HIPHOPの王様・KREVA主催「908 FES」参戦記! KICKにライムス、久保田利伸が夢の競演

HIPHOPの王様・KREVA主催「908 FES」参戦記! KICKにライムス、久保田利伸が夢の競演

「908 FESTIVAL 2014」KREVA~完全1人武道館~
2014年9月7日(日)と9月8日(月)。東京・千代田区に位置するライブの聖地・日本武道館でソロ活動10周年を迎えたラッパーのKREVAさんが主催する音楽イベント「908 FESTIVAL 2014」が開催されました。

2012年から、毎年クレバの日である9月8日に開催していた「908 FESTIVAL」も今回で3度目。今年は、舞台をさいたまスーパーアリーナから日本武道館へと移し、2DAYSでの開催となりました。

初日となる9月7日(日)は「KREVA~完全1人武道館~」と題し、ラップはもちろんのこと、DJやビート、マニュピレーターなど、KREVAさんがたった1人であらゆる機材を使いこなしてライブ。7年前の2007年にも行われた「完全1人武道館」を超える、圧巻過ぎる時間を繰り広げました。

そして2日目となる9月8日(月)。

この日は初日とは打って変わり、鈴木雅之さんや久保田利伸さんといった大物ミュージシャンに、KREVAさんの盟友・三浦大知さん、武道館のステージは初となるAKLOさん、今年11年ぶりに「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」への出演が発表され大反響を呼んだKICK THE CAN CREW、言わずもがなヒップホップシーンのキングオブステージ・RHYMESTERが出演。

時にKREVAさん自身がMCや小芝居でアーティストとアーティストをつなぐ。一般的な音楽フェスとはまた違う、最初から最後まで1つの連続したエンターテインメントショーのように構成された圧巻の2日目。

今回はそんな2日間で起きた、KREVAさんが贈る「908 FESTIVAL 2014」の模様をお伝えしていきます!

コスレ俺、ビート俺、ラップ俺、全部俺!!!

普段のライブであれば、開演するまでステージに姿を現さないのが一般的ですが、この日はKREVAさんが1人でDJもするという特別な日であることからか、開演前からステージの端にあるDJブースにDJ 908の姿が。

Perfumeの「ポイント」やROMANCREWの「都会陸上」などが流れ、後半はSALUさんの「ムーンチャイルド」、Mai Hoshimuraさんの「Plastic Love」、土岐麻子さんの「シーズン・イン・ザ・サン」、槇原敬之さんの「遠く遠く」など、歌詞に「時間(時)がくれば」というフレーズのある楽曲を立て続けに流していきます。

DJを終えると、スクリーンに「希望の炎」や「音色」、「ひとりじゃないのよ」など、当時のPVとライブ映像を合わせながら、これまでの活動が次々と年代順に映し出されます。

そして黒いマントに身を包んだKREVAさんの「Lets go!」の合図と共に鳴り響いたのは「基準」。無数の白いレーザーが張り巡る中、オーディエンスは「オイッ! オイッ!」とビートに合わせながら声を出し、会場がドシンドシンと揺れます。

初日のKREVAさんは、「1人武道館」と謳っているように、2台のターンテーブルにDJミキサー、ドラムマシーンやコントローラー、シンセサイザーといった様々な楽器に囲まれていました。

ライミング、ビート、機材のおもしろさを伝える

908 FESTIVAL 2014

25分間にも及ぶノンストップメドレーでは、「成功」からはじまり、「俺は Do It Like This」、「OH YEAH」、「I REP」、「調理場」、ライブ初披露となった「世界の中心」、「かも」、「スタート」、そして再び「成功」のアウトロ部分へと戻ってくるという、ラップをしながらスクラッチをしながら曲と曲をきれいにつなげるという神業で、オーディエンスを魅了。

その間に流れている映像もまた圧巻で、たとえば「スタート」の時、当時のPVを彷彿とさせるような白黒になっていたりと、ソロデビュー10周年を忘れさせない演出が盛り込まれていました。

「You are the No.1(Hey DJ) feat.Bonnie PINK」を題材としたライミング講座では、後半で47都道府県すべてで韻を踏んでいる新曲「47都道府県ラップ」を披露し、韻を踏むことの楽しさを伝えていきます。

その後は、「BESHI」と「くればいいのに」や、「全速力」と「Space Dancer」を混ぜ合わせた、いわゆるマッシュアップ

セミアコースティックの部屋と題された、ステージ端に用意されたスペースでは、「世の中のビートはすごく細かいこだわりでつくられているというのを感じてもらえたら」と、ループマシンに自身の声やカホン、タンバリン、指パッチンなどをリアルタイムで録音し、その場でビートをつくりあげ、「瞬間Speechless」を披露。

また「OASYS」という、KREVAさんがリリースしたミニアルバムのタイトルにもなっているシンセサイザーを使ってつくられた「EGAO」では、「OASYS」を生演奏しながら“楽器が弾けなくてもここまでできる”と言わんばかりに、感動的なメロディを武道館に響かせます。

