月収が5~10万足りない! 半数近くが年収200万以下の保育士・幼稚園職員アンケート結果
労働条件や待遇面で悪い意味で話題になることの多い介護・福祉業界。『介護求人ナビ』によれば、介護職・訪問介護員では直接雇用で全国平均の年収が279万円、ケアマネジャー(介護支援専門員)で319万円と、他の業種と比較しても低い給与に抑えられています。
しかし、介護・福祉業界以上に厳しい状況なのが保育士や幼稚園職員。幼稚園・保育園口コミサイト『幼稚園・保育園こだわりナビ』や保育士・幼稚園職員に特化したスマホ人材紹介サービス『園ナビ求人』を運営する株式会社うるるが行ったインターネット調査によれば、回答者102人のうちの47.1%が年収200万円以下と答え、の待遇面での理由で87.3%と実に9割近くが保育園・幼稚園を辞めたいと思ったことがあるとしています。
年収200万~400万との答えが28.4%なのに対して、5割近くにも上った年収200万円以下という人。サンプル数が少ないデータとはいえ、保育士・幼稚園職員が低い給与に加えて、休みの取りづらさ、勤務時間の長さ、人手不足による業務過多などが「辞めたい」という動機になっていることが浮き彫りになっています。
また、他の異業種と比べて、自分が望む生活にはどれだけの収入が必要か、といった問いには、月収であと5万~10万円必要といった答えが53.9%となり、あと1~5万円必要という人の24.5%と合わせると8割近くに。全体では実に96.1%が収入不足を感じているという結果が出ています。
「子どもの成長が見れる」(77.5%)、「子どもが好きで関われる」(53.9%)と仕事にやりがいを感じているものの、専業主婦(夫)や他の業種への転職を考える人が27.4%、給与面や待遇、保育方針が合う園に転職したいという人が41.1%と、現状を変えたいという人が7割近くという数字になっていることからも、特に給与に関する不満が浮き彫りになっている今回の調査。
「理想の保育園・幼稚園にするためにどんなことをしたいですか?」といった質問に対しては、「先生が頑張っていることを認めて、給与や休暇で返していきたい」「定時にはしっかり帰宅させる。行事に追われるような保育にしない」「職員の子どもも大事にできるように勤務時間の工夫がしたい」といった、休暇が取れて長時間勤務のない園を望む声が多くなっています。
子どもを預ける保護者側としても無関心ではいられない保育士・幼稚園職員の待遇問題。まずは現状を認識した上で、待遇改善につなげるにはどうすべきか、社会的な課題として遡上に乗せる必要があるのではないでしょうか。
『園ナビ求人』
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乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。
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