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永久BANの男、石川典行 ――ネット放送者インタビュー

永久BANの男、石川典行

登場人物

石川典行……いしかわのりゆき。ネット放送者として人気を集める。きわどい放送が多く、放送サイトからは何度も放送禁止措置をとられている。ついに先日、ニコニコ生放送から永久放送禁止を言い渡された。現在はUSTREAMなどを中心に放送活動を続けているが、いつかはニコニコ生放送で再度生放送をやりたいとのこと。
ふかみん……ききて。ガジェット通信発行人。

考える石川典行

インタビューのいきさつ

今回たまたま別件でガジェット通信編集部に来ていた石川典行さんと雑談していたら、とても話が面白かったので急遽インタビューさせていただきました。実はそれまで石川さんの「悪名」はよく耳にはしていたんですが、しっかりと放送を観たことはありませんでした。

おにぎり

ひと通り話をきいて思ったのは、石川典行さんは、詐欺師みたいな男だ、ということです。はっきり詐欺師というと怒られるので言えないですが、そんな印象ってことです。計算高く、しかも頭の回転が速い。石川さんがかつてネット生放送でやっていたことは過激で、ニコニコ生放送からは「永久BAN」という、おそらくネット放送者にとっては一番重いペナルティを課されています。自分の視聴者を「足軽」と呼び、かつてはその「足軽」と共に他の放送を荒らして回っていました。でも今回のようなインタビューの場では、言葉遣いも丁寧だし、自分自身を冷静に客観視して分析しながら話をされており、「他の放送を荒らして追い詰めて放送をやめさせる」ということをしそうな人には見えないんです。これって、ちょっと怖いなと思いました。こういう人が一番怖いんです。しかし、きけば「親を説得して、生放送をやるために岐阜から上京してきた」ということですから、何か彼を突き動かすものが根底にはあるんだと思います。生放送をやるために上京って、その時点でよくわからないです。ネット生放送って、どこにいてもできるもんじゃないんでしょうか。そして、上京してきて東京で生放送をやって、その先に何があるというんでしょうか。ちょっとフツーじゃないこれらの行動の源はなんなのでしょうか。

石川典行の欲望

石川典行の『欲望』

――石川さんって、どういう欲望を持って生放送に挑んでるんですか?

「知名度」ですね。視聴者数とかコミュニティの参加人数とかでもなくて、「知名度」ですね。やっぱり。
ネットだけじゃなくて、日本だけじゃなくて、世界中のいろんな人から名前を知ってもらえるようになりたいですね。ネットだけじゃ狭いんです。

――狭いですか。

例えば今、僕の名前「石川」だけでGoogle検索すると上から5番目なんです。トップが石川遼選手。

――超えるの大変やー。

石川典行の『罪』

石川典行の『罪』

――そもそもなんで永久BAN食らったんですか?
※永久BAN:ニコニコ生放送で二度と放送できなくなる状態。

話せば長いですが。

――是非はじめからお願いします。最初は違う名前で配信してたんですよね?

そうなんです。そのときは「お前ら俺の話をきけ」という不遜な態度で放送してたんですが、
飽きてしまって、すぐやめちゃったんですよ。
でもしばらくしたらやっぱりまたやりたくなって、放送を再開したんです。
1日だけ「暴走」というハンドルで。

――えっ、「暴走」?

はい、「暴走」です。そういう名前で放送して、その放送の時にコメントを見てたら「殿」「殿」というコメントが流れていて。そこから着想を得て「戦国武将っていいかもね」という話になり、戦国武将の中だったら誰の名前を使うのがいい? っていうことになって「信長」というハンドルにたどり着きました。そういう名前をつけたせいもあって「暴れる」配信が多かったんですよ

――「信長」が暴れるんですか?

他の配信者をディスったり、気にくわないところには噛みついたり。僕の前にも、そういう「荒らし配信者」っていたんですけど、みんな居なくなってしまったんですよ。永久BAN食らったり、飽きたりして。そういう番組を観ていたリスナーさんは、行き場所がなかったんです。そのリスナーが一気にうちのコミュニティへ流れてきて、どんどんコミュニティが大きくなっていって、1万人ぐらいになったんですよ。

――すごい数ですね。

普通コミュニティが大きくなってくると、自分の発言の影響力とか考えて「落ち着く」ものなんですけど、そこは僕の悪知恵といいますか、「これを利用してやろう」と考えて、弾幕(一気に沢山のコメントを打つこと)を他の放送者のところへ仕掛けに行ったり、ただディスるだけじゃなくて、事前に相手の放送を研究して矛盾点を洗いだして、そこを追求するということをやったりしていました。そういった過去の放送の矛盾点、いうなれば「穴」を突くと、相手は言葉に詰まってしまってそれ以上答えられなくなってしまうんです。僕が言葉でその「穴」を突いて、さらに自分のリスナーはコメントで煽る。そうすると、相手の放送者は泣いてしまったり、コミュニティを消してしまったりするんです。僕はそのときそれがとても「快感」で、たくさんのコミュニティを消させてしまったんです。

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深水英一郎(ふかみん)

記者:

見たいものを見に行こう――で有名な、やわらかニュースサイト『ガジェット通信』発行人。トンチの効いた新製品が大好き。ITベンチャー「デジタルデザイン」創業参画後、メールマガジン発行システム「まぐまぐ」を個人で開発。利用者と共につくるネットメディアとかわいいキャラに興味がある。

ウェブサイト: http://getnews.jp/

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