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「ネコは寒さに弱い」はウソ? その意外な生態

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『生き物にサンキュー』(TBS)、『ペットの王国ワンだランド』(朝日放送)などのテレビ番組で取り上げられ、話題になっているお寺があります。その名も御誕生寺、通称「ねこでら」です。

今回は、御誕生寺の副住職である猪苗代昭順(いなわしろしょうじゅん)さんに、どのような経緯でお寺に猫がいつくようになったのか、また猫たちとどのような関わりをしてきたのか等を中心にお話をうかがいました。

――まずは、御誕生寺さんに多くの猫が居つくようになった経緯をお話いただけますか。

猪苗代:御誕生寺は平成になってから建立された、新しいお寺です。その建立中に、段ボールに入った状態で捨てられていた4匹の猫を住職が見つけ、ごはんをあげたのがそもそもの始まりですね。

それ以来、修行僧が猫たちに水や食事を与えるうち、10匹が15匹になり、15匹が20匹になり……という形でだんだん増えていきました。

――最も多いときで、何匹ほどいたのですか。

猪苗代: 80匹ほどです。しかし数が増えるにつれ、色々と問題が出てきましてね。猫の食事代がかさむ、猫同士の喧嘩が始まる、病気になったら病院へ連れていかなければならないといった具合に。

これではお寺としても大変ですし、猫も可哀想ということで、お寺のなかにいる猫をすべて捕獲し、去勢手術をしました。

おかげさまで繁殖することはなくなったのですが、インターネット上で「あのお寺には猫が沢山いて、癒される」という情報が拡散されたこともあり、お参りの数だけでなく、捨て猫の数も増えてしまいました。

増え続けるお寺の猫をどうにかすべく、「お寺なんだし、猫1匹1匹にご縁を結んであげるのがいいのでは」ということで、里親の募集を始めたのです。これが功を奏したようで、これまでに270匹ほどの猫が里親さんにもらわれていきました。

――里親を募集するにあたって、具体的にはどのような取り組みをなさったのですか。

猪苗代:「里親募集しています」というだけでは、なかなか里親さんは見つかりません。そこで皆さんにより親しみを感じていただくため、全ての猫に名前をつけ、首輪をつけた上で、facebookやブログを立ち上げ、写真とともに紹介していきました。

――そうした取り組みを続けていくなかで辛い場面に遭遇することもあったかと思いますが。

猪苗代:いちばん悲しいのは、身ごもった猫を捨てていくケースです。ある年、そういう猫が何匹かいてあまりにも不憫だったので、捕獲して出産させてあげました。しかし、そのなかに1匹だけ警戒心がものすごく強くて捕獲できない、フクという猫がいまして。

しかもフクは少し気まぐれで、年によって、自分が産んだ子を育てたり育てなかったりします。今春も5匹生んだのですが、今年は「育てたくない」気分だったようで、へその緒がついたままの状態で、その5匹が私の部屋の前に置き去りにされていました。

ちょうどそのタイミングで子を産んだ猫が他にいたので、5匹まとめて預けてみると、その母猫がちゃんと育ててくれまして。以来、その母猫は「マリア」と呼ばれています。お寺に「マリア様」がいるんです(笑)。

――こうしてお話をうかがっていると、1匹1匹の猫のキャラクターがよく伝わってきます。ところで、猫を見ようと御誕生寺さんを訪れた方からよく聞かれるのは、どのようなことですか。

猪苗代:やはりいちばん聞かれるのは「猫は全部で何匹いますか?」です。それと「猫はどこにいるのですか?」ですかね。

以前、御誕生寺がテレビに出たことがあり、お越しくださる方は、その映像のイメージが強いようです。ただ、テレビ取材が入った当時は猫が60匹ほどいました。先ほどもお話したように今は30匹程度なので、当時とは様子が違って見えるようです。

――実際、猫はお寺のどこにいるのですか。

猪苗代:季節によっても異なりますが、夏であれば、アスファルトの照り返しを嫌って、より快適なところ……お寺のなかの構造を熟知している猫は、クーラーのきいた事務所に入ってきます(笑)。

――猫は寒さに弱いイメージがありますが、冬はどういう場所を好むのでしょうか。

猪苗代:御誕生寺は北陸にありますから、12月になればかなり冷え込みますし、1月になれば雪が降ります。

そこで御誕生寺では、12月に入ると、猫小屋に湯たんぽを入れ、電気カーペットを敷いてあげるのですね。その猫小屋は出入り自由なのですが、意外にも外にある段ボールのなかで猫団子になって寝る猫たちが結構います。去年は雪が少なかったこともあり、外で寝る猫は多かったですね。

(後編へ続く)

 
『ねこでら 猫がご縁をつなぐ寺』

著者:御誕生寺

出版社:秀和システム

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