ホライモリの長寿が証明された
今回は神無久さんのブログ『サイエンスあれこれ』からご寄稿いただきました。
ホライモリの長寿が証明された
ホライモリ *1 は、現在ヨーロッパの限られた地域の洞くつにしか生息が確認されていない希少なイモリの一種で、国際自然保護連合(IUCN)策定のレッドリストでは絶滅危惧(きぐ)II種に分類され、EU生息地指令によって厳重に保護されているそうです。
*1 :ホライモリ『フリー百科事典ウィキペディア』より
http://ja.wikipedia.org/wiki/ホライモリ
そのためか、これまでその寿命が80年とも100年とも言われてきましたが、だれも確かめた人はいませんでした。しかし、今回、『Biology Letters』の7月21日付けオンライン速報版に掲載された論文 *2 によって初めて明らかになったところによると、最大寿命で100歳以上、平均寿命は68.5歳にもなるそうです。
*2 :「Extreme lifespan of the human fish (Proteus anguinus): a challenge for ageing mechanisms」 7月21日 『Biology Letters』
http://rsbl.royalsocietypublishing.org/content/early/2010/07/20/rsbl.2010.0539.abstract
通常脊椎(せきつい)動物では、天敵の有無、体の大きさ、基礎代謝率、抗酸化能などが寿命と関連していると考えられてきましたが、ホライモリの場合、その体重(15−20g)から想定される寿命の3倍も長生きなのだそうです。平均15.6歳で性成熟し、およそ12年半ごとに平均35個の卵を産むというホライモリは、不思議なことに基礎代謝率も抗酸化能も特に際立ったところはなく、どうしてそれほど長生きなのかの理由は不明だそうです。そこには、もしかしたらこれまで知られていなかった、新しい長寿のしくみが隠されているのかもしれないと期待されています。
執筆: この記事は神無久さんのブログ『サイエンスあれこれ』からご寄稿いただきました。
文責: ガジェット通信
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