これぞ大人の嗜み! 日本酒初心者が知っておきたい知識まとめ
日本酒 イメージ/by coniferconifer
突然ですが、みなさん日本酒は好きですか?
「クールジャパン」を代表する日本文化として、海外にもアピールされている日本酒ですが、「日本酒離れ」という言葉が聞こえるように、国内における日本酒の消費量は、若い人を中心に年々減少傾向が続いています。
日本酒をほとんど飲まない、飲んだことがないという人の中には、日本酒に対して「古臭い」「悪酔いする」「飲み方がわからない」「おいしいと思わない」というマイナスイメージを抱いている人も多いのではないでしょうか?
しかしながら、最近は発泡性の女性向け商品の販売や、全国の蔵元が集まる日本酒イベント、雑誌の日本酒特集などが増え、改めて日本酒が注目されています。
ということで、今回は「日本酒デビューしたい!」という日本酒初心者の方におすすめの日本酒の選び方や飲み方をご紹介。
さらに、日本酒好き管理栄養士の筆者が、日本酒の悪酔いを防ぐ方法も合わせてレクチャーします!
一体何から飲めばいいの?
まず、日本酒すなわち清酒は、原料や精米歩合によって純米酒・本醸造酒・吟醸酒の3つのタイプに分類されます。これは、市販製品のラベルやお店のメニューにも記載されています。
とはいえ、こうも種類があると、最初のうちは結局どれから飲みはじめたらいいのか迷いますよね。ということで、まったく初心者の方におすすめの「とりあえずこれを飲んでみよう」という日本酒を紹介します!
日本酒デビューにおすすめなのは、吟醸酒の生酒です。吟醸酒と純米吟醸酒がありますが、よりすっきりとして飲みやすいのはアルコールが添加されている吟醸酒になります。
後ほど詳しく解説しますが、吟醸酒は独特のフルーティーな風味と、生酒のフレッシュな味わいが楽しめるので、女性にもおすすめ。お値段は少々高めですが、居酒屋の飲み放題であるような、安価な日本酒などで感じる独特の風味や強さはほとんどありません。
吟醸酒などの高級酒のなかには、値段が上がるにつれ、大吟醸、純米大吟醸と呼ばれる日本酒もあり、中には1合およそ3000円もする高級酒も。しかし、まずは日本酒自体に慣れ、そのおいしさがわかるようになってきてから挑戦することをおすすめします……!
飲み方は、冷蔵庫で冷やした冷やがおすすめです。吟醸酒は温めすぎると繊細な風味が飛んでしまうので、熱燗には不向き。居酒屋で飲み方を聞かれた際には「もちろん冷やで」とキメ顔で言うと通っぽさが出るかもしれません。
居酒屋に来たけど何を注文すればいいのわからない。そういう方はぜひ吟醸酒の生酒を冷やで頼んでみてください!
日本酒の悪酔いを防ぐには?
