体重増加率232%! 人生と向き合ったダイエットコミックエッセイ~マガジンハウス担当者の今推し本『リバウンド女王、人生最後のダイエット』
こんにちは、マガジンハウスです。五月場所も盛り上がってきましたね。みなさんは、横綱時代211kgの巨体を誇った大乃国(いまのスイーツ親方)が、入門時はたった83kgしかなかったのをご存知でしょうか? そこから約2.5倍まで大きく。すごい!
今回、紹介する本も、かなりすごいですよ。48kgからスタートして、MIN36.5kgからMAX85kgまでを行き来したひとりの女性のダイエットの記録です。著者のたかぎりょうこさんにお話を伺う前に、まずはこちらの写真をご覧ください。
ごろ寝なう。
―――たかぎさん、こんにちは! この写真が再十両……いや最重量の85kgの頃のものですね。これはどういったシチュエーションで撮られたんでしょうか。
たかぎ(以下T)「もちろん日常の一コマです。撮った編集の方としては意図があったと思うんですけど、自分的にはむしろイケてる風だったりもして(笑)。服も当時気に入ってたもので、韓国で買ったサルエルっぽいズボンに、全身黒のコーディネートですね。キャラっぽくて可愛いと思ってました」
―――寝てますよね。
T 「これは生活態度が出ちゃってますよね。私、寝るのが大好きなんですよ。一番のストレス解消法は寝ることですし、布団が私の巣。その上で調べ物したり、 ゲームしたり、昼でも眠ったり。最高の幸せな時間の過ごし方でした。性格は今もだらしないし、布団好きというのも変わってないんですが、だら寝はせず眠るのは夜だけにしています。たまにふて寝しますけど」
―――あの、高校時代から今までのダイエット変遷をつまびらかにされていますが、数字(体重)をここまでオープンにすることに抵抗はなかったんですか?
T 「ぜんぜんないですね。たかが数字なので……なんか、自分のことなのだけれど、自分のことでないような。メディアの自分とふだんの自分は別モノというか、そのへんはなぜか他人事のような不思議な感覚で見ているんです」
―――不特定多数の人に、体重や全身写真を見られるのは平気?
T 「はい、平気です。でも、親しい男性から体重を聞かれるのは嫌(笑)。夫にも聞かれたくない」
―――え、そうなんですか(笑)。この本では、体重の増減が激しく、気持ち的にも不安定だった頃のことも書かれていますが、読んでいて辛くなるほど壮絶な経験もされていて……。そんな時、心の拠り所は何でしたか?
T 「ここで家族です、夫です、と答えたいのですが、彼は痩せている女性が好きなんですよ、嗜好的に(笑)。心の拠り所というか逃げ込み処としては、やっぱり眠ることしかなかった。拠り所がなかったから不安定だったんですよねぇ」
―――ご主人とのエピソードはマンガにも描かれていて、ホロリとするシーンも多々あったのですが、どんな方なんでしょうか。
T 「先ほども言ったように、女性は痩せ型が好き(笑)。だから今でも、”もっと痩せられるよね? もちろん健康的にね!”っていうプレッシャーはかけてきます。もちろん昔から、一番に私のことを考えてくれる人であり、見守ってくれる存在なのですが、一番近い表現で言うなら、私のことを総合的に考えてくれる プロデューサーみたいな存在かもしれません」
―――プロデューサーですか!
T 「私のことは女性としてより、キャラクターとして見てると思います。よく”パンダみたい”って言ってきますし。キャラとしては可愛いけど、異性としてはどうだか(笑)。だって、夫の好きなタイプは中森明菜なんですよ」
―――細くて儚いですね……。でもそれは、アーティストとしてリスペクトしてるとかそういう系じゃないんですか?
T 「いやいや、夫に、”もし中森明菜が目の前に現れたら、明菜ちゃんって呼べる?”って聞くと、”え、いや……中森さん、かな”って答えるんですよ。これは本気でタイプですよ(笑)」
―――では、たかぎさんはどんな男性がタイプなんですか?
T 「年下が好きですね、って夫は年上ですが(笑)。あとは太め体型やマッチョが苦手で、夫は高校時代から体重が変わってない痩せ型なので、そういう面ではタイプかもしれません。」
―――ところで、たかぎさんほど両極端な体型を経験された方も珍しいと思いますが、太っている時と痩せている時、それぞれのいいことを教えてください!
T 「太っていていいことは、まず冬でも寒くないこと。痩せてから、久々に冷えるようになりました。太ってた時は冷えしらずでしたね」
―――むしろ汗かいてますもんね。
T 「そう、初対面でも汗かいてネタにできる。初めての相手にも警戒心を与えずにスムーズに入っていけるところも、いい点ですね」
―――一方、痩せてきてよかったと思うことは?
T 「冷え以外の面では、体の不調が減ってきましたね。不調が長引かず、回復が早くなった。あとは、服の選択肢が広がりました。私よくオークションで買うんですが、デブ服って人気集中するから高いんですよ。普通サイズになったことによって経済面でもメリットが(笑)」
―――周りにちやほやされたりも?
T 「若干ですが、ありますね。今までは割り勘だったのが、奢ってもらったり」
―――たかぎさんは、痩せてからファッションやヘアメイクも変えられましたよね。
T 「メイクは元々好きだったんですが、デブ時代は一切使わなくなって、封印してたんです。『クロワッサン』のダイエット企画でプロのヘアメイクさんにしてもらい再び目覚めて、10数年ぶりに引っ張り出してきました」
―――痩せ見え写真(笑)を色々拝見しましたが、とても40歳には見えません。
T 「こないだ大学生に、付き合えるって言われましたよ!」
モニターに映った姿を、さらに横から撮るという、高度(?)な痩せ見え効果。
―――ブラーヴォ! それだけでもかなり励みになりますが、ダイエットが成功せず悩む人達に、もう一言だけアドバイスをいただけますか。
T 「日常生活の中で続けられることで、時間をかけて地道に減らしていきましょう! 私は色々やってみたけど、それが一番、体重だけでなく体脂肪が確実に落ちる方法だと思います。急激に落とすダイエットって、続けられない方法が多いんです。そして元の生活に戻ったら必ずリバウンド。同じ体重でも、どんどん体脂肪だけが高くなっていきます。これが、ほんっとにリバウンドの弊害! 人それぞれに合ったダイエット法って違うと思うんです。だからキャッチーなものにすぐに飛びつかないで、自分が日常生活で生涯続けられるものかで判断したほうがよいと思います。あ、一言じゃなくなっちゃった(笑)」
―――いえいえ、たかぎさんだから言える、深いアドバイスでした。ところで、今日は何kgですか?
T 「今朝7:00測定で53.2㎏です。本当に我ながら遅々たるペースですね(笑)。でも続けることに負担がないので、気持ちはもっと軽いですよ!」
自撮りテクも上達したたかぎさん。何より楽しそうな笑顔がまぶしいです!
今週の推し本
■『リバウンド女王、人生最後のダイエット』(たかぎりょうこ 著)
ジャンル : エッセイ
ISBN : 9784838727513
定価 : 1080円 (税込)
発売 : 2015.05.09
[http://magazineworld.jp/books/paper/2751/]
ウェブサイト: http://magazineworld.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。