ジェームス・ブラウン伝記映画公開記念ライブに在日ファンク、ソイルらが出演 それぞれの“ファンク”でJBへのリスペクトを示す
ジェームス・ブラウンの伝記映画『ジェームス・ブラウン~最高の魂(ソウル)を持つ男~』の公開を記念したトリビュート・ライブが4月27日に東京・渋谷クアトロにて行われた。
出演は在日ファンク、SOIL&“PIMP”SESSIONS、セルジオムトウ(MC&DJ)、WOODYFUNKの4組。会場には出演アーティストのファン(セルジオムトウいわく「JBのひ孫」)が詰めかけ、見事に満員御礼となった。そのイベントは、スタイル的には出演者の誰もがバラバラながら、JBと彼が生み出したファンク・ミュージックへの愛という点では見事に通じ合うものになった。
イベント開始後、まずはWOODYFUNKが演奏。ヴォコーダー・ボイスを特徴とする独特の歌謡ブギー・ファンクともいうべき音楽性で観客を魅了し、会場に一体感をもたらした。
WOODYFUNKからバトンを受けたセルジオムトウのMCでは、映画にちなみジェームス・ブラウンその人についてもコメント。「ジェームス・ブラウンは発明家」とした上で「彼が居なければ、在日ファンクもソイルもWOODYFUNKもここに居なかった」とその影響力の大きさを改めて讃えた。さらに、在日ファンク、ソイルの両ステージの終了後には、JBの曲を両バンドでセッションすることも明かし「今日は伝説の日です!」と会場を煽った。
その後、セルジオムトウによる、JBファンにはお馴染みの名文句のパロディによって、ソイルがステージに呼び込まれる。ソイルはもちろん、アジテーターの社長をはじめ、いつもの6人編成で登場。社長の身につけた上下ホワイトのセットアップがJBの服装を思わせつつ、やはりバンド全体としてはストリート感溢れる野性的な趣きが印象的だ。
ヘヴィ・メタルからの影響ある『表nothin’ 裏girl』のような曲をはじめ、そもそもジャズ音楽の影響が強く、ダブやロックの要素も昇華したソイルのごった煮スタイルによる演奏は、やはりこの日も、狭義のファンク・ミュージックの定義にはとらわれない。だが、そんな彼らが「JBのトリビュート・イベントという記念すべき日に呼んで頂いてありがとうございます!」と言い切ることにJBの偉大さが感じられる。何より、そのパワフルでカオスめいたジャズ・ロックを通して彼らが表現する熱量こそが、ソイルがJBから受け取ったファンクの教えなのだろう、と思えた。
MCでは、元春がJBと『最高の魂~』について「必修科目、音楽史、ファンクの章の一番大事な項目なので、みんな絶対に勉強しておけよ!」と客席に宣言。その宣言を聞いた社長が「俺もそれ使っていい?」と確認し笑いを取る一幕も。観客とともに汗だくになりながら、最後まで激しい演奏で観客を盛り上げた。
ソイルの演奏後、映画の予告編が流れる中、演奏されたセルジオムトウのJB曲によるDJを経て、在日ファンクが登場。こちらは上下を黒と赤に切り替えたスーツでメンバー全員がビシッと決めたスタイルだ。
セルジオムトウを除くと、この日の出演者の中で、最もJBの残したオーセンティックなファンクのスタイルに近い彼ら。フロントマンのハマケンもステージに登場するやいなや華麗なステップを見せ、演奏を盛り立てた。曲間では、ハマケンが「ジェームス・ブラウンのトリビュート・ライブに参加できて本当に光栄です。僕らジェームス・ブラウンが亡くなって、バンドを始めたからね。“やべえ、神が死んだ”って言って」と、結成当時を振り返った。
終盤では、ハマケンの「今日はどうもありがとうございました!こうやってソウル・ラバーが集まれる場所を大切にしようよー!場を大切にしようよー!」というMCから「場」の演奏に繋げ、改めて、こうしたライブ・イベントの大切さを強調した。
在日ファンクの演奏後、いったん全員が退場してから行われたアンコール。在日ファンクのメンバー全員に加えて社長、ダブソンビ(トランペット)、元春(サックス)の3人が登場。全員参加でJBの「SUPER BAD」をセッション演奏した。それぞれのプレーヤーのソロ回しに加え、社長とハマケンがマイクを奪い合ったり、ダンスバトルを見せたり、あるいは連携してダンスをして見せたりと、ピースフルなムードで演奏は終了。最後は全員が横並びに肩を組んで客席にお辞儀をし、出演者と「天国のJB」に拍手を送ってライブを締め括った。
なお、映画『ジェームス・ブラウン~最高の魂を持つ男~』は5月30日より全国ロードショーされる。
◎ライブ概要
【ジェームス・ブラウン~最高の魂(ソウル)を持つ男~ トリビュート・ライブ】
2015年4月27日(月) 東京・渋谷クアトロ
開演 19:00
◎公開情報
『ジェームス・ブラウン~最高の魂を持つ男~』
2015年5月30日シネクイント他 全国ロードショー
監督:テイト・テイラー
脚本:スティーヴ・ベイグルマン、ジェズ・バターワース&ジョン=ヘンリー・バターワース、テイト・テイラー
製作:ミック・ジャガー、ブライアン・グレイザー、ヴィクトリア・ピアマン、エリカ・ハギンズ、テイト・テイラー
出演: チャドウィック・ボーズマン、ヴィオラ・デイヴィス、オクタヴィア・スペンサー、ネルサン・エリス、ダン・エイクロイド
製作国:アメリカ、イギリス
製作年:2014年
上映時間:139分
配給:シンカ/パルコ ユニバーサル映画 cUniversal Pictures
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