深刻な空き家問題、住宅“こだわり”派には朗報?

全国の住宅総数6063万戸のうち、820万戸が空家

深刻な空き家問題、住宅“こだわり”派には朗報?

今、空家が増え続けています。全国の住宅総数6063万戸のうち、820万戸が空家だといわれています。空家が増えているのは、少子高齢化、都市部への人口の流入などが大きな理由でしょう。

不動産会社に空家問題を相談する不動産オーナーの声を聞くと、次のような悩みがあるのがわかります。

■ゴミの不法投棄の苦情への対応
■毎年かかる固定資産税
■風災や地震で隣近所に迷惑がかかることへの心配
■火災や戸締りへの心配

また、建物をわざわざ管理しないといけないために、空家の管理を不動産会社に委託する例も増えてきています。このような悩みが多いために、一旦住宅を売りに出す場合には早めの売却を希望するオーナーが多いのです。空家になると、住宅の劣化も早いのため、そのことも気持ちに追い討ちをかけています。

首都圏では築年数30年以上の中古住宅の売買が増加

一方、住宅を購入する側から見れば、どうでしょう。東日本流通機構のデータによると、首都圏では築年数30年以上の中古住宅の売買が増えています。2013年度の取引は2420件。全取引量の20%以上を占め、前年比で13%増。価格は築年数5年未満の物件価格が7.4%増加しているのに対し、築年数30年以上の物件価格は4%減少。築浅物件は高く、古い物件は安くなる傾向が顕著になってきています。これは、中古物件のオーナーが安くても早く売ろうとしているからです。

30年超の物件は土地代程度で購入ができます。中古住宅の購入費用が安く抑えられる分、自分好みにリフォーム等に費用を使うことができるため、住宅“こだわり派”には朗報です。また、リノベーションして、再販される中古住宅の販売も最近増えています。

元々、築浅物件に比べて価格の安い築30年超の物件が、空家問題を契機にさらに安く購入できる状態になっています。住宅購入を諦めていた人にとって、手が届く範囲にまで中古住宅が安くなってきているといえるでしょう。空家の問題を活用して、築年数を経過した物件を安く購入してリフォームすることで、大きく得をすることができます。同時に、最近の住宅ローンはリフォーム代まで一緒に融資してくれる商品も増えました。夢のマイホームの実現が一気に近づくことになるのかもしれません。このことが、空家問題の解決にもつながるでしょう。

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