーターショー2017】現地レポート 日本勢の目玉はズバリ『シビック・タイプ R』
https://getnews.jp/archives/1656706[リンク]
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デザインの最先端、イタリアのイタルデザイン『ゼロウノ』も、フロントからリアにかけて異常なまでにエッジが効いたフォルムが特徴的だ。なんとしても空力を制しようとする、非常に強い意思を感じさせるエアロ装備の数々は必見。
その他『アウディ Q8スポーツコンセプト』や『Zenvo TS1 GT』など、多くの車がガンダム臭をプンプンさせていた。そんななかでも特に意外、ダークホース的存在だったのはあのメーカーの車だった。
参考記事:
【ジュネーブモーターショー2017】フェラーリ812にウラカン新型を直撃! さらにはイタルデザイン初のマシンも!
https://getnews.jp/archives/1659277[リンク]
インドからやってきたコンパクトスポーツ『タモ』
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それがこのクルマ。 大胆なフロント、SF感満載のボンネット、ガルウィングなどなど……。驚くなかれ、これが噂のインドからきたタタ・モーターズの新ブランド『TAMO(タモ)』の『RACEMO』だ!
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タタ・モーターズが発表した新ブランドの『TAMO』、そしてその第1号『RACEMO』は2シーターのコンパクトスポーツ。パワートレインは1.2Lターボで最高出力190馬力。 かなり攻めたカラーリングとペイントのマシンだが、絶妙な配色で全く違和感は感じない。パッと見でこれがインドの車だとは全くわからないだろう。
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リアからの眺めでは、一層アグレッシブでメカメカしい表現が目立つ『RACEMO』。これぞまさに“ガンダム・ルック”と言うことができるのではないだろうか。ドアは天井の一部一体化しており、ガルウィングを開放すると非常にダイナミックなアクションを楽しむことができる。
【GENEVA MOTOR SHOW 2017】Tamo Racemo(YouTube)
https://youtu.be/4-VnUgjs0fc
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コックピットも完全にレース仕様で、タモの本気を感じさせるインテリアとなっていた。車内の至る所にも、ガンダムのデカールのような戦闘機風マーキングが多数施されている。
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フロントもハイパーカーにありがちなカーボン多用というわけではないが、まったくチープさを感じさせない。
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かなりコンパクトなサイズ感だが、シュッとしたシルエットはメリハリがありとてもカッコいい。運転が非常に楽しくなりそうな車だ。ホンダのS660以降、俄然脚光を浴びるコンパクトスポーツだけに、日本でもいつかその走る姿を目にする日がくるかもしれない。
VRを使った展示が主流
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会場で特に目立ったのが、大多数のメーカーがVRを用いて何らかの展示を行っていたということだ。客に実際に走行を体験してもらうのが難しいモーターショーにおいて、それを可能にするVRはとても親和性が高いのだろう。
例えばスバルでは、ブースにて自分のスマートフォンでVR体験を可能にするタイプの試供品を配布。アプリをダウンロードすることによって、車の走行を体験できる。VRでまずは走りを体験して、その後気になった点をじっくりと実車で確認できるという寸法だ。
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プジョーブースでも沢山のVRデモが実施されていた。VRに関してもはや国は関係なく、「あって当然」な展示の一つのようだ。
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そしてプジョーと言えば、2017年ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたプジョー・3008。なぜか、この車は会場では全く人気がないように見えた。
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脇には、そのプジョー3008・ダカールラリーのドライビング体験を出来るVRデモ。
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体験者はバケットシートに座り、ラリーを体験。ダカールラリーなど、ほぼ絶対に体験することがないであろうドライビングを体験できるのもVRの大きなメリットだ。
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フォードのVRデモ。老若男女問わず手軽に楽しめるのも大きなメリットだ。
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インドのタタ・モーターズが行っていたVRブース。かなり大掛かりなものだった。自分で車を操作することはできないが、日本にほぼ存在しないタタのドライビンを体験できて非常に新鮮。
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シトロエンのプレミアムブランド、DSはラグジュアリーなブースを展開。シャンゼリゼのブティックのようなブースを展開していた。
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もちろんVR体験ゾーンも設けられていた。夜のパリドライブを体験できるというもので、ブランドのイメージに合わせたVR内容になっていたのが興味深い。
