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東電を「ゾンビ企業」にして電力自由化の道を閉ざす――東電救済法案「根回し文書問題」渡辺喜美氏にきく(2)

「根回し文書」

「東電救済法案」に関する水面下の修正協議にあたって、経産省が自民党への説明に使ったと言われる「根回し文書」が今問題となっている。この東電救済法案「根回し文書問題」について、今週追求する予定だという、みんなの党代表の渡辺喜美衆議院議員に話をきいた(取材日:7月29日)。
※問題の「根回し文書」と言われるものは、こちらからダウンロードすることができる。

――東電救済法案の根回し文書の内容なんですけれども。どのあたりが問題になってくるのでしょうか。

渡辺議員:一枚目。損害賠償機構が支払いをおこなうんですが、要は2兆円の政府保証枠ってのがあるんですね。それに2兆円の交付国債枠というのがありまして、今回の修正案っていうのは、49条の2(最終的な条文では51条)っていうのを新設して、2兆円よりももっとオーバーしちゃった場合、税金投入できる、っていう規定なんですよ。

だから結局、「国の責任」とかね、言ってきたのは結局「東京電力を救済します」という話なんですよ。税金を投入することによって、東京電力を救済しちゃおう、ということ。そして、延々と債務超過させないで、ゾンビ企業としてやっていこうという話なんですよ。

――危なくなればすぐに税金を投入できるようになっている。それを繰り返すことができる。

渡辺議員:そうなんです。

――それはもう「不死身」ですね。

渡辺議員:そう、不死身になる。じゃぁ、それによって東京電力が、見違えるような企業になるかと言ったら、全然そうはならない。賠償のために生かされている企業だから、恐ろしくモチベーションの低い、やる気の出ない会社になってしまうんですよ。

――じゃぁもう、「電力自由化」なんていう話はすっとんじゃいますね。

渡辺議員:こういう体制になってしまったら、電力自由化は絶対にさせないでしょうね。だって電力自由化なんてさせちゃったら、東京電力は競争に負けて、どんどん債務超過になっていきますからね。

――電気料金も上がっていくのでは。

渡辺議員:そうですね。PPSという事業者が今あって、立川の競輪場が東電からこのPPSに変えたら、3割近くコスト削減できたって言うんですよ。新規参入事業者ってのは、発電のコストが低いんです。そういう新しい事業者を、電力自由化によってどんどん参入させたら、コストの高い東電は商売にならなくなっちゃう。電力の中で一番コストが高いのが、実は原発なんですよ。原発っていうのは、トータルのコストで言ったら、電源立地交付金から始まって、再処理コスト、廃炉費用、今回明らかになったように、事故を起こしたら損害賠償もあるし、汚染水の処理などいくらかかるのかまだ見当もつかない。1トン2億円とも言われていて、汚染水の総量は10万トンを超えてるから、それだけで20兆円かかっちゃうわけですよ。ホントかよ! と言いたくなります。そういうものを考えると原子力発電による電力って一番高くなるんですよ。だから電力自由化を徹底して進めていかないと。

消費者が、自分で電力会社選びます、ということになれば、原子力というコストの高い発電方法に依存している電力会社はどんどん淘汰されるんです。

――電力自由化により競争相手が出てきたら勝てないと。それをさせないために、さまざまな工作がおこなわれていると言われているんですね。

渡辺議員:みんなの党は、電力自由化を徹底して進めていく、という立場ですから、10年ぐらいで原子力発電所はどんどん淘汰されていきます。しかしこの 「原子力損害賠償支援機構法案」の先にあるものを考えていくと、原発が淘汰されないように守っていく、ということになるんでしょうね。

――この「根回し文書」は経産省から出てきたと言われていますけど、実際のところその背後には「東電」がいるわけですよね。

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深水英一郎(ふかみん)

記者:

見たいものを見に行こう――で有名な、やわらかニュースサイト『ガジェット通信』発行人。トンチの効いた新製品が大好き。ITベンチャー「デジタルデザイン」創業参画後、メールマガジン発行システム「まぐまぐ」を個人で開発。利用者と共につくるネットメディアとかわいいキャラに興味がある。

ウェブサイト: http://getnews.jp/

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