『記憶探偵と鍵のかかった少女』アナ役タイッサ・ファーミガ 「観客と一緒に混乱しないようにするのが大変だった」

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2014年9月27日に新宿ピカデリーなどで劇場公開となる『記憶探偵と鍵のかかった少女』。マーク・ストロング演じる記憶探偵・ジョンがある日依頼を受けてその記憶を探る16歳の少女・アナ役に抜擢されたタイッサ・ファーミガは1994年8月17日生まれの20歳。『マイレージ、マイライフ』(2009年)でアカデミー助演女優賞にノミネートされたヴェラ・ファーミガの21歳違いの妹で、ヴェラがはじめて監督を務めた『ハイヤー・グラウンド』(2011)に出演。その後、ソフィア・コッポラ監督『ブリングリング』(2013年)での演技がホルヘ・ドラド監督に注目され、今回の起用につながりました。

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「台本を読み始めてすぐに彼女を大好きになってしまったわ。それは非常に深みがある役だから」というタイッサ。「最初に読んだときは表面的にしか読めなかったのだけれど、最終的には彼女が持つ秘密を理解し、役を深く掘り下げることが出来た」と自信を示しています。
ジョンが見るアナの記憶の中では、実父の事故死、母親によってつけられた掌の傷、教師による性的虐待、ルームメイトの殺人未遂事件と、スキャンダラスで虚実が不確かなイメージが展開されます。
タイッサはこれについて「記憶の中の記憶、といったようにいくつもの層を何回も演じなくてはいけなかった。観客と一緒に混乱しないようにするのが大変だった」と演じる上での難しさを告白しますが、「監督はまず、私に精神疾患についての本を読むように提案してくれたわ。劇中のアナは社会病質者なのか、それとも後天的にトラウマを負ったのかを理解しなくてはならなかったので。その後、実際にスペイン・バルセロナで監督とあって、話を実際にすることで、監督の頭にあるアイデアを共有できた。シーンごと、日ごとにフォローしてくれたのでとても助かった」とドラド監督と二人三脚で難役に挑んだ様子。
スペインで行われた撮影についても、「とても緊張していたのだけれど、とても楽しかったわ。外国に自分が行くのだから、本来は私がスペイン語を勉強しなくてはならないのに、それが出来ていなくて……でもスペインのスタッフは、英語ができない人も含めてすごく気を使ってくれた」と感謝しています。

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「この映画は自由を描いた映画だ」というドラド監督に「そのとおりだと思うわ」と同意するタイッサ。「自由はアナが世界で最も欲しているもの。彼女は両親によって自由を奪われている。彼らは彼女のことが理解できないから。そこでどうやって自由が手に入るのか彼女は悩み、ジョンを必要とする」と語っています。
ジョン役のマーク・ストロングについても「特に複雑な物語だから、私も緊張はしたけど、実際にマークに会って不安はなくなったわ。私の姉が前にマークと一緒に仕事をしていたからいい評判を聞いてはいたけれど」と語っており、ふたりの関係や距離感にも注目して観賞してみたいところ。いずれにしても、妖艶で独特の存在感のあるタイッサの魅力に随所で引き込まれることになるのは間違いないのではないでしょうか。

『記憶探偵と鍵のかかった少女』

9月27日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー

監督:ホルヘ・ドラド
出演:マーク・ストロング、タイッサ・ファーミガ、ブライアン・コックス
配給:アスミック・エース
2013年/アメリカ/スコープサイズ/上映時間:99分/カラー

映画『記憶探偵と鍵のかかった少女』オフィシャルサイト
http://kiokutantei.asmik-ace.co.jp/

Stills photographs by Quim Vives – Copyright (c) 2013 OMBRA FILMS, S.L. – ANTENA 3 FILMS, S.L.U. – MINDSCAPE PRODUCTIONS, S.L. – THE SAFRAN COMPANY – OMBRA FILMS, LLC.

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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