いろいろと難しいイメージを抱きがちな日本酒ですが、はじめてでも口当たりがよいので、意外とスッと飲めてしまうことがあります。「あ、全然飲めちゃう!」と調子にのってグビグビ飲んでしまうと、後で痛い目に合うので注意が必要です。
悪酔いをしないために最も大切なのは、当たり前ですが「飲みすぎないこと」です。日本酒の場合、1日の適量は1合から2合と言われています。人によってはもっと少ない量で酔いが回る場合もありますので、自分の適正量を把握してから飲むようにしましょう。
特に先ほど紹介した冷やは、燗と比べてアルコールの吸収が遅く、後々酔いが急激に回ることがあるので気を付けて下さい。(筆者は頻繁に体験しています……)
日本酒を飲む際は、飲むペースをゆっくりにすることが大切です。そのためには「食事と一緒に飲む」「人と会話しながら飲む」「日本酒の間に水を飲む」などを心がけていきましょう。
奥が深い日本酒の世界
ここまでは「とりあえずこれ飲んどけ!」という形でざっくりと紹介してきましたが、ここからはさらに深い日本酒の世界を紹介していきます。自分の好みと日本酒の種類を理解して、自分で飲みたい日本酒を選ぶことで、はじめて日本酒の真の魅力を感じることができます。
まずは冒頭で紹介した、日本酒の基本的な分類である純米酒・本醸造酒・吟醸酒の3種類について。これらは、市販製品のラベルやお店のメニューにも記載されているので、日本酒を自分で選ぶ際に注目してもらいたいポイントです。
純米酒
純米酒とは、米と米麹からつくられるいわゆる「米100%」の清酒です。米の風味が豊かで味がしっかりしているため、燗から冷や、ロックやお湯割りなど、幅広い飲み方で楽しめます。米本来の味わいを楽しみたいという人におすすめです。
本醸造酒
米と米麹のほか、少量の醸造アルコールを加えて適度に味を調整した清酒です。純米酒より淡麗で風味がほどよいものが多いので、比較的初心者向けのお酒ともいえます。燗でも飲みやすいお酒です。
吟醸酒
十分精米された米を使い、いわゆる「吟醸造り」と呼ばれる特別な技術を用いてつくられる清酒です。なんといっても、吟醸香と呼ばれるリンゴやバナナのようなフルーティーな香りとすっきりとした味わい、なめらかなのどごしが特徴です。
純米酒や本醸造酒と比べると価格は高めですが、それだけ多くの手間やコストをかけてつくられています。
日本酒でよく見るあの言葉の意味は?
さて、ここまで純米酒、本醸造酒、吟醸酒3種類の日本酒を紹介してきました。しかし、日本酒の種類はこれだけではなく、実は製造方法などによってさらに細かく分類され、それぞれに名称がつけられています。
そこで次からは、日本酒を選ぶ際にラベルやメニューでよく見るワードに注目し、自分好みの日本酒を選ぶために知っておきたい用語を解説します!
生酒・生貯蔵酒・生詰酒(ひやおろし)
日本酒デビューのおすすめとして紹介した「生酒」ですが、これは1度も加熱されない繊細なお酒を指します。
一般的に日本酒は、お店へ出荷されるまでに基本的に2回、加熱殺菌されますが、流通面の発達により、酒蔵でしか味わえなかったフレッシュな美味しさが楽しめるようになりました。
しかし、生酒は保冷での流通が必須条件で、かつ劣化も早いため、普通のスーパーや酒屋などでは取り扱っていない場合もあります。
なのでそういう場合は、瓶詰めの時に1回だけ加熱させた生貯蔵酒、瓶詰め前に1度加熱し、ひと夏熟成させてから瓶詰めした生詰酒(ひやおろし)であれば、比較的簡単に手に入るのでおすすめです。
フレッシュさは若干失われますが、より生に近い「半生」のようなまろやかな味わいを楽しむことができます。いずれも冷蔵庫などで冷やして飲むのに適しています。
原酒
水を加えていないため、アルコール分が20%前後含まれる清酒です。濃醇な旨みと力強い飲み口が特徴ですが、アルコール分が高いので、日本酒初心者の方にはロックのほか、ジュースや炭酸水と割って飲むのがおすすめです。
甘口・辛口
日本酒の種類、製造方法に関する言葉を紹介してきましたが、さらに日本酒には、清酒中に含まれる糖分を示す日本酒度という値があります。
日本酒度は、おおむねマイナス10からプラス10の値をとり、マイナスの値が大きくなるほど甘口、プラスの値が多くなるほど辛口となっています。
しかし日本酒の甘辛は、酸味や香り、温度や一緒に食べたものなどにも影響されるので、あくまで日本酒を選ぶ際のひとつの目安として活用してください。
このようになかなか奥が深い日本酒ですが、まずは飲みやすいものから挑戦して、だんだん自分の好みを理解していくが大切。これまで日本酒を飲まなかった人も、ぜひこれを参考に日本酒デビューしてみてはいかがでしょうか?
引用元
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