なぜ、奇抜なアイデアは「シャワーを浴びている時」に思いつく?
もし、あなたがアイデアや企画を商売にしている仕事だったら、「何の前触れもなく、奇抜なアイデアが思い浮かんだ瞬間」を経験したことがあるでしょう。シャワーを浴びている時や電車に乗っている時、または、庭で草いじりなどをしている時など、自身がうんうんとアイデアをひねり出している時には出てこないものが、突如やってくる瞬間です。
SNS予約投稿ツール「Buffer(バッファ)」の共同創設者Leo Widrich(レオ・ヴィードリッヒ)氏はブログ上で、素晴らしいアイデアが出てくるには、ある共通した状況があると持論を展開しています。
それらは、「脳内物質であるドーパミンが大量に分泌された時」「リラックスしている時」「ぼんやりしている時」の三つ。ドーパミンは、運動していたり音楽を聴いていると分泌されるもの。また、リラックスしていると、人は自分の内面に目を向けやすくなると言います。さらに、ぼんやりしている時は、脳が休憩しているため、問題や課題に対して潜在意識が働き、よりクリエイティブに対処できるとのこと。
つまり、大切なのは、ドーパミンが出ていて、リラックスしていて、ぼんやりしている状態。そういう意味では、シャワー中や電車乗車中、庭いじり中がアイデア創出に向いていることに納得がいきます。
また、書籍『素直に生きる100の講義』の著者である森博嗣氏は、同書のなかで、「書斎で考える。でも、思いつくのは庭」と、自身の体験を語っています。
森氏は某国立大学工学部助教授として勤務するかたわら作家としても活躍。普段から考えることの多い仕事に携わってきました。そんな彼は、今でも書斎で考える時間が一番長いといいます。時には何十時間も考えることも。しかし、決まって思いつくのは、”その場”ではないのです。
「だからといって、庭を歩いてばかりいたり、電車に乗ってばかりいても思いつくようなことはない。リラックスしているときに良い発想があるのは確かだけれど、リラックスしっぱなしでは、なにも湧いてこない。それは経験的にわかっている。つまり、そのまえに書斎や研究室で『さぁ、考えるぞ』と集中し、うんうん唸ってあれでもないこれでもない、と思いを巡らせたから、そのあと、違うことをしているときに、突然答がやってくるのだ」(書籍『素直に生きる100の講義』より)
大切なのは地道な努力だということ。「何の前触れもなく、奇抜なアイデアが思い浮かんだ瞬間」は、それまでのあなたの努力が結実した瞬間だと言えるのです。
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