菌活?! 月島もんじゃにきのこがおいしく繁殖中!
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もんじゃ焼きで有名な月島では今、“菌活”がまっさかり。“菌活”というのは、きのこなどの「体に有益な菌類を食べていきましょう!」というムーブメント。
今回は『菌活』が実際にどんな状況なのか、実際に月島のお店に出向いてレポートしてみたいと思います。ちなみに「菌」って漢字、実は「きのこ」って読めるそうです。知ってました?
“ひめぜん”~企業秘密のダシは味わい濃厚、食べ応えバツグン
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表通りから少しだけ脇に入った場所にある“ひめぜん”は4月オープンのニューフェイス。
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1階は南国すら感じさせるスッキリとした雰囲気なのに対し、2階は和室の落ち着いた内装です。ビールはもちろん、ワインやシャンパンまで取りそろえているのは、食事としての幅広さをうかがわせます。
まずこちらで戴いたのはこちらの2品。
『きのことやまいもトロトロ菌活鍋』(1620円)
『マイタケの里』(1100円)
“菌活”を手軽に楽しめる、今年注目の食べ方である“菌活鍋”と、“菌活もんじゃ”が食べられるお店です。
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『きのことやまいもトロトロ菌活鍋』の具材は鶏肉やネギ、ニンジンそしてたっぷりのブナシメジとマイタケ、エリンギです。和食の旨味がしっかり取られたダシと塩麹が味の決め手。
山芋はひとまずさておき、ホイルをかけてお鍋が煮えるのを待ちます。
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その間に、もんじゃ『マイタケの里』を調理です!
『マイタケの里』はその名の通り、たっぷりのマイタケに、キャベツ、かつお節、切りイカ、桜えび、そして大粒の梅干し。これらが手際よくミキシングされたかと思うや、あっという間に広がったのはもんじゃの海。
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適度に降られた青のりと一緒に口に運ぶと、しっかりとした下味の上でそれぞれの素材が際立つ絶妙なバランス。海の幸、山の幸それぞれが混じりあったかと思うと、梅干しの酸味で爽やかに収束。なるほど、いろいろな種類のお酒と合うというのもうなずける上品さです。
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もんじゃでマイタケの美味しさを味わっている間に、『トロトロ菌活鍋』はグツグツと準備完了。ダシと塩麹だけでも十分美味しいはずですが、とどめは新鮮な山芋。上からドバッ! とかけちゃいます。
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山の美味しさが一堂に会した最高の組み合わせ、ゆず胡椒と一緒に戴けば……至福。きのこ、鶏肉の旨味と食感がトロリとした山芋やダシと絡み合いながら口いっぱいに広がります。
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今回調理を担当してくれた藤元重臣さんは、月島の有名店“おしお”で修業を重ねた31歳のイケメン店主。「寿司、天ぷらのように、“東京を代表する食べ物”としてもんじゃをアピールしたい」と語ってくれました。
“竹の子”~リピート率の高さはお客本位の考え方と先取りしたメニュー
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軒を連ねるもんじゃのお店から少し外れ、さらに路地裏に入ったところにある“竹の子”。周りは民家に囲まれた落ち着いた立地。
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15年前からやっているというこちらのお店、店内の壁には隙間がないほどのサイン色紙!! 松本人志さんや千原ジュニアさん、ロンブー淳さん・亮さんなど、とりわけ芸人さんのサインが多い多い。
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実はこちらのお店は“ジャングルポケット”の武山浩三さんのご実家(お母さん)が経営されているのです。
「やっぱり、よしもとの芸人さんに多く使っていただいているというのはありますね。あと、お客様はリピーターの方が非常に多いです。立地がこんな感じなので一見さんはどうしても少ないですね(笑)」と語るのは、オーナーの武山トシ子さん。
最近では珍しくなくなった『麻婆豆腐もんじゃ』や『ホワイトソース』といったもんじゃレシピですが、“竹の子”では15年前の開店当初からメニューに名前を並べていたのだとか。
そんな“竹の子”で戴いた“菌活もんじゃ”はこちら。
きのこグラタンもんじゃ(1200円)
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こちらの具材は、ブナシメジ、エリンギ、ブナピーといったきのこ類、そしてキャベツに切りイカ、天かす、ホワイトソース、バター、コーン、ベーコン、玉ねぎ、ピーマン、桜えび、むきエビと色とりどりがてんこ盛り。この上にチーズが乗ってくると、見た目はもんじゃというよりまるで洋風の料理。でもコレも15年の歴史とともに育まれたれっきとしたもんじゃなのです。
