次世代の電池登場!布地に織り込めるバッテリー繊維でウェアラブルが変わる?!

CNT

次々と新しいウェアラブルデバイスが登場しているが、便利なこれらのツールを使うときに、どうしても気になるのが電池の問題。上海の復旦大学のWei Wang氏の研究チームでは、綿生地に織り込むバッテリー技術の開発に取り組んでいるという。

研究チームでは、カーボン・ナノチューブ(CNT) を綿繊維に巻きつけた合成糸から成る、特殊なリチウムイオンバッテリー繊維を作り出した。繊維の直径は約1ミリメートルで、簡単に生地や布地に織り込むことが可能。

リチウムイオンバッテリー繊維を構成する、カーボン・ナノチューブの合成物とシリコンの糸の電極は、“シリコンの熱膨張”現象に対処するために導入。蓄電と放電のプロセスの際、シリコンの体積が変化するが、カーボン・ナノチューブが緩衝材の役割を果たしてくれる。おかげでバッテリーの構造自体にダメージがないようになっているのだ。

CNT2

チームでは、カーボン・ナノチューブとリチウムマンガナイトを使って、陰極を作成する試みにも取り組んでいる。電解質のジェルで隔てられた陽極、陰極の糸は、綿繊維に織り込んでバッテリーを形成する。リチウムイオンバッテリー繊維は、およそ1センチメートルあたり0.75ミリワット時のエネルギー密度で、容量維持率は100サイクルの使用後87%となり、なかなかの電気化学特性を誇る。今後、より大きいスケールの製品にも対応できるように、さらなる電池のパフォーマンス向上を目指す意向だ。

何せ布地に織り込めてしまうのだから、カーペットのような生地もの、着用するタイプのウェアラブルデバイス、あるいは自動車の座席に用いるなど、幅広い用途のフレキシブルな製品開発へとつなげられるだろう。持ち運びが面倒でかさばる外付け電源は、もはや必要なくなる日が来るかもしれない。

復旦大学 fiber lithium ion battery

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