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蒼井そら 村上淳ら出演 映画『スリー☆ポイント』山本政志監督インタビュー「映画は自由だ!」(1/2)

映画『スリー☆ポイント』より

『てなもんやコネクション』『闇のカーニバル』など、独特の世界観と繊細な感性で国内外から高い評価を受けている山本政志監督が、2011年5月に新作『スリー☆ポイント』を公開する。京都、沖縄、東京を舞台に、監督のまなざしの赴くままに撮られたこの映画は、観る人の心を自由な旅に連れていってくれる――ただ、映画館のシートに座っているだけで。なぜなら、監督自身がものすごく楽しんで映画を撮っていることがビシビシ伝わってくるからだ。『スリー☆ポイント』をめぐる山本政志監督インタビュー前編。

映画『スリー☆ポイント』撮影中のひとコマ

・思い立ったらすぐ撮れる、思い切り自由な映画作りをしたかった

――『スリー☆ポイント』は“超インディーズ”で制作されたそうですね。
山本政志監督(以下、山本):映画作りでは、企画を立ち上げてからいろんな会社と制作費集めの交渉にすごく時間がかかるし、あげくの果てにボツになることもあります。その間、プロデューサー任せで監督はただ待っているだけ。なんだか映画がすごく遠ざかるしストレスもたまるんだよね。もう、そういう映画作りに疲れちゃって。すぐに撮りはじめたかったし、映画産業のなかでは絶対にできない自由な映画作りをしようと思いました。今回の企画が「ちょっとキビシイ」ということになったのが2010年5月頭くらい、最初の撮影地・京都に行ったのは5月末でした。

――早い! 思い立ってから行動開始まで1か月もかかっていませんね。
山本:うん。で、まずは即興でやってみようと。映画を撮りながら自分の流れのなかで、現場で思いついて変えていくことはあるけども、完璧に即興で撮るのはやったことがなかったので。「まったく徹底して何も考えずにやろう」ということを足かせにして、まったくゼロからやってみようと思いました。

――京都、沖縄、東京という撮影地はどうやって選んだんですか?
山本:京都は林海象(映画監督)がいて「遊びに来なよ」と電話をもらっていたし、沖縄は「そろそろいい季節だなあ」って(笑)。東京は地元だから……ということで、この三都市で何かやっちゃおうかなと、かなりいい加減に決めたんです。さらに、三か所の撮影地で撮る内容も、全然関連性なくやっちゃおうと思いました。一人の人間が作るものだから、どんなものをやっても何か通じるものが出てくるはずだから。オレは、テーマ性とかカタチで共通点を持たせて構成するような理知的な映画作りにはあまり面白味を感じないんだよね。そんなものはなくても、いい歳かっ食らってずっと映画をやっていれば、染みついているもんってあるから。

映画『スリー☆ポイント』より

・地元ラッパーたちへの取材を元に描く“スケッチ風ドラマ”
準備に6日間、撮影に3日間。スピーディに撮影された京都篇では、地元ラッパーたちへの取材を元に、虚実をないまぜにした3つのストーリー『アポロとジュン』『シュートとジェイ』『メンションとリサ』が展開する。小さなアパートに暮らす若い男女の行くあてのないやりとり、ドラッグやタトゥーに手を出すアウトローたちのヤバい状況。静かな町を背景に、生々しい彼らの姿がリアルで抒情的なスケッチ風ドラマとして描かれていく。

――京都篇では、ヒップホップがキーワードになっていました。なぜ、今ヒップホップを?
山本:京都に来る2日前、ある芝居の打ち上げで「京都のヒップホップって元気あるのかなあ」って話になって。「ANARCHYがけっこういいよ」と聞いたので『YouTube』で見たらすごく面白かった。で、京都のラインプロデュースを頼んだ柴田剛(映画監督)に電話をして、「ANARCHYに会えるようにしておいてよ。もしかしたらヒップホップかもしれない」と何気なく言ってみたの。
彼らはすごくオレのタイプだったんだけど、ちょうど撮影予定日にライブが入っていて調整がつかなくて。彼らに紹介してもらった人たちと、柴田がリサーチして見つけた人たちのに会っていったら、いい子たちが多いから「これはイケるな」と思いました。

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記者:

京都在住の編集・ライター。ガジェット通信では、GoogleとSNS、新製品などを担当していましたが、今は「書店・ブックカフェが選ぶ一冊」京都編を取材執筆中。

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