タバコは本当に「カラダに悪い」?

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タバコは本当に「カラダに悪い」?

「百害あって一利なし」といわれる、タバコ。日本では、1970年代から健康志向や生活意識の高まりによって「嫌煙」という言葉が使われ始め、タバコを忌避するムードが生まれたといわれています。

 愛煙家にとってみれば、肩身の狭い思いをしながらタバコを吸う毎日を過ごしていることでしょう。なかには、「カラダに悪いからタバコはやめなさい」と家族やパートナー、友人などから口酸っぱく注意を受けている人もいると思います。

 一方、この「カラダに悪い」という決まり文句に疑問を投げ掛けるのが、武田邦彦・中部大学教授。武田教授といえば、『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)へのレギュラー出演や環境問題の「ウソ」を批判することで知られる科学者です。

 そんな氏は、著書『早死にしたくなければ、タバコはやめないほうがいい』の中で、嫌煙ムードで喫煙者が半減しているのにもかかわらず、肺がん患者は5倍に増えていると指摘。肺がんの原因というと、喫煙を真っ先に思い浮かべますが、実態はそのイメージと異なるそうです。

「肺がんにかからなくても、ほかの病気になる可能性があるのでは?」といった意見も挙がるかもしれません。この点で、武田教授は慢性閉塞性肺疾患(COPD)という、肺の炎症で空気の流れが悪くなる病気が、喫煙によるリスクの中でも高いものとしています。そして、喫煙しながらCOPDを防ぐには、「ブリンクマン指数」(1日に吸う本数×喫煙年数)を参考にすべきで、700を超えると発症の可能性が高まるそうです。

 本書の中で武田教授は「1日20本ならまあ、35年間は吸えるということになる」と述べています。つまり、お酒と同じようなタバコの「適量」といえるのは、20(本)×35(年)=700で、1日1箱以下がその量になるといえるのだそうです。

 また、武田教授によれば「タバコは人類の大切な宝である」とのこと。たとえば、インディアン(ネイティブアメリカン)やアイヌの人々は、タバコを通してほかの部族とコミュニケーションを図ることで、戦争が少なかったといいます。実際、アイヌが残した喫煙具である「タバコ入れ」「キセル」「キセル差し」の3点セットには美しい文様が施され、彼らの文化を象徴しているそうです。

 形に残るものにとどまらず、多くの文化に影響を与えているタバコ。現代でも9月20に幕張海浜公園で開催される音楽フェス「StarFes.’14」は、タバコを吸いながらメインステージを観ることができる「Smoking Hills」を設けるといった、珍しい試みを行っています。こうした点で、喫煙と文化の関係性は、嫌煙ムードの色濃い世の中になっても決して過去のものではないといえるのではないでしょうか。

【関連リンク】

StarFes.’14

http://star-fes.net/

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