再生・活用される京町家。外国人も魅了するその魅力とは

再生・活用される京町家。外国人も魅了するその魅力とは(写真: iStock / thinkstock)

京都市は2014年10月に発表した『観光振興計画2020 ~世界があこがれる観光都市へ~』において、東京オリンピック開催予定の2020年末までに、外国人宿泊者数を年間300万人とする目標を掲げている。

そのなかで、空き家となっている京町家をゲストハウスや宿泊施設として活用するため、整備や改修を行政主導で行っていく動きがある。そこで、外国人を魅了する京町家の魅力について、京町家の整備を行う「京都市景観・まちづくりセンター」に話を伺った。

まず“京町家”と呼ばれるのはどんな建物でしょうか。「実は“京町家”の誰もが認める定義はありません。ですが、基本的に当財団においては京都市の定める『京町家再生プラン』と同様の考え方に基づいて、要件を決めています」

どんな要件があるのでしょうか。「当財団の発行する『京町家カルテ』の対象となる京町家の要件は、昭和25年以前に伝統軸組構法を用いて建築されている建物であること、京町家の持つ基本的な空間構成を有しており、庭が残されている建物であることなど、いくつか要件があります」

国内外を問わず、人々を魅了する京町家の魅力とは何だと思われますか?「一般的な観光客の方が魅力として感じているのは、伝統的な意匠を施してある千本格子、瓦屋根、通り庇、虫籠窓(むしこまど)などに代表される、美しく洗練されたデザインだと思います。ですが、京町家を詳しく学んだり、購入したりしている外国人の方などを見ていますと、さらにデザイン+αの部分に魅力を感じておられるようです」

+αの部分とは、いったいどんなところでしょうか。「京町家の魅力は、日本の伝統的な暮らしの文化を代々継承しているところや、古い建具や木材を再利用し、理想の空間をつくり上げていく部分などにもあると思います。外国人の方などが感じておられる+αの部分はそんなところにあるのかもしれませんね」

京町家は、伝統的な木造軸組建築の例に漏れず、維持修繕していくことを前提として建てられている。例えば、腐食部材は取り換え、壁は塗り直しをするなど、適切な維持管理をすれば100年、200年と長い年月にわたって住み続けることができるそうだ。

京都市景観まちづくりセンターでは、「京町家まちづくりファンド」で寄付をつのり改修費用を助成するなど、京町家の保全・再生を支援する活動を行っている。日本の歴史や伝統を伝え続けるためにも、京町家の魅力を知り維持することは、今後ますます重要になってくるはずである。●取材協力
京都市景観まちづくりセンター 
HP:http://machi.hitomachi-kyoto.jp/index.html
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/01/22/76635/

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