喘息の吸入器使用を自動記録するデバイス、発作予防にも一役
大気汚染などを背景に、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患う人は、世界的に増加傾向にあるのだという。
喘息とCOPDに共通するのが、呼吸が苦しくなるという症状。これは気管支などで炎症が起こるためで、そうした症状を緩和するため患者は吸入器を使用することになる。
そうした患者にとって、症状をコントロールするためにいつ、どこで発作が起きて吸入器を使ったのかということを記録する必要があるが、これを面倒だと思う人は多い。
そこで、米国・ウィスコンシンに拠点を置くスタートアップ「Propeller Health」が開発を手掛けているのが、吸入器の使用を自動記録するデバイスとアプリのセット。発作や吸入の履歴をデータ化することで、薬の服用管理や発作の予防に役立てることができるというもので、すでに米国食品医薬品局の認可を取得済みだ。
使用する吸入器の上部にデバイスを取り付けると、吸入器の使用をセンサーがキャッチし、Bluetoothで端末に自動送信する仕組みになっている。症状を抑えるために普段から服用する薬と、発作が起きたときにすぐさま気管支を拡張するために服用する薬のどちらもトラッキング可能だ。
アプリではそうしたデータが保存されるだけではなく、どの時間帯・地域で発作が起きやすいかなどを分析してマップやグラフで表示する。またこのデバイスを使用する人の発作情報がデータベース化され、公衆衛生学的な分析が加わる。
その分析で“発作多発地帯”が明らかになり、そうしたエリアに近づかないようにするなどして患者は自衛できるというわけだ。また、発作のデータを医師と共有することができるので、より効果的な治療につなげられるのもメリットだろう。
Propeller Health社はこのほど1450万ドルを調達し、商品化に向け最終段階に入った。患者の薬服用の管理や症状緩和に役立つことはもちろん、原因特定にもつながることが期待される。
ウェブサイト: https://techable.jp/
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