“婚活のプロ”が語る 婚活で失敗しやすい人の特徴とは?
結婚活動、略して婚活。社会学者の山田昌弘さんが考案、提唱した造語で、呼んで字のごとく、結婚するための自発的な行動を指します。数年前まで、婚活という言葉の醸す、結婚へのあくなき願望、積極的スタンスに「ちょっとかっこ悪いよね」「ガツガツしていて、なんかイヤ」という意識の人も少なからずいましたが、今では婚活も”定番化”。20代半ば以降のいわゆる適齢期の方々の中には、日常会話で婚活が頻出ワードになっている方もいるのではないでしょうか。
そして、いまや婚活は、我が国の重要な政策課題のひとつ。昨年11月には、衆議院議員の小池百合子氏が会長となって「婚活・街コン推進議員連盟」が設立され、全国各地で開催されている婚活に関わる取り組みを支援しています。
その一方、婚活に疲れきっている方も少なくないようです。
本書『婚活難民』は、婚活をしている12人の女性の姿を描いたドキュメント本。フリーランスライターのにらさわあきこさんが、自らの理想を諦めずに婚活を続ける人や、なかなか成果を上げらず、その活動自体に疲れてしまう”婚活難民”の実像に迫ります。
婚活の厳しい一面が垣間見られる本書。はたして、婚活はホントにそれほどしんどいものなのでしょうか?
最新の婚活事情について、婚活支援サービス大手・株式会社パートナーエージェント、伊東祐輔取締役CMOにお話を伺いました。
「婚活が厳しいものになるかどうかは、その方次第のところはあります。ただ、青臭いことを言うようですが、前向きに活動を頑張っている方は成婚率が高い傾向にあります。婚活を必要と思っていない若い方々にひとつだけ知っていただきたいことがあります。みなさまの中には、『結婚はいつかするもの。そのうちできるもので今じゃない』と考えておられる方は多いのかもしれません。そのお考えも十分理解できるのですが、現実だけを見ると、そう考えている方の多くが、婚期を逃しているようです」
2010年の国勢調査によると、25歳から34歳の男性の結婚率は6.6%、同じく女性は11.3%。上記世代の男女ともに9割前後は結婚していないことになりますが、その中でも「したくても、できない」人より「(いつかはするつもりだけど)今、したいとは思わない」人の方が多く、また、そういう人が実際に婚期を逃しているのだそうです。
一方、婚活をする人の中には、いい出会いがないと嘆く人も多くいます。それに対して、伊東さんはこう言います。
「たしかに『出会いがない』という言葉は、私もよく耳にしますが、出会いがないなんてことはあまりないと思います。実際には出会っているのに、出会っていることに気付いていなかったり、”次のコミュニケーション”に発展させる努力をしていないことが多いのではないでしょうか。”次のコミュニケーション”とは恋愛に発展する、次の一歩のことです。これを踏み出せるか否かは、婚活を成功させる上で非常に大きいと思います」
日本の結婚率は下がる一方ですが、同社のサービス登録者の成婚率は上昇しているとか。なお、同社は「結婚できない人をゼロに」というキャッチフレーズを掲げています。その真意は「結婚したくても、できない人をゼロにしたい」ということのようですが、それにしても強気です。
では、”婚活のプロ”から見て、結婚できる人とできない人の違いはどこにあるのでしょうか。
「あまりに”条件”に固執してしまうと結婚相手は見つかりません。ビジネスウーマンなどによく見られる傾向ですが、相手の年収や学歴などにこわだりすぎるケースですね。もちろん条件は大事ですが、あくまでそれはデータ上の話。大事なのは、二人の相性です。条件を高く設定しすぎて、本当に相性のあう相手をふるいにかけてしまっては、良いご縁を逃がしてしまいます」(伊東さん)
ちなみに、前出の国勢調査では50歳時点で一度も結婚したことがない「生涯未婚率」について男性20.1%、女性10.6%と報告しています。また厚生労働省は、2030年には、生涯未婚率は男性3割以上、女性2割以上になると予想しています。つまり現在、30代半ば以上の男女は、男性で3人に一人、女性で5人に一人以上は、生涯で一度も結婚できない可能性があるのです(もちろん50歳を越えて初婚を迎える方もいるでしょうが、あくまで少数のはず)。
国や行政が婚活支援に乗り出した今、大きく婚活事情は変わろうとしています。「今じゃない」と静観しているうちに婚期を逃してしまったら……未婚のみなさん、婚活をするなら早めの方がいいかもしれませんよ。
【取材協力】
パートナーエージェント
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