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オノ・ヨーコも参加 ツイッターから生まれた「震災体験本」、米国で発売

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 「震災の体験を集めて1冊の本を作り、1週間以内に出版して、売り上げのすべてを赤十字に寄付したい」――。東日本大震災から1週間が経った3月18日、日本在住のあるイギリス人男性はTwitter上でこうつぶやいた。そのツイートの数時間後には写真やイラスト、短いエッセイが集まりはじめ、1週間も経たずに電子書籍として販売の準備が整った。Twitter上で、顔も名前も知らない者同士がハッシュタグ#Quakebookのもとに集って完成したこの書籍。その中には様々な人の想いが綴られていた。

 書籍の題名は「2:46: Aftershocks: Stories from the Japan Earthquake」。4月11日(米国時間)に米アマゾン上で発売された。発案者は千葉県我孫子市に住むイギリス人男性。震災後、「この国のためになにかしたい」と思った彼のツイートに心動かされ、わずか1週間の間に200人分もの寄稿と100人ほどの編集や翻訳の申し出が集まった。日本人や在日外国人はもちろんのこと、遠くアメリカやイギリスからも、今回の震災に衝撃を受けた人々から寄稿されている。また、芸術家のオノ・ヨーコさんやSF作家のウィリアム・ギブスン氏、『雨の牙』などで知られる作家バリー・アイスラー氏らからも文が寄せられた。

 子どもと病院にいたとき地震にあった人、高層ビルで会議中に地震にあった人。両親の家が福島原発から40キロ圏内にある人。日本を訪れたことはないものの、東北地方に住んでいるはずの親戚の身を案じるハーフのアメリカ人――。評論家でも記者でもない、ごく普通の人々が、誇張もせず素直に紡いだ言葉たちには、メディアが報じるそれとは違う現実感が漂う。

 この電子書籍は米アマゾンでも販売直後から反響を呼び、さっそくレビューが集まっている。「これは、ただの地震と津波に影響を受けた人々のために義援金を募るためのエッセイ集じゃない。この本は今の世の中の縮図であり、ソーシャルメディアの力を示すものだ」というものや「このレビューで僕は、(この本がチャリティ目的であることは抜きにして)この本の内容そのものを素直に評価しようと思う。――幸運にも、この本は素晴らしい本だった」というものなど、同書を高く評価するものばかりだ。

 「2:46」はほぼ全文が英語で、英米アマゾン上でのみ販売されている。アマゾン側の好意により「手数料をとらない」ことにしたため、売り上げの100%が日本赤十字へ寄付される。書籍はアマゾン社キンドルにより販売されているが、無料のソフトウェアをダウンロードすれば、キンドルを持っていなくとも読むことが可能。価格は9ドル99セント。

【関連サイト】
2:46: Aftershocks: Stories from the Japan Earthquake amazon.com
our man in abiko 発案者イギリス人男性のブログ

(古川仁美)

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