誰も指摘しないから言うけど、IT後進国・日本の未来がヤバい件 10年後のIoT時代を見越して考えること(ハイパーなブログ)
今回はYuki Hosonoさんのブログ『ハイパーなブログ』からご寄稿いただきました。
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誰も指摘しないから言うけど、IT後進国・日本の未来がヤバい件 10年後のIoT時代を見越して考えること(ハイパーなブログ)
刺激的なタイトルにしちゃったものの、結論から書くとIoT時代が到来してしまうと日本はマジでヤバイんじゃないか、という話。
今でこそ「先進国」の日本も、このままじゃ将来アカンことになりそう。
IoTがもたらす影響
HBRの村井さんの記事にも似たことが書いてあったけれど、インターネットの第一段階としての進化は終わったように思う。人と人とがリンクし、探したいことを探す…といった基本用途において、発展の余地はない。
問題なのは、10年後の世界だ。
今後、IoT時代が到来することで、次のような変化が起こると予想する。
(1)製品のサービス化
製品+ソフトウェアをセットに考える動き
Webサービスのプラットフォームと連動してユーザに付加価値を提供する等(2)センサー技術
ウェアラブル端末などの端末を用いて、ユーザのコンテキストをあぶりだす
ユーザのコンテキストに応じて質の高いUXを提供できるように(3)インタフェースの共通化・遠隔化
スマホを通じて、各家電製品のUIを一元化できる
また、家にいなくとも遠隔で制御可能に(4)データ還元・開発コストの削減
ユーザの利用データを還元することで開発時に役立てる(5)個人認証の簡易化・セキュリティの問題
外出先でも認証が簡単に行なえるようになる
一方で個人情報の問題が声高に叫ばれるように。
特に問題なのは(1)
これまでのように製品を売ればいい、という話ではなくなってくる。”サービス”となると、旨味があるのは圧倒的にITプラットフォームのプレイヤーだ。「サービス」を考える上で、ITプラットフォームとの連動・統合は避けられない。
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AppleやGoogleといったプレイヤーがなぜ車や家電製品の開発に取り組むのか。
その点、日本のメーカーはより想像力と危機感を持つべきだと思う。
車や家電にかぎらず、この変化はあらゆる製品・あらゆる業界にとって避けられないものだ。すべての業界をITが司ることになるし、場合によっては業界自体を再編することにもなる。
メーカー、医療、交通…あらゆる業界のビジネスがITによって左右される流れはもはや止められないそうにない。ITに興味のない人たちにとっては、いよいよ覚悟が必要だろう。
ITに関心がない現状を憂う
日本は技術先進国だから大丈夫だ、という人もいる。
ところがそれは一部技術の話であって、ことITにおいては完全にアメリカ1強の様相を呈している。僕自身もITベンチャーにいるけれど、「アメリカの連中やっぱスゲー」と素直に関心してしまうものだ。
国内企業の経営層が何を考えているのかは知らないけれど、IT自体にどれほど知識と関心があるのだろうか。もし、「難しいからよく分からない」と、理由もなく遠ざけているのだとしたら。あるいは、この時代の変化に気づいていないのだとしたら。
そう考えると、実は「関心」を高く持つだけで社会にもたらされる影響は大きいのではないか、と思う。大げさな表現かもしれないけれど、国家単位で関心のベースアップを図ることが先決なのかもしれない。
国内企業は無理に内製しなくてもいいから、せめてIT分野へ投資にまわすアクションがより活発になってもいいんじゃなかろうか。
教育の問題
大学の恩師ともお話していた際、IT教育で改善できる余地は確かにあるよね、と話題になったことがある。日本のITリテラシ教育についてはこの図が大変分かりやすく参考になる。
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
https://px1img.getnews.jp/img/archives/2015/05/34.jpg
引用:「日本のICT教育・学習利用の現状と課題 (Current Situations and Issues of ICT Use for Education and Learning in Japan)」 『slideshare』
http://www.slideshare.net/nobushigehichibe/150211-ict-education
若者がインターネットに触れていない、というわけではない。問題は、そのうまい使い方を教えているかどうかの1点だ。
そのくせ、英語についての関心は高い。英語を話せるようになろう、という社会的なコンセンサスもある。それに比べてITに対する熱の低さは何なんだろう…。英語並に関心を高く持ってもらえるだけでも違うんじゃないか。
本当にもったいない
推測になるけれど、15年ぐらい前まで日本のポジショニングは決して悪くはなかった。 Made in japanの製品が世界に広く行き渡っていて、それを高い品質で供給でき、それ自体が差別化要素として成立した時代。その時代までは良かったんだと思う。
(当時10歳だったからよく知らない)
その頃は、打ち手がたくさんあったんじゃないか。 今となっては、有利なポジショニングをとうに失ってしまい、手札が絞られた感がある。
その要因こそまさしくITであり、iPhoneもAndroidもAmazonもTwitterといった主要サービスはすべてアメリカに収まった。まさしくITはこの時代において最大の成長ドライバーなのだと思う。
民族の特性から見て、日本人が劣っているということでもないのがより残念だ。かつてはファミコン、プレステを生みだし、今もゲーム業界で一定の地位を持っている。恐らくそういう発想の部分は決して劣っておらず、むしろ才気に満ち溢れているのかもしれない。だからこそニコニコ動画やPixivといったコミュニティが活況なのだろう。
ITにもっと関心ある国家だったら…。僕にはどうもそこが悔やまれてしょうがない。
じゃあどうするか
現実的に考えると、こうなってしまった以上は勝てるところで勝つしかない。
ハードウェア側を開発できる立場にいるわけだから、センサー技術の面では利がある。ユーザの利用動向を検知してデータ化して…それをどうサービスに活かすかどうかについては、まさに「サービス」としてIT側のプレイヤーが鍵を握っている。 正直、そこはもう勝ち目がなさそうなので、とりあえず検知したデータを受け渡すことだけ考えたらどうだろうかw(適当)
※でも、最終的には「サービス側」が収益基盤になってしまう気がする
あと、ITについての興味関心がこれからの国力を失うことに直結しそうなので何とかしたほうがいい。「IT難しいからよくわかんなーい」とか言っているといずれ東南アジアにまくられる。
どうしたらいいのかは分からないけど、とりあえず問題提起として。
執筆: この記事はYuki Hosonoさんのブログ『ハイパーなブログ』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2015年06月05日時点のものです。
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