子どもが学校をサボったら、親は「運転免許」を失う?

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 「学校をサボる」という行為はけして肯定できるものではないが、人生で1度くらいは、誰しも経験したことがあるのではないだろうか。親や教師にバレたら怒られるという背徳感、みんなが勉強している間に遊べるという優越感。そしてサボった日にかぎって学校内での素敵な出来事を逃していたりして、次の日後悔の念に襲われて――。そんなちょっと苦い体験をして、みな大人になるのだ。

 しかしアメリカの一部地域では、そんな「青春の1ページ」がなくなってしまうかもしれない。「子どもの無断欠席が多い場合、親の運転免許証を剥奪する」という法律を作って、サボりをなくそうという動きがあるのだ。

 米東部のウェストヴァージニア州、地元テレビ局ウェブサイトの報道によると、「子どもが学校を10回以上無断欠席した場合、その親の運転免許証を剥奪する」という法案が、次のウェストヴァージニア州議会に提出されるという。

 法案を提出しようとしているエリック・ウェルズ議員は「教育に重きをおかず、自分の子どもたちが学校に行く必要がないと感じる親が世の中にはいる」と発言。不充分な教育は、子どもが成長したのちの「経済的好機(=出世の機会)」をより少なくするものだとし、学校をサボる子どもを親が見逃すことはネグレクト(育児放棄)の一種だという見方を示している。

 記事へのコメント欄は「こんなの”馬鹿馬鹿しい”を超えているわ」「わお。中退者が3倍になるね」「子どもは親がなにをしようとサボる方法を見つけるものよ」などの否定的な意見が大半を占めた。だが、なかには「ほとんどの(コメントを寄せている)人たちは、子どもが学校に行こうが行くまいが気にしないのね。私は昔、ウェストヴァージニアで教師をしていて、1年で4回ぐらいしか学校に来ない生徒を持っていたわ。なんの言い訳もなしにね」と、自分の経験を踏まえ、法案を肯定する者もわずかにいた。

 この法案が通るかどうかはわからないが、法案が提出されるという事実だけでも、米国民は衝撃を受けているようである。「ゆとり世代」以降、日本でも教育制度の見直しが繰り返されているが、教育に関する問題を抱えるのはどこの国でも同じようである。

<ウェストヴァージニア州地元テレビ局メディア>
Bill Would Take Drivers Licenses From Parents of Truant Kids

(古川仁美)

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