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スズキはスイフトのVR体験を展示。使用機材は『Oculus Rift』のようだ。
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こちらはルノーのVRコーナー。なんだか慌ただしい様子。
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障害対応のためか、一日中スタッフが点検作業をしていた。VRの展示も、多少はこのようなリスクがあるのだなあと認識。
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フォルクスワーゲンのVRコーナー。そこそこ広いスペースを確保されており、目玉の1つといった風。
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使用機材は『HTC Vive』。今回のショーでは『Vive』を使っていたメーカーが多かった。とてもきれいなヨーロッパ美女が全て説明してくれる。そう言えば、ジュネーブモーターショーのコンパニオンは皆本当に美人で親切。クルマについて多少細かいことでも質問に答えてくれるし、スイスという国柄多くの人が最低3か国語喋れるということには本当に驚かされた。
参考記事:
【画像】美人&イケメンコンパニオンまとめ【ジュネーブモーターショー2017】
https://getnews.jp/archives/1656318[リンク]
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チェコの自動車メーカー・シュコダでは、観客となって“走りすぎるラリーカーを見渡す”という一風変わった展示を展開。猛スピードで走り抜ける車に合わせて首を振らなければならないので、少し大変だった。
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勿論体感型VRも多く出展されていた。ヒュンダイはこのような体感型VR展示を行っていた。SFチックな世界感でかなり激しく動いていたが、意外と楽しそうだった。
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後に解説するスペイン・SEATのVRドライビングシミュレーターは、個人的には今回のモーターショーで最もリアルで難しかった展示の一つだ。レースではなく、テストコースを周回するというものだったが、ハンドルのレスポンスが絶妙で荷重移動も感じられるスグレモノ。シフトギア操作でまごつき妙な汗をかいてしまった。
日本に全くなじみのないスペインの『SEAT』ラテンのノリ全開のブースがアツい!
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そんなSEATブースでは、全体を通しても特に多様な展示を行っていてた。 日本ではなじみのないSEAT。スペイン・バルセロナ発祥の自動車メーカーで、現在は『イビサ』に代表されるコンパクトカーの製造を行っている。ブースではラテン国家らしく延々と『Mas Que Nada』が流れていたり、ラウンジではパエリアが配布されたりしていた。
【ジュネーブモーターショー2017】セアト・ブースの様子(YouTube)
https://youtu.be/OZ_UfpjkuFg
ブースではTシャツ無料プリントサービスや、バルセロナから呼んだ職人がハンダで自分好みの絵を木のポストカードに焼き入れてくれるサービスを行っていた。ちょっと面白そうだったので、その様子を動画に収めてみたのでご覧いただきたい。ちなみに「FUKAMIN」とは、ガジェット通信発行人の名前である。
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イビサのレーシングモデル。普通にカッコいい。
その他のメーカーのブースも合わせて紹介したい。
・Jeep
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Jeepは森林をイメージしたほの暗いブースを演出。販売するクルマのイメージに合わせ、ブースも全く雰囲気の異なるものとなっていた。周りがJeepだらけなので、キャンピングに来た気分を味わえる。
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石型USBメモリや木の枝鉛筆などを物販も超個性的。ほとんどのブースでは、メーカーオリジナルの商品を購入可能なブティックが存在していた。
・トヨタ
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TOYOTA GAZOO Racing が技術の粋をつぎ込み開発した、高性能スポーツハッチバック『ヤリスGRMN』。パワートレインは1.8Lスーパーチャージャーエンジンで210馬力を発生させる。
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『トヨタ2000GT』といった名車も展示。
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お隣のレクサスエリアではLS500hのコンセプトの一つ「折り紙」に合わせてか、折り紙ワークショップが開かれていた。
・フェラーリ
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フェラーリのラウンジエリアに展示されていた特別カラーの488 GTB。招待客のみ見ることが出来るスペシャルカーだ。
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ラウンジでは職人道具の展示などが展示されていた。未来のフェラーリオーナーは、ここで自分好みのフェラーリカスタマイズに胸を躍らせるのだろうか。
・マツダ
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マツダではオレンジジュースやコーヒー、クロワッサンを無料配布。絶好の休憩ポイントとして多くの人がくつろいでいた。プレスデーでは、多くのメーカーが無料ドリンクや無料ケータリングを提供していた。
クラシックスタイルだって負けてはいない!
