インターネット時代の“ムーブメント”という目的
今回はゆーすけべーさんのブログ『ゆーすけべー日記』からご寄稿いただきました。
インターネット時代の“ムーブメント”という目的
あくまで仮説に過ぎないのだが、だんだんと検証されつつある個人的な思惑について。または当然と思われるかもしれない、個人的なモチベーションについて。
今回、何を書こうとしてるかというと、“おれがやっているのはムーブメントなんだ”と認識することはわりといいかもしれないし、“ムーブメントを起こすためのプラットフォームはそろっている”という仮説についてである。
例えば、イベントをやるにあたっては、それは“場所”を提供することと考え、裏では、“あるムーブメントを起こすぞ”という心意気だと“わりかしいい”。効果が計りやすく、イベント自体の段取りもはっきりして長続きする。ブログを書くことや『Twitter』でつぶやくこともムーブメントの手段に使える。
昔から、おれにはやりたいことがあったし、やりたいことがある。それは具体的には“(適切な人に対して)表現する”ということだ。だから、何か表現する物がないと、今回のケースには当てはまらないかもしれない。ただ、“自分が楽しいと思ってやっていることを誰(だれ)かに伝えること”も表現であると考えれば、様々なケースに応用できる。重要なのは自分に表現したいことがあることに気づくことだ。
散文的に書いたので事例と共に解説する。
『PerlCasual』という個人的にはムーブメントと認識している活動を去年から行っている。これは簡単に言うと「もっとカジュアルに(ライブラリの作者だけじゃなくてユーザーも)Perlを楽しんで、それを表現していこーぜ!」というムーブメントだ。
去年の『YAPC::Asia』というイベントで自分が“カジュアルにPerlを楽しんでいる”ことに気づいて、もっと仲間が欲しかった。早速、ブログにエントリーを書き*1、意見をこうた。すると「自分もカジュアルなPerlユーザーだ」という人も含め仲間が集まってきた。イベントを今まで3回行い、初心者向けの講習及び、初級中級ユーザーの発表の機会を作った。今年の『YAPC::Asia』では3人の方から「『PerlCasual』のおかげで自分も発表する気になった」なる意見をもらって非常にうれしかった。
*1:「Where are “Casual Perlers” ?」2009年9月12日『ゆーすけべー日記』
http://yusukebe.com/archives/09/09/12/120113.html
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「カジュアルなPerl Mongersはどこにいる?」それを私は見つけたいと思います。そして、カジュアルなPerl Mongersがいるとしたら、もっと存在感を見せつけましょう。
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このまとめの文章から、実際に単なるイベントとかコミュニティと考えているのではなく、社会運動=ムーブメントと考えていたことがわかる。 『81忘年会』と称し1981年で生まれのエンジニア界隈(かいわい)の人達を集めて飲んでいるのもムーブメントと捉(とら)えることができる。「同じ年に生まれたしネットやってるんだから仲良くしよーぜ!」っていう意識だ。
そういえば、ちょうど1か月前のエントリー*2 が一応発端となり、『Facebook』騒動が起こったとき。「社会運動はどうやって起こすか」というTED.comの3分間のプレゼンテーション映像をとある“ネットウォッチャー”に紹介された。*3
*2:「フェイスブックがはじまりそうな件」2010年10月7日『ゆーすけべー日記』
http://yusukebe.com/archives/10/10/07/151037.html
*3:「デレク・シヴァーズ ”社会運動はどうやって起こすか”」 『Video on TED.com 』
http://www.ted.com/talks/lang/jpn/derek_sivers_how_to_start_a_movement.html
このビデオで主張しているのは「言い出しっぺも重要だけど、それに続く(フォローする)人がいて、彼らを大事に扱えば、リーダーは複数になり、ムーブメントが起こしやすいかもね!」ということである。
興味深いのは、この主張において重要な、フォローする/されるための道具が手に入りやすいことだ。 『PerlCasual』の例で挙げた時に登場するブログやイベント。さらに言えば、イベントやブログを告知するために使った『Twitter』、イベントの管理のために使ったATNDなど、このネットの社会においては、ムーブメントを起こすためのプラットフォームはそろっている。 『TED.com』の映像では原っぱで裸踊りをしてそれが周りの人たちに伝わっていくのだが、今のブログ/『Twitter』/イベントといったツールを駆使すればオンラインとオフラインで、“原っぱにいる規模”以上に、より多くの人に、踊っていることを伝えることができる。
まとめよう。まず、自分が表現したいことに気づくこと。それは“踊るのが楽しい”といった自分で今現在、楽しんでいることでもいい。次に、その楽しさを、ブログや『Twitter』、『Facebook』などのネット上のツールで主張する。その楽しさに共感する人は大抵いる可能性が高いので仲間が集まるだろう。そしてイベントを開催すれば自分の意図がよりリアルに伝わる。イベントやネット上のツールはムーブメントを起こすためのツールとして使える。
ここで気づくことがある。何かムーブメントを起こすにあたっては伝えたいことがあり、より多くの人を巻きこみたいと思っていることが前提だ。伝えたいことの規模が社会に目が向いていれば上記の理論はあてはまる気がするが、限られた人だけに伝えたければそれは必要ないかもしれない。ただ、おれは社会に目を向け続けると思う。それは、やるんだったら大きなことをやりたいという個人的な思想も含め、まだ見ぬより多くの人と一緒に楽しいことについて話したいからだ。そしてもっとこの文章に説得力を持たせるためにこれからもいろいろなことに気づいて発信していきたい。
執筆: この記事はゆーすけべーさんのブログ『ゆーすけべー日記』からご寄稿いただきました。
文責: ガジェット通信
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