二日酔いに「カキ貝成分」?脳を守ると判明
忘年会のシーズン入り。連日、酒を飲まなければならない人も多いはず。頭がぼおっとして、思考の能力が落ちた気がする。ついつい引かれるが心配になる。
飲み好きに嬉しい話
脳みそにも何か悪いことがあるはず。どうやら実際そういう悪い影響はあるようなのだが、ある食べ物に含まれる成分の仲間が薬のように効くようだ。
飲み好きには、ちょっと嬉しい話があった。
イタリアのフィレンツェ大学を中心とした研究グループが、ジャーナル・オブ・アルコホリズム・アンド・ドラッグ・ディペンデンス誌で2014年2月に報告したものだ。
大量飲酒で脳の神経は脱落
脳がとりわけ成長する若いころをはじめ、大量の飲酒が脳や神経にダメージを及ぼすともともと考えられている。
記憶能力や判断力をはじめ、脳の力を落としてしまう可能性はあると見られていた。
そこで研究グループは、まずラットを大量飲酒させる実験を行っている。3週間後にわたって脳の状態を検証した。
すると、脳の中でも記憶に関係する「海馬」と呼ばれる部分をはじめ、脳や神経への影響が確認できた。神経細胞が脱落している兆候があるというものでなかなか見過ごせない悪影響と言えるものだ。
「タウリン」の仲間
さらに、研究グループが確かめたのは、この悪影響を防ぐ方法。
そこで取り出したのが、脳に対して、もともと炎症を抑える作用があると分かっている「エタン・ベータ・スルタム」。エタン・ベータ・スルタムは、カキ、タコ、イカに含まれる「タウリン」の仲間として知られている。タウリンは、栄養ドリンクの成分として日本では有名だ。
大量飲酒ラットに、この成分を与えたところ、脳と全身のいずれの神経細胞でも炎症を抑える効果を確認。神経細胞の脱落を防ぐ効果につながっていた。
いわば二日酔いのラットに対して迷路を歩かせる実験をしたところ、作業を記憶する能力も改善すると認められた。正気にする効果があるようだ。
オイスターバーに直接関係はないが…
カキ、イカ、タコはお酒にも合うからと、直接この研究には関係あるかは分からないが、ちょっといい結果だ。オイスターバーにでも行きたくなる。
もっともエタン・ベータ・スルタムが人間でも有効で、使えるとなればさらに朗報といええるのだろう。
文献情報
Stefanini C et al. Ethane-β-Sultam Modifies the Activation of the Innate Immune System Induced by Intermittent Ethanol Administration in Female Adolescent Rats. Alcoholoism and Drug Dependence. February 20, 2014.
http://esciencecentral.org/journals/
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