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モーガン・デザインの展示。最新のクルマだけでなく、最新仕様のクラシックカー展示も楽しめる。
突如謎の赤いマントを着た集団が現れる
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一般公開日1日目、取材をしていると突如として多数のマスコミが現れ何かを追っている状況に遭遇した。その視線の先には赤マント集団がおり、何かを警護している模様。
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なんでもスイスの前大統領ヨハン・シュナイダー=アマン氏が訪れ、各メーカーのブースを見学しているとのこと。そして赤いマントの方々はその形式上の付き添いのようだ。
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前大統領はホンダのクルマに試乗。ご満悦のようだ。
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スイスといえばその物価の高さで有名。筆者もこれにはかなりの警戒心を抱いていたが、実際に水500mlは約500円と富士山山頂プライスである。さすがスイスだった。
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一瞬目を疑ったが、ベントレーのタクシーが会場に乗り付ける世界なのだ。
と、このような感じで2日間に渡りジュネーブモーターショーを取材。初めてのスイスだったが、万事滞りなく取材できた。街の交通システムも分かりやすく、人も親切で英語も問題なし。こうなってくると、あとは食事のみが気になるところだが…..
ジュネーブで日本の焼き鳥を食べるならココ
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2日間歩き回りクタクタになった後は、どうしても焼き鳥とビールを頂きたくなるもの。そんな時はジュネーブの焼き鳥屋に行こう。ここ“Sumo Yakitori”は大川ご夫妻が切り盛りする純粋な日本の焼き鳥屋。地元新聞に取り上げられるなど、味は確かだ。筆者が訪れた際も、地元の人で満員だった。
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こちら調理する大将。ジュネーブ中心地に位置しアクセス良好なので、食事に迷った際は是非訪れて欲しい。こじんまりとしたお店なので、予約していった方がよさそう。ちなみに、デザートとしてガリガリ君が置いてある。
お店:SUMO YAKITORI
住所:15 rue de Monthoux 1201 Genève
電話番号:022 731 19 50
営業時間:月曜〜土曜 18h30-23h00
ジュネーブモーターショー雑感
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初めて訪れたジュネーブモーターショーであったが、まずジュネーブの自然に圧倒された。街の中心からは巨大な湖と地平線の先には雪を頂いた巨大な山塊を眺めることができ、なぜかとても感動してしまった。
ショー自体は想像通り、とても華やかで活気があるものだった。とくに各国メーカーの国民性の違いは顕著で、BMW・VWなどのドイツエリアの質実剛健さ・真面目さ、アルファやフェラーリブースに目立つちょいワルオヤジ風の顧客、午前からシャンパンを飲みまくっていたマセラティのVIP達などのイタリア人の陽気さ、そして強烈なインド訛英語で迎えてくれたとても親切だったタタ・モーターズのスタッフなど、国民色が目に見えて浮き彫りになっている様は歩いているだけで楽しかった。これも中立地帯スイスだからこそ見られる光景なのかもしれない。
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ネット・オタクカルチャー全般に対応。専攻は歴史学。ガジェット通信では生放送業務全般にも従事。1年の1/3は海外。将来の夢は宇宙飛行。
ウェブサイト: http://ktus.hatenablog.com/
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