後半の「ライミング講座」、「瞬間Speechless」、「EGAO」では、ライミングやビート、機材のおもしろさや魅力を、ヒップホップに馴染みのない人にも伝わるように、1つ1つ丁寧に構成されているのが感じられました。

ラストパートは「そろそろ外出したくて、さっきから俺はソワソワしてる」と、「イッサイガッサイ」の歌詞の一部を替え、押すと音が鳴るパッドをベルトに着用し、楽器に囲まれていたブースから、ついにステージ前へ。

「イッサイガッサイ」、「Have a nice day!」、「C’mon, Let’s go」、「Na Na Na」と立て続けに披露。ラストは、10年前の次の日、9月8日にリリースしたメジャーデビュー曲「音色」を、どの楽器にも替えられないファンの声援=音色と一緒に歌い上げます。

最高のパーティー「908 FES」2日目開 幕

908 FESTIVAL 2014

4時間にもわたる圧巻の「1人武道館」を終えた翌日、クレバの日である9月8日に迎えたのは、超豪華ゲストが出演する、最高すぎるお祭りのような1日。

ステージ中央の段上にKREVAさんが登場すると、「トランキライザー」からスタート!

「908 FESTIVAL」最終日、それも周りはバンドセットで固められていて、いつもより音もゴージャスなせいなのか、いつまでも歓声が鳴り止まない中、続いて鳴りだしたのは「全速力」のイントロ。

後ろの段上に三浦大知さんが登場すると、悲鳴にも似た半端じゃない歓声が上がります。同時に会場も揺れだし、いよいよお祭り感が漂ってきました。タイトルが示す通り、互いに楽しそうに左から右へと全速力でステージを駆け巡ります。

そのまま「908FES 2014 トップバッターは三浦大知!」とKREVAさんが紹介し、三浦大知さんのステージがスタート。流れているのは「Right Now」。「大知ー!」という声援があちこちから飛び交う中、「三浦大知です、よろしくお願いします!」と勢いよく歌っていきます。

マイクを下に構えアカペラからはじまった「Anchor」では、それまでの声援が静まり、静寂に包まれた時間に。歓声が鳴り止まぬ中、続いて紹介されたのはAKLOさん。

「CHASE」からはじまり、「RED PILL」、コミカルなノリで人気の「NEW DAYS MOVE」と3曲連続でメドレー形式で届けます。MCでの小芝居から続いた「Catch Me If You Can」では、サビになると勢いよくKREVAさんが登場。

俺んとこにもキャサリンんが来るかもな 誰や誰やって俺や俺、Dr.K」と、高らかに言い放つと、キレッキレのラップを武道館にぶつけます。

曲を終え、「AKLOがいるからこんな格好で出てきたけどさ、AKLOがいなくなったらなんかおれ寂しくなってきちゃったなぁ」とKREVAさんが告げると、今度はメロウなサウンドが。

鈴木雅之が歌う「くればいいのに」

908 FESTIVAL 2014

そのまま「くればいいのに」のラップパートを披露し、サビ部分で「どうしてもこの歌声が聞きたかったぜ!」とステージに現れたのは鈴木雅之さん。いまだかつてない貫禄に驚きの声が上がる中、鈴木さんが「くればいいのに」のサビを歌うと、再び悲鳴が響きます。

ラブソングの王様・鈴木雅之さんと、ヒップホップの王様・KREVAさんによる世紀の競演は「908 FESTIVAL」でしか見られないでしょう。

9月8日が中秋の名月の日であることにちなんだ演出で披露された名曲「夢で逢えたら」でオーディエンスと合唱し、短い時間でありながら一瞬でオーディエンスを虜に。KREVAさんとのコラボ曲「僕らの奇跡」も披露されました。

KICK THE CAN CREW×RHYMESTER!?!?

908 FESTIVAL 2014

お次ぎは「事前に名前がアナウンスされてないアーティストが出てきたっていいだろ? 俺がプロデュースした曲を聞いてくれ! これだ!」とKREVAさんの合図と共に流れたのは「La La La Like a Love Song」。

事前に発表されていなかった、MCUさんとLITTLEさんからなるユニット・ULが登場し、さっきまでの淡い空気から再びヒップホップな時間に切り替わります。後半のサビでは、ULの2人と同じく真っ白な衣装に身を包んだKREVAさんが登場。

そのまま一緒にサビを歌唱し、ついにKICK THE CAN CREWがステージに集結しました。

「やっとできたなこの歌」「もう終わろう」と、満足げにステージを去ろうとするKREVAさんとMCUさんを、LITTLEさんが「まだ何も終わっちゃいないぜ!!!」と呼び止めると、誰もが待ち望んでいた名曲「イツナロウバ」が!

