笑いあり!涙あり!感動あり! 2万人の鼓動 TOURS ミュージカル『赤毛のアン』観覧レポート

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エステーが1998年よりオリジナルミュージカルを主催し、今回で18年目を迎える『2万人の鼓動 TOURS』。
今年も『赤毛のアン』が上演されたので取材した。

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上演前に報道関係者向けにフォトセッションと囲み取材が行われる異例のセッティング。これは、東京公演のこの日は2回公演のため、時間がほとんどなくフォトセッションが組まれただけでも奇跡としか言いようのない忙しさのためだ。

主演のアン・シャーリーを務めるのは日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した上白石萌音さん。
記者はミュージカルを観覧したが、見事なアンを演じ切った。

そしてダイアナ・バリーを務めるのは、さくらまやさん。音楽の英才教育を受け、現在は演歌歌手として活躍中の彼女。
ミュージカルに歌はつきものだが、普通に歌いながらセリフをこなし、気が付くと演歌調に歌が変わっていて観客を爆笑の渦に巻き込んだ。もちろん、彼女にしかできない演出だ。

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二人とも17歳。
囲み取材で公演が終わったら何がしたいかと聞かれ、上白石さんは「北海道のさくらさんの家でカニパーティーをするんです!なんでもおうちにカニがいっぱい届くそうなんで!」と、早くも北海道でのカニパーティーに期待が膨らむ。

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同い年で仲の良い二人はその辺にいる女の子のトークで報道関係者を和ませた。
囲み取材終了時に記者団から「がんばって~!」と声援が送られた。こんなことは珍しい。
もちろん、公演前の囲み取材ということもあるが、通常はアイドルであってもビジネスライクにあっけなく終了するパターンが多い。
短い時間の中で報道関係者にエールを送らせることができた二人。記者はこの後の公演に期待が持てそうな予感がした。

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上演中の様子をご覧いただきながら、赤毛のアンのどのシーンなのか想像していただきたい。

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このミュージカルプロジェクトについて、記者はエステー株式会社に単独取材を申し込んだ。
対応してくれたのは、同社広報部の平井芙美加さん。小柄だが、なかなかパワフルな女性だ。

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--このプロジェクトが始まったきっかけは何でしょうか?

「弊社の会長が以前、ミュージカルを見て感動し、その感動を多くの人に味わっていただきたいというのが原点です。多くの人に見ていただくために、すべて無料招待としています。2万人の鼓動とは、スタッフ、キャスト、お客様、オーディションの参加者など、総勢2万人のプロジェクトなのです」

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--無料招待と言いますと、製品を購入した人から抽選ですか?

「いえ、そういう手法は取っておりません。毎年4月1日からプレゼントキャンペーンとしてホームページや販売店でとタイアップで、弊社製品の購入に関係なく、だれでも応募できるようになっています。そのようなキャンペーンを含めて6000組12000名様以上のお客様を招待しています。今年度は176858件の応募をいただきました」

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--完全無料とはすごいですね。そこまでするメリットは何ですか?

「もちろん企業ですから、社会的、文化的な活動をしているという表の顔もあるのは事実です。しかし、先ほども申しました通り、多くの人に本格的なミュージカルを見ていただいて感動を共有したいという思いもあります」

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「また、社内でのメリットとしては、弊社はメーカ-ですのでエンドユーザーと直接お会いする機会はほとんどありません。そこで、この機会にお客様をお迎えするスタッフや、お帰りの際にお土産をお渡しするスタッフなどには社員を配置して、直接エンドユーザーの皆様と接する機会を増やすことにより生の声を聞こうという狙いもあります。金銭的なメリットではありませんが、しかし代えがたいメリットです。昨日は弊社の社長もお客様にお土産を配っていたんですよ」

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--キャストはどのようにして決めるのですが?

「毎年3月にオーディションを開催します。夏休みの時期に全国で公演をするのですが、その地方地方でオーディションを行い、キャストを決めますので、公演地によってキャストが違うことになりますね」

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--いくら夏休みだからとはいえ、子供さんを全国に連れまわすわけにはいかないですからね

「それもありますが、全国を回る大人のプログループとともに、一般の方が一緒にミュージカルを演ずる機会はそうないと思うのです。ですから、より多くの子供や市民の方にもミュージカルに出演していただきたいと考えて、地方ごとのオーディション、出演としています。もちろん、大人のプログループが練習の都度全国を回るわけにはいきませんから、何度か東京に集まってもらって練習は行います」

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--それでもそんなに長く時間は取れないでしょう?

「そうですね。ですから2つの地方ブロックの人が、例えば東海と近畿のグループが東京に集まって合宿を行います。それを数回、そこで全国を回る出演者と合同で稽古をします」

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--ところで、来場者を見ていると夏休みなので子供連れが多いのはわかるのですが、意外と若い女性グループも多いですね

「弊社の製品をお買い求めになるのは、もともとは30代以上の主婦の方が多かったようですが、最近は”プチぜいたく”ではないですけど、20~30代の女性向けデザインや香りを楽しめる製品も発売していますので、ご存知の方も多いのでしょうか。製品購入の有無は問いませんが、販売店でのキャンペーンや弊社のホームページをご覧いただかないと応募できませんので、若い女性にも知名度が上がってきたということなんでしょうか」

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--若い人に浸透するというのはこのミュージカルのうれしい誤算かもしれませんね

「そういうことであればありがたいのですけど、若い女性の方にはご自身の香水を選ぶのと同じように、おうちのお部屋の香りも積極的にアレンジしていただきけると生活環境もぐっと豊かになると思いますので、そうしていただけるといいと思います」

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ミュージカルは、休憩をはさんで前半・後半と続く。
ある場面では爆笑し、ある場面ではすすり泣きの声が観客席から漏れるなど、ハンカチなしでは見ることができない本格的なミュージカルだった。

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記者席は最後列だったので、300mmの望遠レンズを使用せざるを得なかったが、ファインダーをのぞく記者の目からも涙が流れ、視界を曇らせた。

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世界名作劇場で放映され、絵本や小説でもおなじみのストーリーだが、何度見ても感動するのは名作が故なのか、製作陣が素晴らしいからなのか、出演者の演技に魅せられるのか、少し考えてみたがどれも正解のような気がした。

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記者の後列に陣取っていたテレビ局取材スタッフの一人は泣いていた。それが普通だと思う。それだけ演者と観客の心が一つになったという証拠だろう。

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さて、公演は終了し、観客がお土産をもらって出るころには、すでに2回目の公演を心待ちにする観客が列を作って待機していた。

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爆笑あり、涙あり、感動ありのミュージカル赤毛のアン全国ツアーは、この後、東海・近畿・中四国と西に向かい、8月27日九州の福岡市民会館で千秋楽を迎える。

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では、最後にミュージカルエンディングと演者紹介の場面を収録したものをダイジェストでご覧いただこう。

■2万人の鼓動TOURSミュージカル「赤毛のアン」20AUG2015東京公演1回目 ~エンディングから演者紹介~
https://youtu.be/80S2xBqLNrY

たまにはミュージカルでも観覧して情操を養ってみるのもいいのではないだろうか。

※写真と動画はすべて記者撮影
 (c)2015 ST-MUSICAL

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(執筆者: 古川 智規) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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