金正日総書記死去で起こる”最悪のシナリオ”とは!?

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山口一臣氏(左)と神浦元彰氏

 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去のニュースが、2011年12月19日に報じられた。独裁体制を維持した最高権力者の死により、拉致被害者問題を抱える日本をはじめ東アジアは重大な局面を迎える可能性がある。12月19日に放送されたニコニコ生放送の特番では、「北朝鮮が新体制に変わることによって、今後考えられる日本にとって最悪のシナリオは何か?」という質問が視聴者から寄せられた。

 視聴者からの質問を受けて、軍事ジャーナリストの神浦元彰氏は「北朝鮮が大混乱して朝鮮半島が不安定化することだ」と答えた。神浦氏によると、日本にとって朝鮮半島が不安定化して困るのは、中国やロシアなど大陸の脅威が直接に入ることだという。また、「朝鮮半島が不安定化して治安が荒くなり、紛争がいろんなところで起きるのが非常に怖い」とも語った。さらに神浦氏は、「おそらく北朝鮮はそう長く持たないと思う」とした上で、

「もし崩壊し始めたら、できるだけ早く、例えば日本から食料や医薬品などいろんな援助をして、彼らが大混乱して変な武器が周辺国に流れ、生物核兵器がテロリストに渡ることを防ぐことが重要だと思う」

と語り、”最悪のシナリオ”を防ぐために日本がすべきことを提案した。

■日本人がすべきこと

青山繁晴氏

 番組の司会を務めた元週刊朝日編集長の山口一臣氏も、「こういう事態に対して、日本人は具体的にどういう行動を起こせばいいのか?あるいは起こすべきか?特に、拉致被害者を取り戻す意味においては何をすべきか?」という質問を出演者にぶつけた。

 独立総合研究所代表取締役社長の青山繁晴氏は「僕の本当の意見としては、体制崩壊をさせないと最後の1人まで(拉致被害者を)取り返すことは出来ない」と主張。さらに「明らかに、世界史の変わり目に僕たちは立っている。冷戦が崩壊して以降の長い変化の最後に、それまで静かだったものが突然ごう音を立て落ちていくアジアの状況になりつつある。まずは、そこに自覚を持つことからスタートしないと(いけない)。一人ひとりが自分の考えている意見をはっきり定めてからでないと」と語った。

 一方、神浦氏は「日本は、北朝鮮に対して何らかの政治的な要求をすることや、メッセージを送ることは、かなり限定されてほとんど出来ないと思う」と返答。その上で神浦氏は、

「今、北朝鮮を生かすも殺すも中国次第だ。中国に対して北朝鮮の今後を混乱させないように、安定して軟着陸というか極端な崩壊をさせないように(要求していくべき)」

と語り、さらに「日本と韓国とアメリカは、連携して北朝鮮の最後に備えて、軍事的な力ではなく食料や医薬品で、ソフトランディングで軟着陸を行えるように援助することが重要だ」と続けていた。

・[ニコニコ生放送] 「日本にとって最悪のシナリオとは?」から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv74833179?po=news&ref=news#1:23:05

(尾前孝之)

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