ガジェット通信 GetNews

見たことのないものを見に行こう

『若手アニメーター育成プロジェクト』から生まれた映画 全国で公開

DATE:
  • ガジェット通信 GetNewsを≫
projecta.jpg

 2011年3月5日から、新宿の映画館・バルト9など全国8館で「日本アニメーションの未来をつくる」4本の短編アニメが1週間限定で公開される。あまり宣伝されておらずご存知ない方も多いかもしれないが、制作には『攻殻機動隊シリーズ』『東のエデン』のProduction I.Gほか3社、監督には『毎日かあさん』の本郷みつる氏ほか3名、声優陣としては神谷浩史さん、能登麻美子さん、藤原啓治さん、小山茉美さんなどが出演しており、制作会社・スタッフ・声優、どれを取っても“豪華”としか言いようがないラインナップだ。そこで今回は、これら4本のアニメを生んだ『若手アニメーター育成プロジェクト』についてご紹介したい。アニメファンならば決して見逃してはいけない熱い想いが、このプロジェクトには詰まっている。

『若手アニメーター育成プロジェクト PROJECT A』とは、公式ウェブサイトによると、「我が国アニメの振興を図ることを目的として、今年度から新たに始まった事業」で、文化庁が委託している。このプロジェクトに参加する若手アニメーターは「実際の作品制作過程における指導」により実践的な能力がつくのはもちろんのこと、トップアニメーターによる技能講座、声優による演技指導、経営面や法律に関する講義まで受けることができ、「次世代を担う」アニメーターに必要なものが得られる環境で成長できると言っていいだろう。

■予算が無くて「ニコニコ動画」に予告編動画を投稿

いまや日本が誇る「文化」となったアニメ産業が、その外面上の華やかさとは裏腹に抱えている多くの問題がある。たとえば低賃金や過酷な労働環境、海外市場の崩壊など、それらは挙げれば際限ない。この『PROJECT A』はそんな現状を打破しようと立ち上げられたわけだが、なぜそこで「若手アニメーターの育成」が一番に掲げられたのか。

「アニメ制作をとりまくさまざまな厳しい状況の中で、最も切迫しつつあり、かつ、そのわりに時間を要する事項だからです」

こう語るのは、プロジェクトを推進した日本アニメーター・演出協会(JAniCA)のプロジェクトマネージャー・桶田大介氏である。桶田氏によると今回のプロジェクトは、「あと5年ほどで危機を迎えるといわれるアニメーターの高齢化という問題を主なターゲットとし、人材育成を中核に据え」ており、また同時に「制作会社の活性化」も狙っている。

しかしこのプロジェクトとて、予算が潤沢にあるわけではなさそうだ。なにしろ、桶田氏らが自ら『ニコニコ動画』に予告編を公開するほどである。なんでも、制作から公開にいたるまでの過程で予想外の出費がかさみ、「プロモーションについてはカネもなければ人手もないという状況」(桶田氏)になったとのこと。だがもちろん、「4社4様、それぞれ全く異なるアニメでありながら、どれをとっても日本のアニメという4作品が揃いました」と桶田氏が誇らしげに語るほど、アニメには作り手たちの想いが強くこもっている。さらに桶田氏は、『ニコニコ動画』ユーザーに向けてこう続けた。

「(ニコニコ動画の)β時代からの1ユーザーとして、自分が今、このような立ち位置にいることを不思議に思います。日本のアニメ制作現場の皆さんは、本当に素晴らしい力と想いをお持ちです。今後も引き続き、皆さんの想いを現場の力に繋げることのできる仕組みづくりのため、頑張って参ります。そのためにも、『若手アニメーター育成プロジェクト』を是非、応援してください!」

映画公開は5日から11日までの1週間のみなので、ご覧になる方はお急ぎを。劇場案内やテレビ放映情報に関しての詳細は、公式ウェブサイトでチェックして頂きたい。

【関連サイト】
PROJECT A 公式ウェブサイト(劇場案内、テレビ放映情報ほか)
 
(古川仁美)

【関連記事】
「俺の妹×とある」のコラボ! アニメコンテンツエキスポ最新情報発表
東京都が答える「青少年健全育成条例Q&A」 パンフレットに掲載
角川書店社長「都知事の発言はマンガ・アニメへの職業差別」

ニコニコニュースの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。