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トシ子ママが作ってくれるもんじゃは、具をほとんど刻みません。「うちとか古いお店はあまり具は刻まないのよ」と。
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手際よく作られた『きのこグラタンもんじゃ』、そのお味は……ほどよく形が残った素材と絡むのは、和風だしのベースとホワイトソース。
チーズとホワイトソース、と聞くとまるでその味に染まってしまうのではないかと思うのですが全くそんなことはありません。ベースの旨味が全く負けてないので、もんじゃとしての美味しさのあとにホワイトソースの風味が乗っているイメージ。実はチーズも“菌活”食材なので、この組み合わせで菌活度がアップしてしまうのです。
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素材感が強いので、きのこやベーコン、キャベツなどそれぞれの味を楽しんでいるうちにペロリとなくなってしまいます。
食べ始めは薄味でも、コゲが入ってきてから味が濃くなることを想定して味付けされているだけあって、食べ応えもバツグンでした。
“近どう本店”~昭和25年創業の味を守り続ける老舗
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創業から64年を数えるというこちらのお店は“近どう本店”。駄菓子屋として昭和25年にスタートし、現在では3号店を構えるまでに大きくなっています。
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しかし、ここまで成長したのも「創業当時からの味を守り続けている」からこそ。歴史あるお店ですが店内はモダンな作りで、若い女性が一人でもんじゃを楽しむ姿も見られたのが印象的でした。
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店長の近藤ひさしさんによれば「昔からのお客さんも多い中、若い女性にもいらしていただいています」とのこと。
そんな“近どう本店”で戴いた“菌活もんじゃ”はこちら。
3種のきのこもんじゃ(900円)
しめじキムチ納豆もんじゃ(1250円)
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まずは「エリンギマイタケブナシメジ~♪」と歌いだしたくなる位、きのこてんこ盛りの『3種のきのこもんじゃ』から。きのこのほかにはキャベツ、切りイカ、桜えびと定番具材のほかに生麺が加わってますね。
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“近どう”でも、焼く際に具材はあまり刻まないそうです。さらりとしたもんじゃのベースが流し込まれると、周囲にソースの香りが立ち上ります。見た目はサラサラしているこちらのもんじゃ、早速いただいてみると……きのこ感がとっても強い。ベースの味があっさりしている分、それぞれの素材の風味がしっかりと感じられます。
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料理長の道下さんによれば、「きのこにふくまれるグルタミン酸の相乗効果を狙った組み合わせ」だそうです。「前年よりも盛りを良くして値下げしたので、きのこ好きの方は是非召し上がってください」とのことです。
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そしてもう一方の『しめじキムチ納豆もんじゃ』、こちらはなかなかインパクトある組み合わせですが、きのこの菌、納豆の納豆菌、キムチの乳酸菌と3種類の菌の効果で、おいしさはもちろん体を癒やす効果も狙っているそうなのです。
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キムチの酸味と納豆の香り、そしてきのこの旨味が見事に調和して「美味しい! けどなんだこれは?!」状態。キュッとしたキムチのアクセントとコリコリしたきのこ、そして納豆の旨味。あっさりベースのもんじゃだけに、これまたペロリといただける軽快さがありました。しかも、3種類の菌を摂取できるので得した気分。
月島の“菌活”は美味しかった
なんだかんだで3店舗5品を連続していただいた今回のレビュー、最後の最後まで勢いが止まりませんでした。
今回紹介した店以外でも、50店舗以上で“菌活”メニューが用意されているそうです。どのお店も特徴があるので、お店めぐりもかなり捗りそう。この機会に月島で“菌活”をおいしく楽しんでみてはいかがでしょうか。
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■店舗情報
ひめぜん
東京都中央区月島3-7-1
03-6228-2139
竹の子
東京都中央区月島3-28-12
03-3533-4711
近どう本店
東京都中央区月島3-12-10
03-3533-4555
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