活動を休止してからも、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」などのイベントで何度か披露されてきたこの曲ですが、はじめて見る人も多かったよう。それぞれのバースの度に歓声が起き、なかには涙を流す人まで。

盛り上がりながらも感動的な時間でした。

「次は何の曲だろう」とソワソワしているオーディエンスの頭の中を察知しているかのように、次の曲は「予想の斜め上からいきますから」とKREVAさんが告げます。

「今日は何の日?」→「908 FESTIVAL」、「日本語にすると?」→「クレバ祭り」、「祭りと来たら神輿!?」「神輿? 神輿ロッカーズ!?!?!?」と、武道館にはどこかで聞き覚えのあるビートが響きます。

ステージ後方からRHYMESTERの宇多丸さんとMummy-Dさんが登場し、何年ぶりかわからない程、まさに斜め上からきた貴重な楽曲「神輿ロッカーズ」が披露されました。

揺れるに揺れる武道館。

サプライズはまだ終わりません。続いてDJ JINさんを呼び入れ、KICK THE CAN CREWとRHYMESTERによる「マルシェ」が披露。RHYMESTERがKICK THE CAN CREWの楽曲「マルシェ」をカバーしていたことから実現した奇跡の競演です。

Mummy-DさんとKREVAさん、DJ DINさんとLITTLEさん、宇多丸さんとMCUさんのペアで一緒にラップしたりと、豪華過ぎるステージが繰り広げられました。

この場でしか起きないすばらしいMAGIC

908 FESTIVAL 2014

KICK THE CAN CREWのステージを終えると、次はRHYMESTER。「ONCE AGAIN」、「CHOICE IS YOURS」の2曲で、いつも通りのペースながらも、ベテランらしい爪痕を残していきます。

続いて「この場でしか起きないすばらしいMAGIC」と紹介されたのは、久保田利伸さん。ステージが再びバンドセットに戻り、「M☆A☆G☆I☆C」がはじまります。KREVAさんもステージに現れ、2人のコラボ曲が披露されました。

その後は、なんと「La・La・La Love Song」で久保田利伸さんと三浦大知さんによる競演が実現。「ラララ♩」と2人の圧巻の歌声の高度な掛け合いが幾度となく繰り返されます。

王様・KREVAの登場

スクリーンに昨日行われた「KREVA~完全1人武道館~」の映像が映し出されると、いよいよ本日の主役・KREVAさんが登場。

ドラムの太いビートが響くと「イッサイガッサイ」がスタート。そのまま三浦大知さんを再びステージに呼び戻し、2人のコラボ曲「蜃気楼」へと続きます。会場がこれでもか! という程、ユッサユッサと揺れていました。

そのまま拍車をかけるように、「待てよ! これ、908 FESだぜ?」「俺が目指してるクライマックスっていうのは、もっともっともっと高いところにあるんだよね」「俺の音楽人生、まだまだ中盤戦?」と、Mummy-Dさんとのコラボ曲「中盤戦」がスタート!

三浦大知さんに続き、再びのゲストの登場に会場は興奮状態になります。

さらに「この歌を俺は武道館でやりたくてやりたくてしょうがなかったんだよ」、「おれを知らないで来た人も、みんなで一緒に歌いたいんだよね」と、いまやKREVAさんの代表曲とも呼べる「Na Na Na」をそこいる全員が一体となって、叫んで、そして飛び跳ねます。

2階席から辺りを見渡すと、どこに目を向けても、ほんとにすべての人が笑顔で歌っているのがわかりました。“知らなくても楽しくなれる”「Na Na Na」はまさにそういう曲であることを物語っていました。

スペシャルなタイミングでしか歌えない「希望の炎」

ラストパートでは、「今日は断言できます。最高です」とオーディエンスに感謝の言葉を伝え、「スペシャルなタイミングでしか歌えないんだけど、今日は思いっきり歌いたいと思います」と、ソロ第1作目として10908枚限定でリリースされた「希望の炎」を披露。

KREVAさんの足下は、希望の炎が灯されているかのような赤く揺れる光で囲まれていました。

そしてラストは昨日と同様、10年前の9月8日にリリースした「音色」を披露。1年も欠かさずに歌い続けてきたと断言できる、思い入れの強い楽曲を武道館に響かせます。

アンコールでは、「みんなを楽しませることにこの2ヶ月間ぐらい、自分の人生を捧げるように考えて生きてきたから」、「最後、自分がこのバンドでやるんだったらこの曲、これやりてえっていうのやっていいですか」と告げ、「ここが一番のパーティー会場だと思ってるぜ」と披露されたのは「パーティはIZUKO?」。

今日のステージを支えてきたバンドメンバーを紹介し、豪華出演者もステージに集結。全員でオーディエンスに向けて感謝の意を表し、「908 FESTIVAL 2014」は大盛況に包まれながら幕を閉じました。

終演後のスクリーンでは、2015年にニューシングルニューアルバムのリリース、そして「47都道府県+αツアー」の開催が発表されました。

9月7日と9月8日の2日間で集まった人数は18,000人。ヒップホップの王様が武道館で起こした奇跡の2日間。10周年を迎えたKREVAさんが、これからどんな感動を起こしてくるのか、楽しみですね。

※記事初出時、一部出演者の表記に誤りがございました。読者の皆様および関係各位にお詫び申し上げると共に、慎んで訂正いたします

引用元

HIPHOPの王様・KREVA主催「908 FES」参戦記! KICKにライムス、久保田利伸が夢の競演

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