来年から小学校の授業は278時間増える!? “脱ゆとり”に9割の親が賛成

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メディアインタラクティブ『新教育課程に関する意識調査』

“脱ゆとり教育”を掲げて来年完全施行される新教育課程に関する意識調査を、メディアインタラクティブが全国の小学校低学年の子どもを持つ男女600名を対象に実施しました。新教育課程は、小学校では来年から完全施行され、今までゆとり教育で削減されてきた授業時間・内容は大幅に増加する予定です。この“脱ゆとり教育”について、親たちの理解度や考えが浮き彫りになっています。

新教育課程では、小学校では278時間、中学校では105時間の授業時間が増加。使用される教科書も、全教科でゆとり全盛期の2001年度より43%(2004年度からは25%)もページ数が増えます。急激に変化する小中学校の教育現場、子どもたちの学校生活も一変することになりそうです。この新教育課程の内容について、親たちはどのくらい理解しているのでしょうか。

「新教育課程の内容に対する理解状況」を問う質問では、「知っていて、内容も理解していた」のは35.2%(母親37.2%、父親32.2%)で、6割以上の親がきちんと理解しておらず、名前だけ聞いたことがある人がほとんどであることが明らかになりました。「教科書のページ数が増加することについて」ではさらに認知率が下がり、きちんと理解しているのはわずか24.5%。ほとんどの親が子どもたちの教育状況がどう変化するのかを、まだ理解できていないようです。ただし、20代の父親はいずれの質問にも40%が「きちんと理解している」と回答。若い世代の情報に対する敏感さが垣間見えています。

メディアインタラクティブ『新教育課程に関する意識調査』

「新教育課程に関する意見」として賛否を問う質問では、「賛成/どちらかと言えば賛成」が91.5%で、圧倒的多数が“脱ゆとり”を歓迎しているようです。理由は「ゆとり教育の効果が感じられず、学力が低下したように感じる」「余裕がありすぎてヒマそうにしている。最低限のことは省かずやったほうがいい」など、学力の低下を実感していることがあげられました。また、「“脱ゆとり”が子どもの就職力や社会的適応力にポジティブな効果をもたらす」という声も88.5%にのぼり、「強い人間はある程度の競争のなかからしか育たない」「全体的な学力レベルがあがれば社会もそれに反応するのでは」など、期待感が見られます。

「脱ゆとり教育の影響で増えるもの/減るもの」については、増えるものとして「家での勉強時間(52.2%)」「勉強についていけなくなる子ども(51.0%)」「ランドセルの中の荷物(34.3%)」が上位3位に(複数回答)。このほか「親子での勉強時間(33.8%)」や「親子の交流時間(20.0%)」など、勉強が大変になる子どものケアをしたいという意見も多数ありました。減るものについては、「遊ぶ時間(53.2%)」「ゲームをする時間(46.0%)」「テレビを見る時間(44.3%)」「課外活動をする時間(32.8%)」「親子の交流時間(23.3%)」が上位でした。

メディアインタラクティブ『新教育課程に関する意識調査』

ちなみに「子どもの勉強を教える自信」については、「以前とかわらない」が5割(50.2%)を占める一方で、約1割(9.7%)が「子どもに勉強を教える時間が少し減った」と回答しています。「子どもの先生になってほしい人」ベスト3にランクインしたのは「所ジョージ(17.2%)」「ビートたけし(15.0%)」「武田鉄矢(14.3%)」で、「楽しくわかりやすく教える力」と「勉強以外の生きる術を伝達してくれそう」という理由があげられています。

新教育課程について「よく知らない」人がほとんどであるにもかかわらず、9割以上が賛成しているというあたりがちょっとナゾですが、なんとなく“脱ゆとり”で子どもにいい影響がありそうなイメージを持つ人が多いということでしょうか。急激に変わる子どもたちの学校生活、親の側にも理解と協力が求められるシーンが増えそうですので、今からでも「新教育課程」をネットで検索して見ておくといいかもしれませんよ。
 
 

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Kyoko Sugimoto

京都在住の編集・ライター。ガジェット通信では、GoogleとSNS、新製品などを担当していましたが、今は「書店・ブックカフェが選ぶ一冊」京都編を取材執筆中。

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