よくある話?

サイエンスあれこれ

今回は神無久さんのブログ『サイエンスあれこれ』からご寄稿いただきました。

よくある話?
夫が事故で亡くなった数年後、彼女には新しい恋人ができた。その彼は、彼女より5才若く、将来を嘱望された若者だった。実を言うと彼は、亡き夫の教え子でもあった。そして、もうひとつ付け加えるなら、彼は既婚者でもあった。

彼と彼の妻との間に、すでに愛はなかった。あるのは、激しい罵り合いと殴り合いのけんかだけだった。妻の夫に対する憎しみは、彼の浮気を知ってさらに加速した。妻は、夫と浮気相手の“メール”を証拠とし、彼らを告訴した。当時すでに有名人であった夫と浮気相手は、これによってマスコミの格好の餌食となり、世間は妻に同情した。

その裁判が行われる予定の12月、浮気相手は、とある賞の受賞者として招かれていた。しかし、由緒あるその賞の主催者は、スキャンダルにまみれた彼女の出席を思いとどまらせようと必死に説得した。せめて裁判によって無実が明らかになるまでは、賞の受け取りを保留して欲しいと。しかし、彼女は苦悩しつつも、き然と式典に出席し、史上初となる2度目のノーベル賞を受賞した。彼女の名は、マリア・スクウォドフスカ=キュリー、一般にはキュリー夫人として知られている。

人間というものは、いつの時代も同じようなことをしてしまう生き物のようですね。ノーベル賞を取るほどの人でもそれは同じのようです。この事件の渦中、キュリー夫人の友人でただ一人、彼女にストックホルム(ノーベル賞受賞式典会場)へ行けと言った有名な科学者がいます。彼自身もかつて教え子との間にできた非嫡出子を認知した経験をもつアルバート・アインシュタイン博士です。

こんな話を聞くと、私たちだって尊敬する偉人たちの前で、必ずしも自分たちを卑下する必要はないんじゃないかって思いませんか? だって昔から言うでしょ、天才と馬鹿は紙一重だって。?? ちょっと意味が違ったか。でも、きっとその紙一枚分の厚さの中に、私たちみんながぎっしりと詰まっているだけじゃないのかなぁ。

執筆: この記事は神無久さんのブログ『サイエンスあれこれ』からご寄稿いただきました。

文責: ガジェット通信

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