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みんなスルー力を肯定してたんじゃなかったの?

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メカAGさんのブログ

今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

みんなスルー力を肯定してたんじゃなかったの?

インターネットでは「スルー力を身につけろ」とよく言う。ネットリテラシーの基本のようだ。簡単にいえば他人の言動にいちいち過剰に反応せず、無視するのが賢いということらしい。

一理あるとは思う。あらゆるレベルの人間の無数の意見にいちいち反応していては時間がいくらあっても足りず、他のことを考えるのに割く時間がなくなってしまう。そもそも最初の第一声を読んだだけで、その人との議論がどういう経過をたどり、どういう結末になるか全て予想できてしまうものも少なくない。

すべて予測の範囲でしか進行しない議論は、何も得るものがない。逆に予想外の、意外な、意見が返ってきそうという人とは議論する価値があるわけだ。

*   *   *

しかしそういう本質的なことに踏み込まず「とにかく他人と激しい議論をするのは賢い人間のやることではない」みたいな風潮は困ったものだ。いわゆる「必死だな」「顔を真赤にして」「おまえは何と戦っているんだ」みたいな。

誰でも“熱血はかっこ悪い”的なニヒリズムに感染するものだ。通過儀礼というか麻疹(はしか)みたいなものだろう。幼い感情的に振り回される言動から、冷静な情熱に切り替わるために、中間的にそういうニヒリスティックな時期が精神の成長には必要なのだろう。

しかしその段階で止まってしまっている人も少なくない。「一生懸命にならなければ、失敗しても恥ずかしくない」的な段階に安住しているわけだ。「いや、本気じゃなかったから」と。イソップ物語の『酸っぱい葡萄(ぶどう)』(笑)。

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俺ほど自分と異なる意見を尊重している人間も珍しいと思うのだが、どうもそう思わない人が少なくない。いわく「メカAGはすぐに他人の意見をたたくじゃないか」と。“たたく”というのはそれだけその人の意見に真剣に対峙(たいじ)しているから、批判や反論をするわけで、逆に「どうでもいい」と思えば無視すると思うのだよね、俺にかぎらず。

ところが「そういう意見もありますね」と体良く無視することが、他人の意見を尊重する姿勢だと思っている人が少なくない。そりゃ尊重しているのではなく、無視・黙殺してるんだろう、と。

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さて、長らくおまたせしました。ここからが本題です(笑)。

「「空気に支配される大人」にはならないで欲しい」 2011/11/15 『Life is beautiful』
http://satoshi.blogs.com/life/2011/11/softbank.html

孫正義氏が経団連の会合で脱原発を必死に訴えるものの、他のメンバーはそれを無視したらしい。そして上記のブログ主は、反論さえせずに黙殺するのはイジメではないか、と憤っている。

俺は原発擁護派なので、上記のエントリはかなり一方的な見方に感じるが、その点はここでは触れない。いまは「無視がけしからん」という部分について。

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ひろゆき氏が『Twitter』でこのエントリをツイートしたので、

こういう時の孫さんはカッコいい。はげててもカッコいい。

2011年11月17日 @hiroyuki_ni のツイートより 『Twitter』
http://twitter.com/#!/hiroyuki_ni/status/136831083919589377

多くの人間がこの孫正義氏の態度に賛同している。いいかえれば孫正義氏の意見を反論すらせずに黙殺した他のメンバーを批判している。

でもなんとなく感じるのは、このエントリに賛同している人間と、普段「スルー力を身につけよう」と言っている人たちって、かなり重複するんじゃないのか? ということ。俺としては「あれ? 無視(黙殺)するのが賢いんじゃなかったの?」と言いたくなってしまう(笑)。

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俺としては孫正義氏の意見を黙殺した他のメンバーの気持ちの方がわかるのだけどね。この件で孫正義氏と議論をしてもすべて予測の範囲でしか進行しない、と。どう反論すればどういう再反論が返ってくるがお互いすべて予測できてしまう。それなら議論をするだけ無駄だろう。

よくマスコミが国会についても「十分議論が行われず強行採決した」と批判する。でもそれはすでに別な場所で散々議論は行われているのだ。あるいは行われていないかもしれないが、互いの主張は十分すぎるほど分かっている。

それをあえてもう一度国会の場で繰り返しても、それは所詮は国民にアピールするためのポーズでしかない。もちろん、それはそれで大切かもしれないが、いずれにしろ本当の意味での議論は行われない。それは仕方のないことなのだ。

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で、みんな“スルー力を身につけた大人”と“大人にならないカッコ良さ”と、どっちがいいの? と。ちょっと都合良すぎなんじゃないの? と言いたくなったのは俺だけだろうか。さすがに俺だけではないことを信じたい。日本国民はそこまで馬鹿ではないはず。

それとも自分のような凡人はスルー力、孫正義氏や堀江貴文氏のようなヒーローには大人でない熱血を求めるのだろうか。まあ確かに人は自分にないものをヒーローに求めるというし。まあ何事もヒーローに任せておいて、自分はヒーローを応援してるだけなのが楽でいいよね。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

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