純福岡産ドラマ『めんたいぴりり』が世界進出した理由とは? 

純福岡産ドラマ『めんたいぴりり』が世界進出した理由とは? 

 福岡生まれの連続ドラマ『めんたいぴりり』をご存知でしょうか。放映されたのは昨年の8月。博多名物・辛子明太子の老舗「ふくや」創業者をモデルに、テレビ西日本(TNC)の開局55周年を記念して製作された作品です。ローカル局制作ドラマにもかかわらず、クオリティの高さが評判を呼び、優秀番組に贈られる第30回ATP賞&第51回ギャラクシー賞で奨励賞も受賞。最高視聴率は8.8%を記録するなど、ヒット作となりました。

 ドラマで描かれたのは、福岡市博多区で食料品店”ふくのや”を営む主人公一家と従業員達の人間模様。徹底して「福岡産」にこだわり、主人公夫妻役には、地元福岡県生まれの博多華丸さん、富田靖子さんをキャスティング。セリフはオール博多弁で、ドラマには地元の伝統行事、博多祇園山笠や中洲の街並みも登場し、福岡県民を喜ばせました。来年2015年には、地元・博多座で舞台版が上演されることも決定しています。

 本作が初監督作品である江口カンさんは、福岡市に拠点を置く空気株式会社(KOO-KI)設立者の1人。KOO-KIは、東京オリンピック招致VTR『Tomorrow begins ~未来(あした)がはじまる~』を製作し、一躍有名になった会社です。『Tomorrow begins ~』には、江口さんもクリエイティブ・ディレクターとして参加、福岡という地方都市にいながらにして、国際的にも高い評価を得ています。

 フジテレビをはじめ他局17局でも放映され、またアジア2カ国でも放映されるなど、福岡発ドラマとしては異例の世界進出を果たした『めんたいぴりり』。江口監督のビジネスパートナーで、KOO-KIの木綿達史(もめん たつし)現社長は、あるインタビューで「”ド”ローカルでも普遍的な面白さ・グっとくる所さえつかめれば、広告にしろ、オリジナルコンテンツにしろ、世界へも通用するのではないかと感じています」(#FUKUOKAより)と語っています。

 さて、そんな世界に羽ばたいた『めんたいぴりり』。その原作となったのが、本書『明太子をつくった男』です。著者は「ふくや」創業者の川原俊夫さんの次男、川原健さん。

 本書によれば、俊夫さんは、日本で初めて辛子明太子を製造しながらも、あえて製法特許を取得しませんでした。そのおかげで明太子製造業者が続々と生まれ、業界全体の裾野が広がり、明太子は今や福岡を代表する名産として、全国区で知られることとなったのだとか。創業者のスピリッツが余すところなく描かれた本書は、ドラマ未見の方でも楽しめる一冊となっています。

【関連リンク】
#(ハッシュ)FUKUOKA
KOO-KI 代表取締役 木綿達史さんに聞く
http://hash.city.fukuoka.lg.jp/news/archives/19

■関連記事

目指したのはディズニー? 性のテーマパーク"秘宝館"のルーツとは
エレキコミックがメルマガと完全連動したツアーを実施! 地方会場限定の映像も公開予定
恋愛中の蒼井優さんには、ネガティブ思考の「リトル蒼井」が現れる?

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. 純福岡産ドラマ『めんたいぴりり』が世界進出した理由とは? 

BOOKSTAND

「ブックスタンド ニュース」は、旬の出版ニュースから世の中を読み解きます。

ウェブサイト: http://bookstand.webdoku.jp/news/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。