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ウエストのおはなし

Ohnoblog 2

今回は大野左紀子さんのブログ『Ohnoblog 2』からご寄稿いただきました。

ウエストのおはなし
もうウェストのデフレはやめよう – 『はてな匿名ダイアリー』
http://anond.hatelabo.jp/20100201140628

女性のウエストサイズが公称60センチだったり58センチだったりするのに疑問を抱いた男性が、約2年かけて10人近い風俗嬢のウエストを計測した結果、60センチの人は一人しかおらず、それも“ガリガリといってもいいほどの細さだった”、つまり公称ってほとんどウソだよねという話である。ウエスト60センチの人の身長が仮に160センチくらいだとすると、相当細い方にはなるだろう。それにしても2年もかけてご苦労様です。

以前、もっと短時間でこれと似たようなことを、テレビでやっていたのを思い出した。

夏の海水浴場に番組のスタッフが出かけ、カップルの若い男女をつかまえて「彼女、スタイルいいですねぇ」とほめまくる。まんざらでもない顔の女の子とその彼氏。いい気分にさせたところで、「ウエストサイズを教えて頂けませんか?」と頼む。ビキニの女の子は「え~」と照れながらも、「最近測ってないけど、60センチかな」などと答える。そこに間髪入れず「やっぱり細いですねぇ!悪いけどちょっと測らせてもらっていいですか?」と、やおらメジャーを取り出すスタッフ。

女の子は「ええっ」と驚き「それはちょっと」と恥ずかしがるが、スタッフに「お願いします」と頭を下げられ、横にいる彼氏にも「いいじゃん、測らせてあげれば」などと言われて渋々応じると、「あれ?あれ?あれれ?お嬢さん、67センチありますよ!7センチもサバ読んでたんですか!」ということになって、女の子は「きゃー」「やだぁぁああ」と大騒ぎ、彼氏は苦笑い。
‥‥という、いささか悪趣味なものでした。

70センチオーバーの人もいた。健康的な感じではあったが、太いという印象はなかった。全部でやはり10人近くサイズを測られていた中で、自己申告のサイズが正しかった人は、確か1人か2人だったと記憶している。多くの人が、数センチから10数センチ、サバを読んでいた。女性のウエストは60センチを大きく超えたらダメ。できれば60センチアンダーが理想。これがいかに拘束力のある観念かを、目の当たりにするようだった。

*  *  *  *  *

ウエストが細ければ細いほど良かったのは、いつごろからか。デコルテを大きく開き、コルセットで胴体を絞り、パニエでスカートを膨らませるという超メリハリスタイルがヨーロッパのファッションに定着した、18世紀ロココあたりである。貴族の女性がちょっとしたことで失神したのは、そうした方がか弱そうに見えるという以外に、あまりにコルセットで胴をキツく締めているので、何かに驚いて息を大きく吸おうとした時に窒息してしまうからだとか。細いウエストを作るためには脇腹(わきばら)のあたりから既に細くなければならないというわけで、下の方の肋骨(ろっこつ)を外科手術で除去することもあった、というのを何かで読んだことがある。

コルセット全盛時代の19世紀、欧米の女性がいかに細いウエストを作ろうと苦心していたかは、映画『風と共に去りぬ』でも描かれている。パーティに出る前のスカーレットが、メイドにコルセットの装着を手伝ってもらっている場面。いい加減きつく締まっているのに、「もっときつく」というお嬢様の命令に、ぐいぐい力一杯ひもを引き締めるメイドさん。細いウエストは男性の庇護(ひご)欲を刺激する。ジェンダー規範とファッションがきれいに対応していた時代、お姫様だっこしてもらうのにも、細くか弱いウエストは必須(ひっす)だった。

20世紀の初めに、胸もウエストも強調しないフラットなスタイルによって、女性をコルセットから解放したのは、ココ・シャネルである。……と言われているが、実はその前に登場したポール・ポワレというデザイナー。彼のモード革命を更に過激に押し進め、モダニティを徹底しようとしたのがシャネルだ。第一次世界大戦時に、華美でない活動的な服装が推奨されたことも、ポワレ、シャネルの成功につながった。

長い間、ウエストは、バストとヒップという女性の体の中の脂肪の集中部分、“女性美”の象徴、つまりエロ・ポイントを目立たせるために、細く細く締めなければならなかった。ウエストは物理的に蹂躙(じゅうりん)されてきた。男の目を喜ばせるためにそんな苦しい思いをしなくてもいいの。女性自身が心地よくリラックスできることが一番大事なの。そういうことをデザインでも素材 *1 でもストレートに示したシャネルは、それまでの価値観をことごとく打ち壊していく「皆殺しの天使」とまで言われた。

*1:それまで労働者の下着にしか使われていなかったジャージーを、初めてモード史に登場させた。

しかし30年代、イタリアのエリザ・スキャパレリによって、ふたたびウエストを締めつけたデザインが復活。 *2 ボン、キュッ、ボンが全盛の40、50年代にはボディメイキングな下着が普及し、また女性は常にウエストの(見かけの)細さを気にせざるをえなくなった。50センチ代のウエストサイズが理想とされたのは、このごろの下着メーカーの陰謀ではないかとにらんでいる。

*2:“女性性”の強調というより、シュールレアリズムに影響を受けたアートに近かったが。

「ウエストが細い人」と言えば、「子鹿(こじか)のような」という形容詞がぴったりの往年の女優オードリー・ヘップバーンだろう。身長168センチで体重50キロを維持し、ウエストは55センチくらいだったらしいが、50センチを切っていたという説もあるようだ。ウエストを太めのベルトでキュッとマークしているスタイルが多いので、細い上にも一層細く感じる。

日本の往年の女優でひときわ細かった人は、浅丘ルリ子だ。『Wikipedia』によれば、身長156cm 体重35kgで、サイズ B79 / W53 / H75。何しろ軽過ぎて自動ドアが開かないという伝説まである人だから、ウエスト53センチでも不思議ではないが……。メジャーを持ち出して53センチの輪っかを作ってみた。尋常ではない細さである。私の頭周りのサイズとあまり変わらない。

*  *  *  *  *

ウエストを絞るスタイルが、流行の中心から外れて久しい。ローライズジーンズに腰ではくタイプのパンツ、ブラウスやワンピースはゆったりとウエストラインを隠すチュニックタイプが多いし、カットソーのニットなどもルーズなシルエットだ。一部ではベルトでウエストマークするメリハリの効いた80年代風のモードもあるが、全体としてはウエストを締めつけない傾向にある。

そんな中で、スマートということでは昔の女優さんにひけを取らない現代の女優、芸能人の方々のウエストサイズは、どうなっているのでしょう? と思って調べてみたら、ランジェリーのサイトの中にこんなページを発見した。

芸能人のスリーサイズ – 『陽気なイブたち』
http://www.lingerie-shop.biz/entertainer/3size.html

一覧表をご覧ください。
*********
安倍 なつみさん T152 B80 W54 H80
石田 ひかりさん T158 B82 W57 H85 (45kg)
石田 ゆり子さん T168 B83 W59 H85 (48kg)
伊東 美咲さん  T171 B83 W58 H87
上戸 彩さん  T162 B82 W58 H84
内山 理名さん  T157 B79 W56 H79
榎本 加奈子さん T157 B75 W56 H80
大塚 寧々さん   T156 B80 W53 H83 (41kg)
奥菜 恵さん  T155 B80 W59 H83
加藤 あいさん   T159 B76 W56 H80
管野 美穂さん  T160 B81 W56 H82 (42kg)
財前 直美さん  T165 B80 W58 H84 (48kg)
酒井 若菜さん  T158 B94 W60 H84
坂井 真紀さん  T160 B80 W56 H86
桜井 幸子さん  T157 B78 W57 H82 (42kg)
佐藤 藍子さん  T164 B80 W58 H83
さとう 珠緒さん  T156 B83 W57 H84 (43kg)
篠原 涼子さん  T162 B80 W60 H85
鈴木 あみさん  T158 B80 W55 H82 (44kg)
鈴木 杏樹さん  T161 B81 W57 H86 (43kg)
田中 麗奈さん  T158 B77 W56 H82
ともさか りえさん T168 B72 W56 H66
永作 博美さん  T156 B82 W58 H84 (42kg)
仲間 由紀恵さん T160 B78 W59 H80 (45kg)
中山 美穂さん  T158 B80 W58 H85 (45kg)
新山 千春さん  T165 B81 W58 H85 (46kg)
長谷川 京子さん T166 B80 W55 H82 (45kg)
浜崎 あゆみさん T156 B80 W53 H82
広末 涼子さん  T160 B77 W55 H81 (41kg)
深田 恭子さん  T163 B80 W63 H88
深津 絵里さん  T156 B83 W57 H83 (41kg)
辺見 えみりさん T166 B85 W58 H87 (49kg)
細川 直美さん T163 B83 W54 H83 (41kg)
細川 ふみえさん T163 B91 W58 H87
松下 由紀さん T163 B83 W58 H83 (49kg)
松嶋 奈々子さん T172 B84 W59 H88 (50kg)
松田 聖子さん  T159 B80 W57 H83 (40kg)
眞鍋 かをりさん T165 B84 W55 H88
持田 香織さん  T160 B78 W58 H80
矢田 亜希子さん T163 B83 W58 H83
山口 もえさん   T160 B82 W58 H83 (43kg)
優香さん  T157 B87 W59 H85 (47kg)
若槻 千夏さん  T160 B82 W58 H84
和久井 映見さん T158 B82 W57 H85 (45kg)
*********
芸能人のスリーサイズ – 『陽気なイブたち』より引用

おそらく数年前のデータで、公称だからサバ読みも混じっているだろうが、それにしても軒並み50センチ代である。深田恭子の“W63”が妙にリアルに思える。それだって身長から見たら十分細い。こういう人達が女性誌やファッション誌に登場して若い女性のロールモデルになっていたら、他人にウエストサイズをきかれた時に正直に「67センチ」とは、そりゃ言いにくくなるでしょうな。仕事上、常に超スマート体型を維持せねばならない人々は別だが、一般女性のウエストの平均値は、流行のファッションによって多少は左右されるのではないかと思う。

いきなり卑近な話になって申し訳ないが、私の母(73歳)は「20歳くらいのころは、ウエスト56センチしかなかった」と自慢げに語っていた。ウエストが細くくびれていないと、オードリーみたいな流行のスタイルが似合わないので、頑張って締めていたのだろう。そうやって常にウエストをキュッと絞るスタイルをしていると、どうなるか。ウエストの方でも「細くなきゃいけない」と思うようになって、他がやせているか太めかに関わらず自然にくびれてくるのである。

その証拠に、流行っているのをいいことにもうずっとノーウエストマークの服ばかり着ている私のウエストは、「なんで細くなきゃいけないの?」と言わんばかりのリラックス状態だ。いやむしろ「太いですがなにか?」という感じになりつつある。

執筆: この記事は今回は大野左紀子さんのブログ『Ohnoblog 2』からご寄稿いただきました。

文責: ガジェット通信

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